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がん検診 もっと詳しく知りたい方へ

更新・確認日:2019年09月02日 [ 履歴 ]
履歴
2019年09月02日 「がん検診について」を「がん検診 まず知っておきたいこと」「がん検診 もっと詳しく知りたい方へ」に分割し、内容を更新しました。
2016年04月08日 「がん検診について」の「5.がん検診の効果とは?」「6.部位別がん検診の実際」について、 厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年 一部改正)」に従って、更新しました。
2011年08月03日 「がん検診について」を更新しました。
2006年10月01日 「がん検診について」を掲載しました。
現在、わが国のがんによる死亡者数は年間37万人を超え、死亡原因の第1位です。診断と治療の進歩により、一部のがんでは早期発見、早期治療が可能となりつつあります。がん検診には、利益と不利益がありますが、正しい方法を正しく行うことにより、がんによる死亡を減少させることができます。

がん検診に関する理解を深め、正しい知識を持って適切に受診しましょう。

1.がん検診の流れ

●がん検診では、「がんの疑いあり(要精検)」か「がんの疑いなし(精検不要)」かを調べ、「要精検」の場合には精密検査を受けます
がん検診は、健康な人に対して、「要精検」「精検不要」を判定し、「要精検」の人を精密検査で診断します。

がん検診は、「がんがある」「がんがない」ということが判明するまでのすべての過程を指します。図1に示すように、がん検診を受けて「精検不要」の場合は、定期的に次回の検診を受診することになりますが、「要精検」の場合は、精密検査を受診し、必要に応じて治療を行います。「精密検査」を受診して、「異常なし、または良性の病変」であった場合、次回の検診を受診します。
図1 がん検診の流れ
図1 がん検診の流れ

2.推奨されるがん検診とは

●国が推奨するがん検診は5種類です
がん検診の効果は、科学的な方法によってがん死亡率の減少が検証されています。厚生労働省の「がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」に定められた検診は、表1に示す通りです。
表1 「がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で定められたがん検診の内容
種類 対象者 受診間隔 検査項目
胃がん検診 50歳以上※1
※1:当分の間、胃部X線検査に関しては40歳以上に実施も可
2年に1回※2
※2:当分の間、胃部X線検査に関しては年1回の実施も可
問診に加え、胃部X線検査または胃内視鏡検査のいずれか
子宮頸がん検診 20歳以上 2年に1回 問診、視診、子宮頸部の細胞診および内診
肺がん検診 40歳以上 年1回 質問(医師が自ら対面により行う場合は問診)、胸部X線検査および喀痰細胞診(ただし喀痰細胞診は、原則50歳以上で喫煙指数が600以上の人のみ。過去の喫煙者も含む)
乳がん検診 40歳以上 2年に1回 問診および乳房X線検査(マンモグラフィ)
大腸がん検診 40歳以上 年1回 問診および便潜血検査

3.がん検診の目的

●がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことでがんによる死亡を減らすことです。
多くのがんを見つけることは、がん検診の目的ではありません。

1)検診の対象は症状のない人

●検診は症状のない人が対象です
無症状のうちに「がん」を早期に発見し治療することにより、がんによる死亡のリスクを減らすことができます。症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

2)検診と健診

●「検診」はターゲットとする病気を発見するために行われるもので「健診」とは異なります
検診は特定の疾病を発見するために行われ、要精検の場合は確実に診断することが必要となります。
健診は疾病のなりやすさを判定するために行われ、異常の場合は発病を防ぐための指導を受けることなどが必要となります。

3)がん検診の基本条件

●「がん検診」ががんによる死亡の減少につながるためには、さまざまな条件があります
がんによる死亡を減少させるためには、検査方法だけではなく、さまざまな条件を満たすことが必要です。がん検診には必ず不利益が伴いますが、症状のない健常者が対象であるため、不利益よりも利益が上まわる検診を行う必要があります。また、診断・治療を行うまでの過程が構築され、受診する前に一連の流れについての説明と同意がされている必要があります。

(1)がんになる人が多く、また死亡の重大な原因であること

検診の対象となるがんは、そのがんになる人が多いこと、またそのがんによる死亡が多いものです。対象者のがんになる可能性が低い場合(まれながんや年齢が低いなど)、がんではないのに要精検となり、不必要な診断を行うリスクが高くなります。また、死亡に至ることのないがんを発見する場合も、同様のリスクがあります。
わが国において、検診の対象として推奨できるのは、胃がん、子宮頸(しきゅうけい)がん、肺がん、乳がん、大腸がんです。

(2)がん検診を行うことで、そのがんによる死亡が確実に減少すること

がん検診は、早期発見によりそのがんの死亡を減少させることを目的としています。がん検診により死亡を確実に減少させることができるかは、科学的な方法に基づく検証が必要です。現在の検診は、このような検証を経て推奨されています。

(3)がん検診を行う検査方法があること

多くの人を対象として行うことのできる検査方法が必要です。特定の施設や専門家しかできない検査方法はがん検診には不向きです。検査のための医療機器や、検査を行う医師や検査技師などが十分確保できることも基本条件となります。

(4)検査が安全であること

どのような検査にも偶発症(医療行為に伴って予期せず起こる合併症)の可能性はありますが、その頻度は検査方法によって異なります。健康な人を対象に行う検査には、偶発症の可能性ができるだけ低いことが望まれます。

(5)検査の精度が高いこと

症状のない健常者を対象として、がんの人のみを検出し、がんのない人をがんでないと判定できる検査が理想ですが、現実にはそのような検査はありません。特に、がん検診においては、がんでない人をがんでないことが正確に判定できる検査方法が、利益、不利益のバランスの観点から望まれます。また、がん検診は完全に正確に判定できないため、定期的に受診すること、症状のある場合はすぐに医療機関を受診することが必要です。

