開催日時および場所:
(1) 相談支援どんたく隊
5月3日(日)16:50~17:30前後
(2)がん相談支援センターPRブース
エルガーラ・パサージュ広場
5月3日(日)・4日(月)両日とも10:00~15:00
警固公園
5月3日(日)・4日(月)両日とも10:00~15:00
本PRイベントの企画について
この「相談支援どんたく隊・がん相談支援センターPRのイベント」は、国立がん研究センターがん対策情報センターが、地域のニーズに合致したより効果的な広報・周知活動を支援することを目的として、平成27年度「がん相談支援センターを地域の支援の輪につなげる新企画」の公募を行った結果採択された独立行政法人国立病院機構九州がんセンターによる企画です。
PRブース:特設がん相談支援センター
設営・準備、そして配布:
5月3日(日)の朝、九州がんセンターのスタッフに、北海道から沖縄まで全国から集まった相談員45人が加わり、総勢60人ほどで当日の設営準備が始まりました。一日目は、時より曇り空になることはありましたが、あいにくの雨。エルガーラ・パサージュ広場は、デパート前の屋根付きのスペースで問題はなかったのですが、警固公園では、持ってきたパンフレットやチラシがぬれないように準備し、がん専門相談員たちもぬれないようにカッパを着てのPR活動となりました。
用意した配布物は、がん情報のパンフレットやチラシ類のほか、ティッシュ1万個。ティッシュには、「あなたのそばにがん相談支援センター」の案内と福岡県内のがん相談支援センターの一覧表が入っています。前日までに、九州がんセンターの職員の方が総出で封入作業を行ったものです。また、がん相談支援センターのロゴ入りの風船1千個を、みんなで手分けをして準備に取りかかりました。
そしていよいよ配布開始です。ティッシュ、風船、パンフレットやチラシ、ペンなど、どんなものが配りやすく、また手にとっていただけるのか、慣れないながらもがん専門相談員の持ち前のフットワークと巧みな言葉かけを駆使して、広場や公園を通る人たちにPRを行いました。どのように渡すと、声をかけると受け取ってもらいやすいのか、コツを徐々に習得して、1日目のお昼頃からはすっかり慣れてきた様子でした。風船は子どもたちに人気。中にはブースに自分からもらいに来てくれる子どもたちもいました。ティッシュを手にされる方々の中には、そのまますぐにしまわずに、ティッシュの裏の「がん相談支援センター」の案内に目をとめてくださる方もいました。中には、「私は、大腸がんと胃がんをやってね……」と、手渡した相談員に立ち話をされる方や、相談をお願いしますと来られる方もいらっしゃいました。
チラシやティッシュ配りに加えてもう1つ、がん相談支援センターのPR活動の一環として行ったのが、出張がん相談です。2カ所に設けたブース両方に、相談を受けるテーブルと椅子を合計4席用意しました。お祭りの中、利用したいという方がいるかどうか心配でしたが、時間帯によってはすべての相談コーナーが埋まり、特に2日目にはNHK福岡のお昼のニュースで「がん相談支援センターの特設ブースの案内」が流れてからは、それを見たてきたという方々で待ち時間が出るほどでした。やはりマスメディアの影響は大きいようです。
5月3日(日)15:00、いよいよパレード行進に向けての準備開始です。この時点では曇り空。何とかもってくれるといいのだけれど……。
「あなたのそばに がん相談支援センター」「がんのこと ひとりで悩まずはなしてね あなたに寄り添う がん相談支援センター」のメーッセジを入れたのぼり20旗を携え、スタート地点までみんなで移動。この移動もなかなかいいPRの時間となりました。やはり大勢が集うと違います。
パレード:がん相談支援センターどんたく隊
パレードスタートの時間16:15まで待機。パレード参加に合わせて全国から集まった相談員に九州がんセンターのスタッフがさらに加わり、総勢100人あまりの「がん相談支援センターどんたく隊」が結成されました。県ごとに隊列を組み、「がん相談支援センター」の大きな文字が入った横断幕と、県名のプラカードを持って歩きます。大規模なお祭りならではの注意事項も多々ありましたが、参加者は一様にはじめての非日常の経験に少し興奮気味。
