本書は、がん検診に従事される行政担当者の方にむけて、がん検診の精度管理の要点と実施方法を解説したものです。第2版では事業評価のためのがん検診チェックリストの改定(平成28年3月)に伴い、チェックリストの解説や事例の一部を更新いたしました。
1.本書の位置づけ
がん検診によってがん死亡を減らすためには、死亡率減少効果が科学的に証明されている検診を、適切な精度管理の下で実施することが最も重要な対策です。すなわち、まず受けることでがん死亡のリスクが減る検診(科学的根拠のある検診)を行い、次にそのようながん検診の質を徹底的に管理して高い水準を保つことで、初めてがん死亡の減少が実現できます。また、これらの対策をとったうえで受診率を上げることも精度管理の大きな要件です。
本書では、このがん検診精度管理についての基本的な考え方と、参考となり得る実際の取組事例をご紹介します。各自治体におけるがん検診精度管理の取組にご活用ください。
2.本書の構成
本書は、がん検診精度管理手法の解説(0章)、精度管理の各分野における目的、方法、実際の取組事例(1章から6章)で構成しています。
実際の取組事例は、国立がん研究センターが平成22年10月から平成29年12月の間に、精度管理水準が良好な5県12市区町村に対して聞き取り調査を行った結果を基にしています。実際に成果が上がった事例に加え、現在効果を検証中であるものの成果が期待できる事例も含まれています。
自治体担当者のためのがん検診精度管理マニュアル 第2版
表紙、序、目次
0章:がん検診精度管理の手法
1章:検診対象者と受診者の情報管理
2章:検診の受診勧奨
3章:要精検率の把握・分析
4章:精検受診の有無の把握と受診勧奨
5章:精検結果の把握・分析
6章:検診機関(医療機関)の質の担保
発行
3.問い合わせ先
【本書に関する問い合わせ先】
国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所
がん医療支援部 検診実施管理支援室
FAX番号:03−3547−5350