2-5 適正体重を維持する

これまでの研究から、肥満度の指標であるBMI(注)値が、男性は21.0~26.9で、女性は21.0~24.9で、がん死亡のリスクが低いことが示されました。

(注)BMI(Body Mass Index):肥満度を表す指標です。値が高くなるほど、肥満度が高いことを表します。

P9図

太りすぎ、痩せすぎに注意

中高年の日本人を対象に行われた研究報告をまとめ、がんによる死亡のリスクと、総死亡(すべての原因による死亡)のリスクが、BMI値によって、どう変化しているかをBMI値23.0~24.9を基準(1.0)としてグラフに表すと、図2のようになりました。

【9ページ図 図2.BMI値と死亡リスクとの関連(日本の7つのコホート研究のプール解析)】

国立がん研究センター.がん対策研究所 予防関連プロジェクト.肥満指数(BMI)と死亡リスク;2011年.より作成

P9図2

【図終わり】

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図2をみると、男女とも、がんを含むすべての原因による死亡リスクは、太りすぎでも痩せすぎでも高くなることが分かります。

がんの死亡リスクに関しては、男性では肥満よりも痩せている人の方が高くなりました。ただし、たばこを吸わない場合には、痩せていてもがんの死亡リスクは高くならないことが報告されています。

女性においては、がんによる死亡リスクはBMI値30.0~39.9(肥満)で25%高くなりました。特に閉経後は肥満が乳がんのリスクになることが報告されていますので、太りすぎに注意しましょう。

健康全体のことを考えると、男性はBMI値21~27、女性は21~25の範囲になるように体重を管理するのがよいようです。

P10図
BMI値の目安
男性はBMI値21~27、女性はBMI値21~25の範囲になるように体重を管理するのがよいでしょう。

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