胃がん 検査・診断:[国立がん研究センター がん情報サービス]
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胃がん(いがん)

更新日:2016年07月14日 [ 更新履歴 ]    掲載日:2007年04月02日
更新履歴
2016年07月14日 「図2 胃がん診断の流れ」から著作権マークを削除しました。
2015年10月31日 胃生検組織診断分類の説明などを更新しました。
2015年03月16日 図3、図4を更新しました。
2012年10月26日 更新履歴を追加しました。内容を更新しました。
2012年06月05日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。

1.検査

胃がんが疑われると、まず血液検査や胃X線検査、内視鏡検査などを行い、病変の有無や場所を調べます(図2)。内視鏡検査では胃の内部を目視で観察し、がんが疑われる病変があると生検を行い、病理検査・病理診断で確定診断します。胃がんの進み具合や深達度(しんたつど)転移を調べる検査としては、超音波検査(エコー検査)CT検査、注腸検査などがあります。

さまざまな検査結果を総合的に判断して病期(ステージ)が判定され、治療方法が決まっていきます。
図2 胃がん診断の流れ
図2 胃がん診断の流れ

1)血液検査

胃がんではCEAやCA19-9と呼ばれる腫瘍マーカーなどを検査します。多くの腫瘍マーカーには、正常な状態や良性の腫瘍の場合にも数値が上昇すること、早期がんのうちは正常値であることが多いこと、がんがあっても必ず数値が上昇するとは限らないことなどから、腫瘍マーカーの結果だけではがんの有無を診断することはできません。通常は、手術後の再発のチェックや薬物療法の効果判定の参考に使われます。

2)内視鏡検査

図3 内視鏡検査の様子
図3 内視鏡検査の様子
胃の内部を直接見て、がんが疑われる病変の場所や、その病変の広がり(範囲)と深さ(深達度)を調べる検査です(図3)。病変があればその組織のごく一部を採取する生検を行い、病理診断をすることもあります。

がんの深達度を詳しく調べるために超音波内視鏡検査が実施される場合があります。
【内視鏡検査の手順について】

(1)検査方法・目的

内視鏡検査では、先端にレンズとライトが付いた細い管(くだ)状の内視鏡(ビデオスコープ)を口から胃の中に挿入します。最近は、鼻から内視鏡を挿入して検査を行う経鼻内視鏡検査も普及しています。胃の内部を直接目で見て観察できるため、胃がんと思われる病変があるかどうかを確認することができ、がんの範囲や深達度などを診断します。
病変ががんかどうかを診断するために、その組織の一部を小さく採取する生検を行い、採取した組織の病理検査により病理診断が行われます。

(2)検査の準備

検査の準備(前処置)は、まず胃の粘膜に付着している粘液を洗い落とす薬をのみ、次に、内視鏡を挿入するときの苦痛を和らげるために、喉に局所麻酔を行います。また、胃の動きを抑えて胃の内部を観察しやすくするように、薬剤を注射する場合もあります。
この検査では、全身麻酔は行いませんが、鎮静剤や鎮痛剤などの注射を用いることがあります。
心臓病、高血圧、その他の慢性疾患の薬と抗血栓薬(血をサラサラにする薬)などを内服している場合は、検査前の内服について担当医へご確認ください。
詳しい検査の準備に関しては、実施する状況によって異なりますので、検査前にご確認ください。

(3)検査時間

病変の有無や胃の状態で変わりますが、通常では10分程度、精密検査や生検を行う場合は20~30分程度です。

(4)注意事項

抗血栓薬を服用中の場合は、生検後の出血が止まりにくい状態となっているため、薬の種類によっては検査を受ける前に薬を中止することがあります。必ず医師に相談してください。
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【超音波内視鏡について】
超音波内視鏡は、先端に超音波を発する端子の付いた特殊な内視鏡スコープを用いたり、内視鏡に超音波プローブ(探触子という超音波を発する部分)の付いた細い管状の機材を挿入したりして、病変の粘膜の下の状態、また胃の壁や外側の様子などを観察する検査です。
胃がんがどのくらい深い層にまで及んでいるか(深達度)、胃の外側にあるリンパ節が腫(は)れているか(リンパ節転移の有無)などについて、詳しく診断することができます。超音波内視鏡は必ず行われるものではなく、通常の内視鏡検査では診断が難しい場合に行われます。
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3)病理検査・病理診断

