4−6 再発した場合の治療

再発とは、治療によって、見かけ上なくなったことが確認されたがんが、再びあらわれることです。原発巣(最初にできたがん)のあった場所やその近くにがんが再びあらわれることだけでなく、別の臓器で「転移」として見つかることも含めて再発といいます。

再発の治療は、再発した場所が、以前に治療で放射線をあてたことのある部位か、あてていない部位かによって大きく方針が異なります。

放射線をあてていない部位に再発した場合には、放射線治療や、放射線治療中に細胞障害性抗がん薬を併用する化学放射線療法を検討します。骨盤内に再発した場合には、直腸や膀胱などもあわせて摘出する骨盤除臓術が行われることもあり、その場合は人工肛門や人工膀胱をつくることが必要になります。また、細胞障害性抗がん薬や分子標的薬を使用した薬物療法を行うこともあります。がんが最初にできた場所から離れた臓器に再発した場合や、再発したがんの数が多い場合には、症状を和らげ、生活の質を保つための放射線治療を行います。

放射線をあてたことのある部位に再発した場合には、手術や2度目の放射線治療をすると、合併症の頻度が高くなります。そのため薬物療法が選ばれることも多いですが、効果があまり期待できないため、生活の質を保つために、痛みなどの症状を和らげる治療も検討します。

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