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がんの冊子リンパ形質細胞性リンパ腫(りんぱけいしつさいぼうせいりんぱしゅ)

更新日:2017年08月14日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2017年08月14日 2.治療に関連情報「悪性リンパ腫 化学療法(R-CHOP療法導入)基本パス」を掲載しました。
2015年11月26日 掲載しました。

1.リンパ形質細胞性リンパ腫とは

リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL:Lymphoplasmacytic lymphoma)とは、悪性リンパ腫の種類の1つで、病気の進行が比較的遅いタイプの「低悪性度」に分類されます。小型B細胞リンパ球、形質細胞へ分化傾向にあるリンパ球や形質細胞が、がん細胞となって骨髄やリンパ節、脾臓(ひぞう)、肝臓、血液中などに広がっていきます。リンパ形質細胞性リンパ腫の中で、特に骨髄に浸潤(しんじゅん)しておりIgM型M蛋白血症のみられるものをワルデンストレームマクログロブリン血症(原発性マクログロブリン血症:WM)といいます。

用語集

1)疫学・統計

発症頻度は非常に低くまれな疾患です。成人に発症し、発症年齢中央値は60歳代で、男性にやや多いようです。

2)症状

初発症状は、貧血によるだるさや疲れやすさなどがあります。多くの場合、血液中に異常な免疫グロブリンであるMタンパクだけが増加するIgM型M蛋白血症がみられます。Mタンパクが3g/dL以上になると、血液の粘り気が強くなる過粘稠症候群(かねんちょうしょうこうぐん)が起こりやすくなり、視力障害や脳血管障害を発症することがあります。

用語集
ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫は総称して悪性リンパ腫と呼ばれています。
それぞれのがんの解説「悪性リンパ腫」では、悪性リンパ腫の治療の全体像や大まかな治療の流れなどを解説していますので、併せてご参照ください。

関連情報

2.治療

通常の化学療法では治癒は望めないため、症状のない場合は無治療で経過観察を行い、症状があらわれた時点で、過粘稠症候群に対する治療や化学療法を開始していきます。

図1は、リンパ形質細胞性リンパ腫の治療の大まかな流れです。担当医と治療方針について話し合う参考にしてください。
図1 リンパ形質細胞性リンパ腫の治療
図1 リンパ形質細胞性リンパ腫の治療
日本血液学会編「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」(金原出版)より作成

1)無治療経過観察

リンパ形質細胞性リンパ腫は、今後もゆっくりと進行すること、化学療法を行っても効きにくく治癒困難であることなどの理由から、症状がなければ経過観察となります。持続する発熱、重症の寝汗、体重減少、貧血によるだるさなどの症状があらわれれば、治療を開始します。また過粘稠症候群による症状があらわれた場合も治療が必要です。

2)初回治療

過粘稠症候群がみられる場合には、まず血漿(けっしょう)交換を行います。血漿交換とは、血液のうちMタンパクの含まれている血漿部分だけを正常な補充液と交換する方法です。化学療法は、抗がん剤の単剤または多剤併用療法であるR-CHOP療法や分子標的薬の中から選択され、シクロホスファミド、メルファラン、クラドリビン、フルダラビン、ベンダムスチン、リツキシマブなどが使用されます。完全奏効(がん細胞が認められなくなる)するか、あるいは部分奏効(病変が縮小し新たな病変を認めない)でも症状が治まれば経過観察を行います。

用語集関連情報

3)難治性・再発時の治療

初回治療の効果があった後、12カ月以上経ってから再発した場合は、初回治療と同じ薬剤を使用します。
再発が12カ月以内に起きてしまった場合、または初回治療で奏効しなかった難治性の場合は、前回とは別の薬剤を用いて治療します(救援化学療法)。使用する薬剤は初回治療にあげたもののほか、ボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドミドの有効性が報告されていますが、わが国では現在のところこの疾患においては保険適応外です。造血幹細胞移植が臨床試験として実施される場合もあります。

用語集

3.「リンパ形質細胞性リンパ腫」参考文献

1) 日本血液学会編.造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年WEB版(第1.2版),日本血液学会
2) 日本血液学会/日本リンパ網内系学会編.造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版),金原出版
3) WHO Classification Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues.2008.
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