3−4−1 手術の種類

(1)喉頭温存手術

喉頭の一部を取り除く方法で、がんの大きさや場所によりますが、手術後もある程度声を出すことができます。手術の方法は、経口的切除術、喉頭部分切除術、喉頭亜全摘出術があります。

●経口的切除術・内視鏡切除術

声帯や声門上部のがんで表面のみにとどまる場合は、口からのどへ手術器具を挿入して切除する経口的切除術が可能な場合があります。顕微鏡や内視鏡を用いた切除の方法があります。

●喉頭部分切除術・喉頭亜全摘出術

より進行している場合や、がんの部位によっては、頸部を切開し、喉頭を一部残してがんを取り除きます。喉頭を残す範囲によって、喉頭部分切除術と喉頭亜全摘出術に分けられます。

(2)喉頭全摘出術

喉頭を完全に取り除く方法で、手術後は手術前と同様の声を出すことができなくなります。喉頭を取り除くと、喉頭とつながっていた咽頭が開いた状態になるため、この部分を閉じる処置を行います。ただし、この処置により気管が鼻や口とつながらなくなってしまうため、呼吸をするための穴(永久気管孔)を首に開ける必要があります。

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(3)頸部郭清術けいぶかくせいじゅつ

リンパ節への転移がある場合に、手術で転移のあるリンパ節を周囲の組織ごと取り除く方法です。がんの状態によって、取り除く範囲は異なります。リンパ節への転移がない場合にも頸部郭清術を行うことがあります(予防的郭清)。周辺の血管や神経をできるだけ残しながら手術しますが、がんの状態によってはそれらを残すことができない場合もあります。