初回の治療後に再発し、手術や放射線治療ができない場合や、遠隔転移が起こった場合には、がんを小さくすることによる症状の緩和、QOLの維持・向上などを目的として、薬物療法を行うことがあります。
再発後の薬物療法では、細胞障害性抗がん薬や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬を使います。体や病気の状態に合わせて、いくつかの薬を併用したり、1つの薬で治療をしたりします。
細胞障害性抗がん薬は、細胞が増殖する仕組みの一部を邪魔することで、がん細胞を攻撃する薬です。分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わるタンパク質などを標的にして、がんを攻撃する薬です。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞ががん細胞を攻撃する力を保つ(がん細胞が免疫にブレーキをかけるのを防ぐ)薬です。
いずれの薬物療法でも副作用への対応が重要です。予想される副作用とその対応については担当医とよく相談をしましょう。特に免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療では、いつ、どんな副作用が起こるか予測がつかず、治療が終了してから数週間から数カ月後に起こる副作用もあるため注意が必要です。起こるかもしれない副作用の症状を事前に知り、自分の体調の変化に気を配って、治療中や治療後にいつもと違う症状を感じたら、医師や薬剤師、看護師などの医療スタッフにすぐに相談しましょう。
なお、2023年10月現在、喉頭がんの治療に効果があると証明されている免疫療法は、免疫チェックポイント阻害薬を使用する治療法のみです。その他の免疫療法で、喉頭がんに対して効果が証明されたものはありません。