このページの本文へ移動
文字サイズ
メニュー
【多職種向け】 2023年

多地点合同メディカル・カンファレンス[2023-第4回]

(千葉県がんセンター発信)
司会 千葉県がんセンター 整形外科/サルコーマセンター 米本 司

肉腫の特徴は希少性と多様性であり、肉腫診療においては診療科横断的な連携が重要である。近年、各地でサルコーマセンターや希少がんセンターが設置された。サルコーマセンター(希少がんセンター)による診療科横断的な肉腫診療の現状や課題について議論したい。

1. 当院におけるサルコーマセンターの概略と成績

千葉県がんセンター 整形外科/サルコーマセンター 米本 司

当院ではサルコーマセンターを2018年の6月に開設し、診療科横断的な肉腫診療を行ってきた。サルコーマセンターは以下の3つの機能で構成されている。(1)サルコーマボード:①定例カンファレンス(多診療科のスタッフが参加して年4回開催)、②臨時カンファレンス(検討が必要となった場合に適宜開催)(2)サルコーマ登録:肉腫と診断された全症例を登録(3)サルコーマ外来。II期とIII期の3年累積生存率はサルコーマセンター開設後の方が高く、サルコーマセンターによる集学的治療は軟部肉腫の予後を改善した可能性がある。

2. 軟部肉腫診療における診療科連携の重要性

国立がん研究センター 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科/希少がんセンター 岩田 慎太郎

軟部肉腫診療において、診療科連携体制が特に重要であると考えられる疾患として、ユーイング肉腫や横紋筋肉腫といった小円形細胞肉腫が挙げられる。また手術の際に複数の外科医の支援が必要と考えられるものとして、胸壁肉腫や後腹膜肉腫、頭頸部肉腫、陰部・鼠蹊部肉腫などがある。これらの疾患に対する治療に参加する診療科としては、整形外科、形成外科、呼吸器外科、腹部外科、泌尿器科、腫瘍内科、小児科、放射線治療科、放射線診断科などが考えられる。肉腫診療では、これらの診療科の専門医と、必要時には速やかに詳細な検討ができることが重要となる。そのためにも、普段から院内(場合によっては院外)の肉腫診療に理解を持つ各診療科医師と連携を密にしておくことが望ましい。また院内のMDT ミーティングを活性化し、気軽に相談できる場を準備しておくことも重要である。

3. 小児科の無いがんセンターにおける小児肉腫診療の課題と対策

千葉県がんセンター 整形外科/サルコーマセンター 米本 司

当院には小児科が無いため、小児の肉腫診療には課題が多い。そこで、小児がん連携病院(類型2)の指定を受け、関東甲信越地域小児がん医療提供体制協議会の小児がん拠点病院と連携した。また、千葉県がん診療連携協議会「小児がん専門部会」を通して、県内の小児がん診療病院と連携した。多職種からなる「小児・AYA世代がん患者支援チーム」を院内に設置し、患者のスクリーニングや患者や家族の相談支援(就労支援、妊孕性温存など)を行っている。また、特別支援学校の訪問教室では、入院中の小学生から高校生までの教育支援を行っている。

更新・確認日:2023年08月30日 [ 履歴 ]
履歴
2023年08月30日 ビデオを削除いたしました。
2023年05月08日 ビデオを掲載いたしました。
2023年03月22日 抄録を更新しました。
よりよい情報提供を行うために、
アンケートへの協力をお願いいたします。
アンケートはこちらから
ページの先頭に戻る
相談先・
病院を探す