待機地点での記念撮影。まだスタートしていません。
そしてパレード開始。パレードは、約1.3kmの距離を歩きます。要所要所で、沿道に集まっている方々への紹介として、がん相談支援センターどんたく隊の案内アナウンスが流れました。「皆さんこんにちは。私たちは、がん拠点病院にあります『がん相談支援センター」のがん専門相談員です。北海道から沖縄まで全国の相談員が、皆さまと一緒にどんたくをお祝いするために福岡にやってきました。博多どんたくにご参加の皆さまが、健康で心豊かに過ごせるよう、願いをこめて元気に歩きたいと思います。そして、がんになっても安心して暮らせる楽しいまちを、博多どんたくの心意気で、この福岡の街からつくっていきましょう」。
雨にもかかわらず、傘をさして沿道で観てくださっていた観客の皆さん、手を振ったり、声をかけてくださった皆さんがいることだけで、どんたく隊に参加した一人一人がとても嬉しい気持ちになりました。「一人でも多くの人に、がん相談支援センターを知ってもらえるといい」そんな願いの中、自然と笑みがこぼれ、達成感とともに、一同感謝の気持ちでいっぱいになりました。皆さん、本当にありがとうございました。
博多どんたく港まつりに参加して
一日目は雨だったこともあり、博多どんたくへの人出は90万人、主催者報告では、二日間でゴールデンウィーク中最も多い210万人の人出があったということです。博多の街中さまざまな参加者と催し物、そして観客で賑わっていました。
○橘直子(山口赤十字病院がん相談支援センター相談員・山口県)
やってみるものだなと思いました。お祭りなのにブースに寄ってくださる方がいたこと、相談したいという方はどんなときにでも、どこにでもいるのだということに驚きました。「新聞で見ました。パレードも出るんですよね」と声をかけてくれた方もいました。全国の相談支援センターの一覧を家族に知らせると写真に撮っていく方もいました。パ レードには山口県から相談員3人と応援隊2人で参加しました。沿道で手を振ってくださるのが本当に嬉しかったです。自分たちが癒やされた気分でした。相談支援センターの相談員があえて病院の外へ出ていくことで、身近に感じてもらえたのではないかと思います。私自身もブースの相談コーナーでお話を伺いましたが、病院の中で受ける相談と違って、とてもリラックスして対応している自分がいたことに気付きました。
○橋本久美子(聖路加国際病院がん相談支援センター相談員・東京都)
新鮮でした。ビールを片手に、「俺もがんだったんだ」と話しかけてきた方もいました。がんでも普通に生活している方がいるんだということを改めて気付かされ、実は自分が「がんは特別」という偏見をもっていたのかもしれないと思いました。相談員自身もそういう場合がまだまだあるのかもしれません。ティッシュを見てくれたり、「どこにでも相談支援センターはあるんですか」と聞かれたり、このような形の出張相談は“暮らしの中で話せるがん”として気軽な感じがしました。立ち話で相談するくらいのほうが利用しやすいのかもしれません。隣はステージで、踊りで大音響。でもそんなワイワイしている中でかえって相談しやすかったのかもしれないですね。
○木川幸一、金澤有紀(北海道がんセンターがん相談支援センター相談員・北海道)
楽しかったです。びしょぬれになってみんな応援してくれて。がん相談支援センターどんたく隊の案内アナウンスでは、「北は北海道から南は沖縄まで」と「北海道」を連呼してもらえたので北海道から来た甲斐があったと感じました。また、全国のがん専門相談員が集まって、いろいろな人から刺激をたくさんもらうことができました。
○大町和子(九州がんセンターがん相談支援センター相談員・福岡県)
