- 日時
- 2023年03月17日(金)17:30~18:30
- テーマ
- 茨城県立中央病院における遺伝子・ゲノム関連検査に関する取り組み
(茨城県立中央病院 発信)
司会 茨城県立中央病院 臨床検査技術科長 山下 ゆうか
当院は、茨城県内で唯一の県立総合病院として県民の健康と命を守り、質の高い医療を提供できるように取り組んでいる。新型コロナウイルス感染症が発生してから3年がたつが、病院が感染症診療、感染対策に追われる中、当検査科はチーム医療の一翼を担い高度医療を支える活動を行ってきた。今回、需要の拡大する遺伝子検査やがんゲノム医療に対する当院の取り組みについて紹介する。
1.全自動遺伝子解析装置FilmArray導入による効果
茨城県立中央病院 臨床検査技術科 細菌検査室 磯田 達也
血流感染症では早急な起炎菌の確定、薬剤感受性の報告が適切な抗菌薬治療にとって重要であるが、微生物検査は結果報告に一定の日数を要するのが現状である。近年では、遺伝子検査を活用することで迅速も結果を報告することが可能となり、診断や抗菌薬治療に役立てられている。当院では、昨年、全自動遺伝子解析装置FilmArrayを導入し、主に血液培養陽性検体で測定を行っている。導入により得られた効果や症例について紹介する。
2.ミスマッチ修復遺伝子に関する臨床検査 ~免疫組織化学染色とメチル化解析~
茨城県立中央病院 臨床検査技術科 遺伝子検査室 小井戸 綾子
腫瘍におけるミスマッチ修復機能欠損(dMMR)を判定するミスマッチ修復タンパク免疫染色(MMR-IHC)が2022年10月に保険適用となった。当院では、保険適用される以前の2019年3月からすでに実施しており、MLH1タンパクの発現低下症例に関してはメチル化解析まで実施している。今回、導入に至った経緯や保険適用に切り替わった際の対応、また、メチル化解析を含めた臨床への有用性について紹介する。
3.がんゲノム外来へのサポートメンバーとしての参画
茨城県立中央病院 臨床検査技術科 病理検査室 阿部 香織
当院では、2019年11月よりがん遺伝子パネル検査を実施しており、2020年12月から出検前の患者への詳細な説明やC-CAT登録のための家族歴聴取などを、コメディカルを中心としたサポートメンバーが対応している。2022年4月からはがんゲノム医療センターが開設され、週4日、がんゲノム外来を開いており、臨床検査技師も2名、サポートメンバーとしてがんゲノム外来に対応している。今回、当院のがんゲノム医療における臨床検査技師の活動について紹介する。