がんの治療に使われる主な薬

タモキシフェン:錠剤


更新・確認日:2017年04月05日 [ 履歴 ]
履歴
2017年04月05日 「7.参考資料」を更新しました。
2015年11月19日 掲載しました。
注:本ページは、患者さん個別の状況に関する医学的判断を目的としたものではありません。患者さんご自身の治療内容や副作用については、担当の医師や看護師、薬剤師にお尋ねください。

1.薬の名前

一般的名称および剤型:タモキシフェン:錠剤
この成分を使用している商品
ノルバデックス錠10mg
ノルバデックス錠10mg
ノルバデックス錠20mg
ノルバデックス錠20mg
※商品名の欄には主に先発医薬品の名前を掲載しています。後発医薬品(ジェネリック医薬品)については、商品名ではなく薬の「一般的名称」から索引ください。

2.適応となるがん

  • 乳がん
※治療の内容や全身状態などにより、記載したがんであっても使われない場合があります。また、がんの治療以外でも使われる場合があります。

3.種類と作用

薬を使用する目的には、治癒・延命・症状緩和がありますが、がんの種類や病態により異なります。期待される効果とそれに伴う副作用などのリスクも、人によって異なります。
この薬はホルモン療法に使用される、内分泌療法薬という種類の薬です。その種類の中で「抗エストロゲン薬」と呼ばれるグループに属します。主に乳がん細胞のエストロゲン受容体に作用し、がん細胞の増殖を抑えます。

4.注意すること

薬を安全に使用するための注意点です。

1)この薬を使用する際に、特に注意がいる人

  • 白血球数あるいは血小板数が減少している人

2)医師や薬剤師から確認される注意点

  • 妊娠または授乳中。
  • 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。
  • ほかに薬を使っている。
  • 健康食品やサプリメントを使っている。

3)使用上の注意点

  • この薬を使用している間は、避妊を行ってください。また、避妊に際しては、経口避妊薬(ピル)以外の方法を用いてください。
  • 授乳を避けてください。
  • この薬の影響で、子宮体がん、子宮肉腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜症がみられることがあるため、定期的な検査が必要です。不正出血などの異常な婦人科学的症状がみられた場合には、直ちに医師へご相談ください。
  • 飲み忘れた場合は、気が付いたときにできるだけ早く飲んでください。ただし、次の服用時間がせまっている場合は、1回分とばし、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。
  • 骨髄抑制は、がんの治療で用いられる多くの薬であらわれる副作用ですが、この薬でもあらわれることがあります。血液検査で早期に発見できますが、だるい、発熱、血が止まりにくいなどのときは、骨髄抑制の症状です。骨髄抑制が進むと感染症などにかかるおそれがあります。

