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がん統計に関するQ&A

更新日:2014年09月09日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2014年09月09日 内容を更新しました。
2006年10月01日 掲載しました。
■ 「がん情報サービス」に掲載している統計資料について
Q1  がんの罹患と死亡の直近のデータはいつごろ掲載されますか。
Q2  がん患者の生存率に関しての資料にはどのようなものがありますか。
Q3  5年生存率の資料はよく目にしますが、10年生存率に関するデータはありますか。
Q4  Webサイト「がん情報サービス」に掲載されているデータを引用したいのですが構わないでしょうか。
Q5  がん統計の国別データはありますか。
Q6  冊子「がんの統計」の最新版はいつごろ掲載されますか。
Q7  米国のがん統計情報はありますか。
■統計の算出方法や定義について
Q8  「あるがんと診断された人が、その後ほかのがんと診断される」二次がんというのはどのくらいの頻度で発生するのでしょうか。
Q9  多重がんとは何ですか。
Q10  大腸がんは、直腸がんと結腸がんを合わせたものと考えればよいのでしょうか。
Q11  子宮がんは、子宮頸(しきゅうけい)がんと子宮体がんを合わせたものと考えればいいのでしょうか。
■統計結果の傾向について
Q12  がんは増えていますか、減っていますか。
Q13  最近増えているがん、減っているがんはどれですか。
Q14  ○○がん死亡は、がん全体の死亡において何位ですか。また、その推移を教えてください。
Q15  ○○がんの5年生存率、その推移を教えてください。
Q16  ○○がんの患者数、その将来推計を教えてください。
Q17  ○○がんの死亡数、死亡率、その推移を教えてください。
Q18  ○○がんの罹患率、その推移を教えてください。
■統計の用語や数値の読み方について
Q19  がん対策と罹患率・死亡率の推移の関係を教えてください。
Q20  罹患数と患者数の違いを教えてください。
Q21  罹患率と有病率の違いを教えてください。
Q22  罹患率と累積罹患リスクの違いを教えてください。

■ 「がん情報サービス」に掲載している統計資料について

Q1  がんの罹患と死亡の直近のデータはいつごろ掲載されますか。
A1  以下の表をご参照ください。また、今年の予測値については「がん統計予測」のページをご参照ください。

国立がん研究センターで公開している日本のがん死亡・罹患情報
  情報源 更新
頻度と時期
最新データの公表時期
死亡 人口動態統計死亡
(厚生労働省大臣官房統計情報部)
毎年
10月ごろ
約1~2年遅れ。
例えば2014年度に2013年データを公表。
罹患 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録」研究班(1975~1999年)、厚生労働省科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業「がん罹患・死亡動向の実態把握に関する研究」班(2000~2010年)厚生労働科学研究費補助金がん政策研究事業(2011~2015年)
毎年
5月ごろ
約4~5年遅れ。
例えば2014年度に2010年データを公表。

Q2  がん患者の生存率に関しての資料にはどのようなものがありますか。
A2  がん患者さんの生存率に関する資料は、(1)全国がん(成人病)センター協議会の加盟病院を受診した患者さんについてのデータと、(2)地域がん登録のデータがあります。
(1)の資料は、全国がん(成人病)センター協議会で公開されているほか、財団法人 がん研究振興財団が発行している「がんの統計」にも一部掲載されています。また、千葉県がんセンターで外部サイトへのリンク生存率集計システム(KapWeb)が公開されています。
(2)の資料は、全国がん罹患モニタリング集計において報告されているほか、「がん情報サービス<集計表のダウンロード>」で一部ダウンロードが可能です。
Q3  5年生存率の資料はよく目にしますが、10年生存率に関するデータはありますか。
A3  地域がん登録に基づくがん患者の10年生存率の研究成果の一部が大阪府立成人病センターで公表されています。
同じデータを「がん情報サービス<集計表のダウンロード>」で一部ダウンロードが可能です。

外部サイトへのリンク平成25年度厚生労働科学研究費(第3次対がん総合戦略研究事業) 「革新的な統計手法を用いたがん患者の生存時間分析とその情報還元に関する研究」
Q4  Webサイト「がん情報サービス」に掲載されているデータを引用したいのですが構わないでしょうか。
A4  当サイトに掲載された内容を転載する場合は、下記をご参照ください。