(6)発見されたがんについて治療法があること

発見されたがんに対する治療法が確立している必要があります。効果的な治療法が確立していることにより、救命が可能になります。

4.がん検診の利益、不利益

●「がん検診」には不利益(デメリット)もあることから、症状のない人が受けたときに利益(メリット)が不利益を上まわる検診だけを受けましょう
がん検診には利益と不利益があるため、総合的に利益が上まわると判断できるがん検診を受診する必要があります。

1)がん検診の利益

●「がん検診」の最大のメリットは、がんによる死亡が減ることです
がん検診の最大の利益は、早期発見、早期治療による救命です。症状が出てから受診した場合、がん検診と比べ、がんが進行していることが多くあります。一方、がん検診は症状のない健常者を対象にしていることから、早いうちにがんを発見できます。
がん検診を受けて「異常なし」と判定された場合に安心を得ることができるのも利益のひとつです。

2)がん検診の不利益

●「がん検診」のデメリットとしてがんが100%見つかるわけではないことや不要な検査や治療を招くことがあることなどがあります
がん検診には必ず不利益があります。がん検診の対象者は症状のない健常者のため、身体的、精神的苦痛を被るリスクはできるだけ低くする必要があります。不利益を理解し、利益が上まわると判断した上で検診を受けることが重要です。

(1)がん検診でがんが100%見つかるわけではないこと

健常者を対象とした場合、100%がんを発見できる検査はありません。検出の限界よりも小さながんは検査で発見することはできませんし、検査そのものの限界もあります。このため、ある程度の見逃しは、どのような検診であっても起こります。

(2)結果的に不必要な検査や治療を招く可能性があること

受診時の年齢が高い場合や、進行のゆっくりしたがんに対して特に精度の高い検診を行った場合、症状が出ず死に至らないがんを発見することがあり、これを「過剰診断」といいます。がんと診断された場合、過剰診断のがんと普通のがんを区別することはできないため、不必要な検査や治療を行ってしまう場合があります。
また、がんではないのにがんの疑いがあると判定されることがあり、これを検診での「偽陽性」といいます。100%の精度のがん検診はないため、「偽陽性」はある程度起こり得ます。

(3)検査に伴う偶発症の問題

偶発症としては、胃の内視鏡検査では出血や穿孔(せんこう:胃壁に穴を開けること)を起こすものなどがあり、極めてまれですが、死亡に至ることがあります。またX線検査などによる放射線被ばくによりがんの誘発や遺伝的影響は、極めて低い確率ではありますが、否定することはできません。これらについては、検査を行う医師の技術向上や機器の改善などによってその影響を最小限に抑えられるようになっています。

(4)受診者の心理的影響

がん検診を受ける場合、多かれ少なかれ心理的な負担があります。検診によって「がんがありそう(異常あり)」とされた場合、精密検査を受診する必要があり、検査の結果が出るまで精神的な負担がかかりますが、医師や看護師から十分な説明を受け、がん検診の利益、不利益を理解することが必要です。

5.がん検診Q&A

Q1どのようながん検診を受けたらいいですか。
A1科学的な根拠により、がん検診として効果がある(そのがんの死亡率を減らす)と評価された検診を受けることが望ましいです。

効果が不明あるいは効果なしと評価されている検診を受ける場合、利益である死亡率減少効果よりも、死に至らないがんの発見により治療をしなくてはいけなくなったり、検査による偶発症が発生したりするなどの不利益が大きいことがあるため、慎重な判断が必要です。
また、検診は、精密検査が必要(要精検)という結果が出た場合は精密検査まできちんと受けることで、はじめて効果(死亡率減少)に結びつきますので、必ず受診するようにしてください。
Q2がん検診として、効果が不明ということはどういうことですか。
A2がん検診による死亡率減少効果が科学的に証明されていないものは、効果が不明とされます。

現在効果が不明とされている検診手法についても、今後のさらなる研究によって、効果があると判定される場合もあります。こうした検診方法については、十分な研究が行われていなかったり、研究の途上であったりすることから、効果の確実な判定ができない状況にあります。
Q3多くのがんが見つかる検査が、がん検診として効果があると言えますか。
A3多くのがんが見つかる検査ががん検診として効果があると言い切ることはできません。

がん検診は、症状のない人に検査が行われますので、見つかるがんには生命に影響しないがんが、症状があって病院を受診した人よりも多く含まれます。
症状のない人の微少ながんや前がん病変の発見は、がんで亡くなるリスクを減らすことに貢献しないことがありえます。特に、成長が遅いがんや検査時の年齢が高い場合は、小さながんを見つけても、がんによる死亡が変化しない場合があります。
がん検診の効果を正確に判断するためには、より多くのがんが見つかることだけではなく、発見することで治療につながり、死亡を防ぐことができるがんを見つけることをしっかりと評価することが必要です。
Q4がん検診は何歳から、何年に1回の頻度で受けたらいいですか。
A4がん検診は、受ける検査方法と同様に、国で推奨されている対象年齢と受診間隔で受けることが望ましいです(表1)。

これらの年齢と受診間隔は、検診による利益(がん死亡率の減少効果)が確認され、検診による不利益(死に至らないがんの発見や検診による偶発症の発生など)が最も小さくなることが考慮されています。 対象年齢より若い年齢や、短い受診間隔で検診を受ける場合には、利益よりも不利益が大きくなることを理解する必要があります。
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