3−3 化学放射線療法

化学放射線療法とは、放射線治療と薬物療法を併用することで治癒を目指す治療方法です。病気の進み具合によっては、放射線治療のみで治療する方法と比較して、がんの進行を抑える効果があること、喉頭を残せる可能性が高いこと、予後(病気や治療のあとの経過や見通し)が向上することなどが報告されています。

一方で、放射線と薬物の両方の副作用により、嗄声、粘膜炎による嚥下障害、皮膚炎、骨髄抑制などの副作用が強く出ることがあります。そのため、化学放射線療法を行うかどうかは、がんや体の状態をふまえて、医師と相談しながら決めていきます。

化学放射線療法における薬物療法では、細胞障害性抗がん薬や、分子標的薬を使います。細胞障害性抗がん薬は、細胞が増殖する仕組みの一部を邪魔することで、がん細胞を攻撃する薬です。分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わるタンパク質などを標的にして、がんを攻撃する薬です。

薬に関する詳しい情報は、治療の担当医や薬剤師などの医療者にご確認ください。

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