食道がんの根治切除後は、定期的に通院して検査(経過観察)を受けます。経過観察の目的は、(1)再発の早期発見・早期治療、(2)体の状態やQOL(生活の質)の評価と改善、(3)食道の中に複数の病変が発生する多発がんや、食道がんの重複がん(同じ人の異なる部位に発生するがん)である、胃がんや頭頸部がんなどの早期発見・早期治療です。
再発の早期発見を目的とした検査では、問診やCT検査、上部消化管内視鏡検査などが行われます。多発がんや重複がんの早期発見のためには、上部内視鏡検査による定期的かつ慎重な観察が必要とされています。
診察や検査の時期や頻度は、初回治療時のがんの進行度、治療の目的や受けた治療、治療の効果、治療後の時間経過によって異なりますが、おおよそ年1〜4回程度です。
なお、術後の再発は、2年以内のことが多いですが、それ以降に起こることもあります。首の腫や声のかすれ、痛み、呼吸が苦しい、血痰などの症状がある場合はすぐに受診しましょう。