- 日時
- 2022年06月23日(木)17:30~18:30
- テーマ
- 化学療法の院内運用における課題とその対策
(長崎大学病院発信)
司会 長崎大学病院 がん診療センター 山口 博之
抗がん剤や支持療法の開発が進み、日常生活を維持しながら化学療法を実施することが可能となっています。結果として、多くの患者さんに化学療法を受けていただけるようになりましたが、一方で種々の課題も生じています。そこで今回は当院の化学療法運用の現状をご紹介し、看護師・医師・薬剤師の立場から問題点と対策について解説を行います。
1. 化学療法室における待ち時間調査
長崎大学病院 外来化学療法室 土屋 暁美
当院の化学療法室は19床で令和3年度利用患者数はのべ7884人、1日平均利用数は約36名である。予約枠は午前・午後・キャンセル待ち枠を設定し運用している。化学療法は電子カルテのレジメンオーダーリングシステムで医師が施行/中止を確定し薬剤師が調剤、看護師が投与を行っている。患者から時々、「点滴はまだですか。」「待ち時間が長い。」という声が聞かれ、令和3年5~7月、令和4年4~5月に患者待ち時間を調査したので報告する。
2. 抗がん剤調製確定後の薬剤中止・破棄に対する当院での取り組み
長崎大学病院 がん診療センター 本田 琢也
がん診療の進歩に伴い、入院および外来での抗がん剤治療は増加傾向にある。また、免疫チェックポイント阻害剤等の高額な薬剤を含む治療レジメンも増加している。そのような中、治療当日に医師により治療実施確定指示が出され薬剤調製が実施された後、なんらかの理由で治療中止となり薬剤が廃棄される事例が発生し問題となっている。当院におけるこの問題への取り組みを紹介する。
3. 化学療法レジメンオーダに関わる当院での取り組み
長崎大学病院 薬剤部 内田 隆寛
当院における抗がん剤オーダには、化学療法レジメンオーダリングシステムを用いている。誤入力等があった場合、医師は薬剤師による疑義照会を受けたのちに修正を行っていた。今回、タスクシフトの観点から事前に取り決めた内容であれば、薬剤師が代行で変更入力を行う運用を開始したので報告する。
その他、抗がん剤調製・投与時の曝露対策として、閉鎖式器具を使用する際の運用方法についても検討を行ったので、併せて報告を行う。