相対生存率
そうたいせいぞんりつ
あるがんと診断された場合に治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標の一つで、異なる集団や時点などを比較するために用いられます。生存率を計算する対象者と同じ特性(性、年齢、暦年、地域など)を持つ一般集団の期待生存確率より算出した期待生存率で実測生存率を割ることによって、その影響を補正する方法。対象者と同じ特性を持つ一般の集団(一般の日本国民)の期待生存率は、国立がん研究センター(旧国立がんセンター)が計算して公表しているコホート生存率表を利用して求めます。相対生存率は、対象疾患(例えば胃がんや肺がんなど)以外による死亡を補正する方法として広く用いられています。この方法は、死因について正確な情報がない場合にも用いることができます。相対生存率の分母には通常一般集団の生存率が用いられますが、一般集団にはがん患者も含まれており、がん患者は非がん患者より死亡リスクが高いことが多いため、分母の過小評価、つまり相対生存率の過大評価の可能性が指摘されていました。近年、この問題を解決するために「純生存率(net survival)」が用いられるようになっています。