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痛み止め使用時の便秘

更新日:2006年10月01日 [ 更新履歴 ]
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2006年10月01日 掲載しました。
便秘とは、排泄(はいせつ)物が長時間腸内にとどまり、水分が吸収されて排便に困難を伴う状態です。数日間以上排便がないもの、排便後の残便感が残るもの、さらにこれらにより腹部膨満(ぼうまん)感、腹痛を伴う症状のことをいいます。食事や食物繊維の摂取減少、運動不足、薬物などが原因となりますが、ここでは「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」の副作用による便秘について説明します。

1.頻度および程度

便秘は最もよくみられる「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」の副作用の1つで、開始直後から継続的にみられるものです。便通の管理を怠ると頑固な便秘となり、新たな苦痛となり、水様便(すいようべん)を伴う宿便に進行することもあります。

モルヒネには下痢をとめる作用がありますので、鎮痛効果が続くのと同時に便秘も持続します。「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」の使用中は、下剤(特に大腸刺激性緩下(かんげ)薬)を併用するようにします。

2.発生機序

「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」による便秘は小腸の運動を抑制し、腸液の分泌を抑制するために、便が硬くなることによって生じます。そして大腸の蠕動(ぜんどう)運動は低下し、肛門括約筋(かつやくきん)の緊張が高まり排便が困難となります。

また、病気の進行により、食事摂取量の不足、発熱、体動の減少、大腸へのがんの浸潤など、便秘となりやすい病態を合併していることが多くみられます。便秘が長時間続くと、悪心(おしん)、食欲不振、腹部膨満感などの消化器症状を呈することがあり、治療も困難になるため予防することが大切です。

3.便秘の予防および対処法

1)食物繊維を多くとる

お通じを良くするためには、食事の量や種類も大切になります。食事の制限のない場合は、なるべく野菜、玄米食、海草などの繊維の多い食べ物を十分に食べるようにしましょう。繊維は消化吸収されないので、便の量を増やし、便意がつきやすくなります。水分の不足は便を硬くし、排泄を困難にします。可能であれば水分をとりやすくするために、かき氷や果物、シャーベットなどをとりましょう。

2)腸を物理的に刺激する

大腸の走行に沿って、「の」の字を書くようにマッサージしましょう。腹部や腰を温めるのも腸の血流を増加させ、効果的です。

3)排便習慣を確立する

胃—結腸反射の起こりやすい朝食後に排便を試みることで、条件反射による排便習慣が確立できます。座位かしゃがむなど、通常の排便動作にできるだけ近づけて排便を試みます。

4)身体を動かしましょう

日常生活の中でこまめに体を動かすようにし、運動不足の解消につとめましょう。腹筋が弱いと大腸が緩み、いきむ力も弱くなるので便秘にはよくありません。

4.薬物療法

「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」による便秘の対策としては以下の2点があり、適切な下剤を選択します。
  1. 蠕動運動の亢進(こうしん)
  2. 水分の腸内での保持
下剤を飲んでも、すぐにはいつもどおりのお通じになるとは限りません。下剤の量が多ければ下痢になり、少ないと便秘になります。これらを繰り返すこともありますが、定期的に規則正しく内服することが大切です。下剤の効き目には個人差が大きいので、ご自分にあった下剤の量を探しましょう。

1)大腸刺激性緩下薬:腸蠕動亢進

腸管粘膜を刺激し、腸の蠕動運動を亢進します。また、大腸での水分および電解質の吸収を抑制し、便が固くなるのを防ぎます。作用発現時間は一般的に遅く、7~12時間ぐらいです。大腸刺激性緩下薬には、センノシド(プルゼニド(R))、ビコスルファートナトリウム(ラキソベロン液(R))などがあります。

2)浸透圧性緩下薬:水分保持、便の軟化

ラクツロース(モニラック(R))、酸化マグネシウムなどがあります。
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