対面での距離の近さもあって相談対応しやすかったです。田舎に帰る道すがら寄ったという方や、福岡市内の拠点病院にすでにかかっている方たちの相談にも応じましたが、がん相談支援センターがあることをご存じありませんでした。今日までの準備はとても大変でしたが、その成果はあったと思います。大規模な祭りのルールの中で、自分たちがやりたいことをやるのは大変でした。でもどうせやるなら、大変でも大きいインパクトが残せるものがいいと感じました。地道にやる部分と大きいことをする部分があることが大事だと思いました。
○竹山由子(九州がんセンターがん相談支援係長・福岡県)
疲れました。でもやってみて、こういった市民へのPR活動が必要なことだと思いました。1回だけで終えてしまうのはもったいない。市民の皆さまに、「去年も出てたね」「今年も出てるね」という認識をもってもらうことで、何かあったら「がん相談支援センター」に相談してみよう、と心にとどめていただけたらと思います。そのためにも、継続していくことが大事なんでしょうね。
○藤也寸志(九州がんセンター副院長/福岡県がん診療連携協議会事務局長・福岡県)
ティッシュをもらってそこに書いてあることをじっと見てくれる方がいました。それだけでも違うのではないかと思います。全国からすると小さなことかもしれませんが、その小さな一歩を踏み出せたのではないかと思います。どんたくでイベントを行うことを院内でも知らない人もいます。院内に向けての周知活動も必要かと思いました。完全に全部に周知することはできませんが、広くいろんなところからスタートさせつなげていくことで、そこでニーズがわかりいろいろと進むようになるのではないかと思います。周知し続けるというのもみんなの仕事、少数かもしれないけれども喜んでくれる人がいる。地道に広げることが大事だと思います。
○岡村健(九州がんセンター院長・福岡県)
雨が降って残念だったが、北海道から沖縄まで来てもらえて嬉しかったです。がん相談支援センターの広報活動になったのではないかと思います。そして沿道の人が手を振ってくれて、その中には患者さんらしき方もいました。全国から博多どんたくに来ていただいた皆さんにお礼を申し上げます。
○若尾文彦(国立がん研究センターがん対策情報センター長・東京都)
九州がんセンターの皆さまには、大変よい企画を提案していただいたことに加え、周到な準備をしてくださり、感謝いたします。2006年にがん相談支援センターがはじめて設置されてから来年で10周年になります。今日のようなイベントを含め、がん相談支援センターの存在を外の人に知ってもらうだけでなく、院内の人にも知ってもらい、多くの患者さんに利用していただき、がん療養のお役に立てるよう願っています。
○深野百合子(あけぼの福岡代表・福岡県)
ブースに立ち寄らせていただきました。医療者が(こうしたPR活動を含めいろいろと患者のために)動いてくれているのがわかり、それが患者にとってはとても心強いものです。患者にとって、実際には相談するまでが大変です。相談しようという気持ちになれない。だからこそ、まずはがん相談支援センターの存在を伝えることが大事だと思います。
NHKの夕方6時のニュースでも見ました。皆さんの熱意が伝わりました。私たち患者も、とっても有り難いです。来年も是非、出場なさってください。
○山内千晶(がん対策情報センター患者・市民パネル・福岡県)
博多どんたくには、がんとは今は関わっていない友人と一緒に行きました。ブースに立ち寄らせていただき、友人にがんの活動のことを紹介しました。こんなふうに、がんとは今は関わっていない人と行くことで、どんどん芋づる式に輪が広がっていくのではないかと思いました。
メディア情報
- どんたく広場プログラム(福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり)
- 「がん相談支援センターをご存じだろうか」(西日本新聞 朝刊 2015/4/30付)
- 「がん相談窓口の活用呼びかけ」(NHK福岡 2015/5/4 18:31ニュース配信)
- 「がん相談専門員 気軽に相談を 全国400病院、支援センターをPR 中央区/福岡」(毎日新聞 福岡都市圏版 2015/5/5 付)
- 「がん相談センター 存在もっと知って 福岡市で街頭PR」(西日本新聞 朝刊 2015/5/5付)