国立がん研究センターがん対策情報センター
リンク・著作物使用手続き・著作権など
http://ganjoho.jp/reg_stat/copyright.html
Q5  がん統計の国別データはありますか。
A5  外部サイトへのリンク国際がん研究機関(IARC)ではがんの統計についてのデータベースを公開しています(英語)。

<死亡>
世界保健機関死亡データベース(外部サイトへのリンク上記URLの「WHO」)
  世界各国のがん死亡統計をグラフと表で表示できます。各国の人口動態の実測値を用いているためデータのない国があります。
GLOBOCAN(外部サイトへのリンク上記URLの「GLOBOCAN」)
  世界各国のがん死亡率を地図で表示できます。各国の人口動態の実測値や人口構成などから求めた推計値を用いているためほぼすべての国のデータがあります。
<罹患>
5大陸のがん罹患(外部サイトへのリンク上記URLの「CI5」
  世界各地の「地域がん登録」から集められたがん罹患データをグラフと表で表示できます。
Q6  冊子「がんの統計」の最新版はいつごろ掲載されますか。
A6  最新のがん統計情報は「最新がん統計」でも公開しています。冊子「がんの統計」は毎年秋に最新版が「冊子「がんの統計」(公益財団法人がん研究振興財団)」に掲載されます(2007年までは隔年刊行でしたが、2008年から毎年刊行となりました)。
Q7  米国のがん統計情報はありますか。
A7  米国ではがんの統計についていくつかの機関が情報を公開しています。

外部サイトへのリンクSEER (Surveillance Epidemiology and End Results)
  がんの統計情報、地域がん登録の情報、がん統計解析用ソフトウェア、がん罹患情報データベース、出版物など。
外部サイトへのリンクACS (American Cancer Society 米国対がん協会)
  がん統計の年報など。

■統計の算出方法や定義について

Q8  「あるがんと診断された人が、その後ほかのがんと診断される」二次がんというのはどのくらいの頻度で発生するのでしょうか。
A8  現在のところ、日本全体の詳細なデータは出ていません。大阪府の地域がん登録を用いた研究では、60歳代で最初のがんと診断された人の場合、その後の10年間で二次がんと診断される確率は13%であったと報告されています(外部サイトへのリンクCancer Science 2012; 103: 1111-20)。
Q9  多重がんとは何ですか。
A9  同じ人に発生する異なるがんのことをいいます。重複がんともいいます。発生頻度の高いがん(胃がんなど)との組み合わせが多く、乳がん、子宮頸(しきゅうけい)がん、喉頭(いんとう)がんなどの比較的治りやすいがんとの重複も多いです。多重がんはがん患者さんの1~2%にみられ、がん家系によくみられます。また、共通の危険因子を持つがんの組み合わせが多重がんになりやすいといわれています。例えば、喫煙については、喉頭のほかに、肺、口腔(こうくう)、咽頭(いんとう)、食道、膀胱(ぼうこう)などに多重がんが発生しやすく、がんの化学療法、放射線治療、ホルモン療法のあとに治療に関連して多重がんが発生することもあります。がんの罹患数の統計では、多重がんは一定のルールに従って判断され、別個のがんとして集計されます。
Q10  大腸がんは、直腸がんと結腸がんを合わせたものと考えればよいのでしょうか。
A10  大腸がんは、結腸がんと直腸がんを合わせたものです。
Q11  子宮がんは、子宮頸(しきゅうけい)がんと子宮体がんを合わせたものと考えればいいのでしょうか。
A11  子宮がんは、子宮頸がん、子宮体がん、および部位不明の子宮がんを合わせたものです。部位不明の子宮がんとは、発症が子宮の頸部と体部のどちらか不明のものです。

