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腎盂・尿管がん(じんう・にょうかんがん)

更新日:2014年02月19日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2014年02月19日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
1997年03月31日 掲載しました。

1.検査

目で見て血尿があった場合、出血源を明らかにするために膀胱鏡検査を行います。また、尿のがん細胞の有無を確認する尿細胞診検査(参照:細胞診検査)を行います。腹部の超音波検査は、簡便で有用な検査です。さらに、腎機能に問題がなければ、排泄性(静脈性)腎盂造影(IVPまたはDIP)と呼ばれる検査、あるいはCTを用いた、CT urographyが行われます。
以上の検査によって異常が指摘された場合、逆行性腎盂造影(RP)が実施されます。また、施設によっては、軟性尿管鏡という器具を用いて、直接腫瘍を確認したり、処理したりする場合があります。

がんであると診断された場合は、がんの広がりを調べるため、CT検査骨シンチグラフィ、胸部X線撮影などを行います。

1)腹部超音波(エコー)検査

患者さんに対する負担が少なく、最初に行う検査としては簡便で有用です。腎盂内にがんがあるかどうか、水腎症を起こしているかどうか、リンパ節に転移しているかどうかなどがわかります。

2)膀胱鏡検査(内視鏡検査)

膀胱鏡検査は、膀胱鏡(膀胱の内視鏡)を尿道から膀胱へ挿入して行う内視鏡検査です。腎盂・尿管がんよりも膀胱がんの発生頻度のほうが高いので、はじめに膀胱がんを疑って検査します。膀胱内にがんがなければ、左右の尿管口から出血がないかを確認します。

3)尿細胞診検査

尿にがん細胞が出ていないかどうかを確認するために行います。尿細胞診検査は5段階または3段階で評価されます。5段階の場合、1、2は悪性所見なし、3は疑陽性(悪性の疑い)であり、4、5では悪性所見が強く疑われます。しかし、がんがあっても尿細胞診検査で異常を認めないこともあるため、検査の結果が陰性であるからといってがんがないとはいえません。ほかの検査と併せて判断します。

4)排泄性腎盂造影( IVPまたはDIP)

腎機能に問題がなければ、排泄性腎盂造影(IVPまたはDIP)が行われます。
これは、静脈性尿路造影とも呼ばれます。造影剤を静脈にいれて、X線撮影を何回か行います。尿の流れに異常があるかどうかがわかり、がんの有無を判断することができます。腎盂・尿管がんの90%以上に異常所見がみられるため、腎盂・尿管がんの診断をするためには重要な検査です。

この検査では、造影剤に含まれるヨードによりアレルギーが起こることがあります。薬剤によるアレルギーの経験がある方や不安のある方は、担当医に必ず申し出てください。

最近では、この検査の代わりに、より詳細な情報が得られるとされている、CTによる検査(CT urography)が行われることもあります。

5)逆行性腎盂造影(RP)

ここまでの検査で異常が見つかり、腎盂・尿管がんが疑われた場合、逆行性腎盂造影(RP)が行われることがあります。膀胱鏡を尿道から入れ、膀胱内の尿管口からカテーテル(細い管)を挿入します。この時、尿管から直接尿を採取し、尿細胞診検査を行うことがあります。さらに、このカテーテルから造影剤を注入してX線撮影を数回行い、腎盂や尿管の形状を観察します。排泄性腎盂造影(IVPまたはDIP)ではよく見えなかった部位や、その他の異常を明らかにすることができます。カテーテルがどうしても挿入できない場合や、尿管の下端だけしか造影されない場合などは、超音波を使用しながら、細い針で腎盂を穿刺して造影することがあります。

6)尿管鏡検査

腎盂・尿管がんが疑われても、これまでの検査で診断するには十分な所見が得られなかった場合、尿管鏡検査が行われることがあります。この検査は麻酔をして行います。まず尿道から膀胱内に内視鏡を入れ、尿管口から尿管、腎盂まで内視鏡を進めます。内視鏡で尿管や腎盂の様子を観察できることと、異常が疑われる部分の組織を採取すること(生検)も可能です。生検した組織を顕微鏡で調べることで、浸潤性の有無、がん細胞の様子(異型度)が術前に判定できる場合があります。

7)CT検査、胸部X線検査、骨シンチグラフィ

腎盂・尿管がんと診断された場合には、がんの広がりや、リンパ節、肺、骨、肝臓などへの転移がないかどうかを調べるためにCT、胸部X線、骨シンチグラフィ、MRIなどの画像検査を行います。CTはX線を使い、体の内部を画像として確認できるようにする方法です。通常はアイソトープ(放射性同位元素)のヨードを造影剤として使います。CTでは、がんの広がり具合や、リンパ節、肺、胃、肝臓などへの転移がないかを調べることができます。最近では、CT urographyと呼ばれる手法を用いることで、IVPまたはDIPより病巣を正確に把握することができるとされています。
造影剤に対するアレルギーがある場合や、腎機能に問題がある場合には、MRIによる検査を行うこともあります。骨シンチグラフィはアイソトープ(放射性同位元素)を使った骨のX線検査です。

造影剤を使用する場合、アレルギーが起こることがあります。薬剤によるアレルギーの経験のある方や不安のある方は、担当医に必ず申し出てください。

2.病期(ステージ)

病期(臨床病期)とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてStage(ステージ)ともいいます。医師による説明では、「ステージ」という言葉を使われることが多いかもしれません。0から4の病期に分けられており、ローマ数字が使われます。病期は、がんがどのくらい広がっているか、リンパ節や別の臓器へのがんの転移があるかどうかで決まります。腎盂・尿管がんは、0期、I期、II期、III期、IV期に分類されます。

腎盂・尿管がんではTNM分類に基づいて、病期を判定します。Tは原発腫瘍(原発巣:primary Tumor)、Nは所属リンパ節(regional lymph Nodes)、Mは遠隔転移(distant Metastasis)の頭文字です。

下記表1であてはまるT因子を選び、表2で転移の有無と併せて確認すると、病期がわかります。
表1 腎盂・尿管がんの病期分類(T因子)
Ta 乳頭状非浸潤がん(粘膜にとどまり浸潤のないがん)
Tis 上皮内がん
T1 がんが腎盂・尿管の上皮の下の結合組織に広がっている
T2 がんが腎盂・尿管の粘膜を越えて広がり、筋肉の層に及んでいる
T3 がんが腎盂・尿管の筋肉の層を越えて、外側の組織(腎盂の場合:腎盂周囲の脂肪組織または腎臓/尿管の場合:尿管周囲の脂肪組織)まで及んでいる
T4 がんが隣接する臓器または、腎臓を越えてまわりの脂肪組織まで広がっている
日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会編
「泌尿器科・病理・放射線科 腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 2011年4月(第1版)」 (金原出版)より作成
表2 腎盂・尿管がんの臨床病期(TNM分類)
表2 腎盂・尿管がんの臨床病期(TNM分類)
日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会編
「泌尿器科・病理放射線科 腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 2011年4月(第1版)」
(金原出版)より作成
病期を明らかにしてから、その病期によって治療方法を選択しますが、必ずしも治療前に決まった病期が正しいとは限りません。手術を行って摘出した組織を顕微鏡で調べる組織診検査の結果が、術前の画像診断と必ずしも一致しないこともあるからです。その場合は、組織診検査の結果に従ってその後の治療方法を選択します。

組織診検査により、がん細胞の組織型や細胞の異型度、浸潤の有無、リンパ節転移などが調べられます。

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腎盂尿管がん
151.腎盂尿管がん(PDF)


小児の腎腫瘍
186.小児の腎腫瘍(PDF)


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