ステージ(病期)は、ローマ数字を使って表記することが一般的で、食道がんでは早期から進行するにつれて0期〜WA期、WB期まであります。なお、ステージのことを進行度ということもあります。
ステージは、次のTNMの3種のカテゴリー(TNM分類)の組み合わせで決まります(表1)。
Tカテゴリー:原発腫瘍*の広がり(深達度)(図2)
*原発腫瘍とは、原発部位(がんがはじめに発生した部位)にあるがんのことで、原発巣ともいわれます。
Nカテゴリー:領域リンパ節(食道の近くにあるリンパ節)に転移したがんの個数
Mカテゴリー:遠隔転移(がんができた場所から離れた臓器やリンパ節への転移)の有無
【10ページ表 表1.食道がんのT・N・M各因子の分類(日本食道学会による分類)】
日本食道学会編「臨床・病理 食道癌取扱い規約 第12版,2022年,金原出版.を参考に作成
【表終わり】
【10ページ図 図2. 食道がんの深達度】
日本食道学会編.臨床・病理 食道癌取扱い規約 第12版.2022年,金原出版.を参考に作成
【図終わり】
進行度分類は、治療方針を決めるときに使う「臨床的進行度分類」と、切除した病変を病理診断し、実際のがんの広がりを評価した「病理学的進行度分類」があります。また、食道がんは、扁平上皮がんと腺がんでは、進行度分類が異なります。
この冊子では、扁平上皮がんの臨床的進行度分類を掲載しています(表2)。食道胃接合部の腺がんの場合は、胃がんの病期分類に従って進行度を判断します。
【11ページ表 表2.食道がん(扁平上皮がん)の臨床的進行度(ステージ)分類(日本食道学会による分類)】
日本食道学会編.臨床・病理 食道癌取扱い規約 第12版.2022年,金原出版.を参考に作成
【表終わり】
なお、この進行度分類には、日本の分類(表2)と国際的な分類(UICCによる分類)があり、国際的な分類が使われることもあります。