●がんと診断された直後からどのような時期でもリハビリテーション医療が行われます
通常のリハビリテーション医療は、体に何らかの障害が起こってから受けるのが一般的です。一方、がんのリハビリテーション医療では、がんと診断された後、治療による合併症や後遺症などを予防する目的で、治療が始まる前、あるいは治療を受けた直後から行われることがあります(予防的リハビリテーション)。このように予防が重視されていることが、脳卒中などほかの分野のリハビリテーション医療とは大きく異なる点です。
がんのリハビリテーション医療は、治療のどのような時期においても、どのような病状であっても、受けることができます。診断された直後から始める「予防的リハビリテーション」、治療と並行して受ける「回復的リハビリテーション」、3ページ再発/転移の時期には「維持的リハビリテーション」、症状緩和を中心とした医療が行われるときには「緩和的リハビリテーション」と、がんの治療の時期に応じて、リハビリテーション医療の目的や役割が異なります(図 1)。
【図1.がんのリハビリテーション医療の病期別の目的】
【図終わり】