5.副作用

1)主な副作用

無月経、月経異常、性器出血、吐き気、嘔吐(おうと)、食欲不振、ほてり、潮紅(ちょうこう)など

2)気を付けておきたい副作用と自覚症状

重大な副作用に至る可能性がある主な自覚症状です。薬の使用中、医師は採血の回数を増やすなど、必要な検査や診察を行って副作用をチェックしていきますが、次のような症状が出た場合や急な体調の異変などがあれば、医師、看護師または薬剤師に伝えましょう。
主な自覚症状 可能性のある重大な副作用
突然の高熱、寒気、のどの痛み 無顆粒球症、白血球減少、好中球減少
手足に点状出血、あおあざができやすい、出血しやすい(歯ぐきの出血・鼻血・生理が止まりにくい) 血小板減少
顔色が悪い、疲れやすい、だるい、頭が重い、動悸(どうき)、息切れ 貧血
ものの形が見えにくい、視力の低下、眼のかすみ 視力異常
見えにくい、眼のかすみ 視覚障害
手足の麻痺(まひ)やしびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫(は)れ 血栓塞栓(そくせん)症
痛み、腫(は)れ、押すと痛い 静脈炎
からだがだるくなる、発熱(38℃以上)、皮膚や白目が黄色くなる、食欲がなくなる、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛、発疹、かゆみ、意識の低下、判断力の低下、考えがまとまらない、いつもお腹が張っている 劇症肝炎
からだがだるくなる、発熱(38℃以上)、皮膚や白目が黄色くなる、食欲がなくなる、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛、発疹、かゆみ 肝炎
白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿が褐色になる 胆汁うっ滞
からだがだるくなる、発熱(38℃以上)、皮膚や白目が黄色くなる、食欲がなくなる、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛、発疹、かゆみ、意識の低下、判断力の低下、考えがまとまらない、いつもお腹が張っている 肝不全
尿量が多い、口の渇き、水を多く飲む、吐き気、嘔吐(おうと)、注意力が散漫になる 高カルシウム血症
おりものの増加、下腹部の強い痛み、月経時以外の性器出血、月経時の出血が異常に増える 子宮筋腫
不正出血、月経時の出血が異常に増える、月経期間が長引く 子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜症
階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空咳(からせき)が出る、発熱 間質性肺炎
皮膚のかゆみ、蕁麻疹(じんましん)、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、目と口唇のまわりの腫(は)れ、息苦しさ、動悸(どうき)、ほてり、意識の混濁 アナフィラキシー
急に唇、まぶた、舌、口の中、顔、首が大きく腫(は)れる、のどのつまり、息苦しい、話しづらい 血管浮腫
発熱(38℃以上)、目の充血、めやに(眼分泌物)、まぶたの腫(は)れ、目が開けづらい、唇や陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、のどの痛み、皮膚の広い範囲が赤くなる、などがみられ、これらの症状が持続したり、急激に悪くなったりする 皮膚粘膜眼症候群/スティーブンス・ジョンソン症候群
水ぶくれを伴う発疹 水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)
吐き気、嘔吐(おうと)、おなかの痛みがのけぞると強くなりかがむと弱くなる 膵炎(すいえん)

6.薬について心配なとき

薬の使用において、期待される効果とあらわれる副作用などは人それぞれ異なります。薬物療法を受けるにあたって、不安なことや知りたいことや心配なことがあるときには、ひとりで悩まずに担当の医師などの医療者や「がん相談支援センター」に相談しましょう。

●担当の医師、看護師、薬剤師など

担当医は、一人一人の状態に基づいて最も適した情報を提供してくれる存在です。治療について不安や疑問が生じた際には、まず、担当医へ相談しましょう。また、病棟や外来化学療法室の看護師、病院や調剤薬局の薬剤師に質問することもできます。

●がん相談支援センター

「がん相談支援センター」は、全国の「がん診療連携拠点病院」などに設置されている、がんに関するご相談の窓口です。治療について、「がん相談支援センター」にご相談いただくこともできます(ただし、担当医にかわって治療の判断をするところではありません)。
全国の「がん相談支援センター」は、「がん相談支援センターを探す」(https://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/xpConsultantSearchTop.xsp)のページから検索できます。

●がん情報サービスサポートセンター

お電話で、「がん相談支援センター」を探すお手伝いをします。
サポートセンターについては、「がん情報サービスサポートセンターのご案内」(https://ganjoho.jp/public/consultation/support_center/guide.html)のページをご参照ください。

7.参考資料

  • ノルバデックス錠10mg,20mg 添付文書情報.アストラゼネカ.2017年01月改訂版(第21版)
  • ノルバデックス錠10mg,20mg 患者向医薬品ガイド.アストラゼネカ.2014年03月更新版
  • ノルバデックス錠10mg,20mg くすりのしおり(R).アストラゼネカ.2014年03月改訂版
本ページでは、がんの治療に使用される代表的な薬を中心に掲載していますが、がんの治療に使われるすべての薬に関する情報を網羅しているものではありません。また、掲載している薬の一部は、がんの治療以外にも使用される場合があります。
薬の効果、使い方、注意することや最新の情報については各医薬品の「患者向医薬品ガイド」、医療専門家向けの「添付文書情報」
外部サイトへのリンク http://www.pmda.go.jp/)をご参照ください。
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