4−1−2 がんの性質(組織型)

子宮頸がんは、顕微鏡下でのがん組織の見え方によって、いくつかの組織型に分類されます。主な組織型としては、扁平へんぺい上皮がんと腺がんがあげられます。扁平上皮がんが全体の8割程度、腺がんが2割程度を占めます。

扁平上皮がんには、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)と呼ばれるがんになる前の状態が存在します。CINには3つの段階があり、CIN1、CIN2、CIN3と進みます。CIN3は以前「上皮内がん(CIS)」とされていた病変を含み、扁平上皮がんの前がん病変とされています(図2)。腺がんの前がん病変はAIS(上皮内腺がん)といいます。前がん病変(CIN3またはAIS)があることが分かった場合には、治療を行います。また、CIN1、CIN2の場合には、引き続き定期的に検査を行って進行していないか確かめます。

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【14ページ図 図2.扁平上皮がんの発生・進行】

日本婦人科腫瘍学会編.患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン. 2016年,金原出版.を参考にして作成


14P.図2

【図終わり】