■統計結果の傾向について

Q12  がんは増えていますか、減っていますか。
A12  がんの死亡または罹患の増減を議論するときには、「粗率で見るか、年齢調整率で見るか」に注意する必要があります。一般的に、がんは高齢になるほど死亡率と罹患率が高くなります。したがって、例えば死亡の場合、高齢者の割合が小さい集団より大きい集団のほうががんの粗死亡率は高くなります。このような年齢分布の影響を除去してがんの増減を見るために、年齢調整死亡率が用いられます。
粗死亡率と年齢調整死亡率でわが国のがん死亡の動向を見ると、粗死亡率は男女とも増加傾向にありますが、年齢調整死亡率は男女とも減少傾向にあります。同様にがん罹患の動向では、粗罹患率は男女とも増加傾向、年齢調整罹患率でも男女とも増加傾向にあります(ただし男性は前立腺がんを除くと減少傾向)。わが国の近年のがん粗死亡率および粗罹患率の増加は、高齢化が大きな要因となっています。
がんの増減については「年次推移」にも解説があります。
Q13  最近増えているがん、減っているがんはどれですか。
A13  がんの増減についての情報は「年次推移」で公開しております。
Q14  ○○がん死亡は、がん全体の死亡において何位ですか。また、その推移を教えてください。
A14  がんの部位別の死因順位とその推移は「年次推移」で公開しております。
Q15  ○○がんの5年生存率、その推移を教えてください。
A15  がんの5年生存率の最新データおよび推移は「最新がん統計」で公開しています。
Q16  ○○がんの患者数、その将来推計を教えてください。
A16  がんの患者数とその将来推計は「集計表のダウンロード」でダウンロードが可能です。
Q17  ○○がんの死亡数、死亡率、その推移を教えてください。
A17  がんの死亡の最新データと年次推移は「がん統計」で公開しています。
Q18  ○○がんの罹患率、その推移を教えてください。
A18  がんの罹患の最新データと年次推移は「がん統計」で公開しています。

■統計の用語や数値の読み方について

Q19  がん対策と罹患率・死亡率の推移の関係を教えてください。
A19  がんの罹患率と死亡率は、がんの予防、早期発見(がん検診)、治療をめぐる状況によって増減すると考えられます。以下、がん対策とがん罹患率・死亡率の推移との関係を単純化して説明します。がんの予防対策が成功した場合、がんと診断される人が減りますので、まず罹患率が減り、その後死亡率が減ります(図1)。がんの早期発見対策(がん検診)が成功した場合、一時的にがんと診断される人が増えますので罹患率は増加しますが、やがて安定し、死亡率が減少します(図2)。がんの治療技術が進歩し、がんと診断された人の生存率が上昇した場合、罹患率は変化がなく、死亡率が減少します(図3)。実際はこれらが組み合わさったりほかの要因が影響したりするので、罹患率と死亡率の推移はもっと複雑な動きを示します。(「がん対策とトレンド」シート参照)

図1 図2 図3
Q20  罹患数と患者数の違いを教えてください。
A20  罹患数はある期間中に「新たに」診断されたがんの数です。これに対し、患者数はある時点で存在しているがん患者の数です。ある時点の患者数は過去の罹患数の累積なので(厳密には死亡例、治癒例が減ります)、罹患数よりも多くなります。詳しくは、「がん統計の用語集」をご参照ください。
Q21  罹患率と有病率の違いを教えてください。
A21  罹患率(粗罹患率)は、ある期間中に新たに診断されたがんの数を、同じ期間の人口で割った値です。有病率は、ある時点で存在しているがん患者の数を、その時点の人口で割った値です。詳しくは、「がん統計の用語集」をご参照ください。
Q22  罹患率と累積罹患リスクの違いを教えてください。
A22  罹患率(粗罹患率)は、ある期間中に新たに診断されたがんの数を、同じ期間の人口で割った値です。例えば、2000年の日本の男性のがん罹患率が499.3(人口10万対)であった場合、2000年の1年間に男性10万人あたり約500例のがんが新たに診断されたことを意味します。
これに対して累積罹患リスクは、年齢階級別の罹患率を一定の年齢まで足し合わせて求められ(注)、ある人がその年齢までにある疾患と診断される確率を表します。例えば、2000年の男性の累積生涯罹患リスクが49.0であった場合、男性が一生のうちにがんと診断される確率が49%であることを意味します(「男性の2人に1人は一生のうちにがんと診断される」と表現されることもあります)。
単純に「人口あたり」という表現だけで比較した場合、罹患率の観察期間が通常1年であるのに対して、累積罹患リスクの観察期間は生まれてから一定の年齢に達するまで(あるいは一生)であることが通常ですので、累積罹患リスクのほうが大きい印象を与えます。しかし、罹患率と累積罹患リスクは異なる概念ですので、両者を数値同士で比較することには意味はありません。
(注)正確な算出方法は文献をご参照ください(厚生の指標 52: 21-26, 2005; Lifetime Data Anal. 4: 169-186, 1998)
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