内視鏡検査の生検で採取した組織を調べ、がん細胞の有無や種類によって胃がんの確定診断を行います。確定診断が難しいときは、内視鏡検査による病理検査と病理診断が何度か行われる場合もあります。

胃がんの確定診断には、胃生検組織診断分類(Group[グループ]分類)が用いられます。
【Group(グループ)分類について、さらに詳しく】
Group(グループ)分類で、胃がんと確定診断されるのは、Group5になります。GroupXからGroup4までは確定診断できないため、結果に応じて経過観察や再検査を行います。
この分類は病期(ステージ)とは異なり、がんか否かを表すもので、胃がんの進み具合を表す言葉ではありません。

表1 胃がんのGroup分類
Group分類 病理診断 検査後の対応
GroupX 生検組織診断ができない不適材料 再生検
Group1 正常組織および非腫瘍性病変 必要に応じて経過観察
Group2 腫瘍(腺腫または癌)か非腫瘍性か判断の困難な病変 再検査や経過観察
Group3 腺腫 経過観察や必要時は内視鏡治療(EMR、ESDなど)を行う
Group4 腫瘍と判定される病変のうち癌が疑われる病変 再検査や内視鏡治療 (EMR、ESDなど)を行い確定診断を試みる
Group5 胃がんと確定診断され治療法を検討する
日本胃癌学会編「胃癌治療ガイドライン2014年第4版」(金原出版)より作成
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4)胃X線検査(バリウム検査)

バリウムをのんで、胃の形や粘膜などの状態や変化をX線写真で確認する検査です。途中で発泡剤をのんで胃をふくらませます。

手術の前に胃がんの状態を詳しく診断する方法としては、徐々に内視鏡検査が中心になってきており、特に内視鏡治療を行う場合は、胃X線検査が省略される傾向にあります。
【胃X線検査(バリウム検査)の手順について】

(1)検査方法・目的

X線を透過しない硫酸バリウムという物質を含んだ造影剤と、胃の中でガスを発生する発泡剤をのみ、空気とバリウムで胃の中の細部の様子や変化を写し出す検査です。台の上で体を回したり、いろいろな方向に向けながら検査を受けます。
がんの範囲を詳しく決定するなどの目的で行われる精密検査では、胃ゾンデと呼ばれる細い管を鼻から胃の中まで挿入し、空気や造影剤の量を少しずつ調節しながら行う場合があります。
胃X線検査では、胃の形や粘膜表面の状態だけではなく、胃の壁の動きや硬さの変化なども観察することができ、がんの有無や浸潤の範囲、深達度などの診断ができます。
内視鏡検査と異なり、胃やがんを全体的に診察することが可能なため、手術の場合は胃の切除範囲を決定する検査方法の1つとなります。
ただし、この検査だけでは確定診断はできません。

(2)検査の準備

心臓病、高血圧、その他慢性疾患で毎朝薬を服用している方は必ず医師に相談してください。
詳しい検査の準備に関しては、実施する状況によって異なりますので、検査前にご確認ください。

(3)検査時間

通常は5~10分程度ですが、精密検査を行う場合には30分程度かかることもあります。
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5)CT検査

図4 CT検査の様子
図4 CT検査の様子
X線を使って体の内部を輪切りのように描き出し、撮影する検査です(図4)。別の臓器への遠隔転移やリンパ節への転移、肝臓など胃の周りの臓器への浸潤(しんじゅん)などを調べます。
CTではヨード造影剤を用いますので、腎臓病や喘息(ぜんそく)、アレルギーのある人は医師に申し出てください。
CT検査の数日前に胃X線検査などのバリウムを使った検査を受ける場合、腸の中にバリウムが残っているとCT検査による診断を妨げることがあります。CT検査の前日までにバリウムが出きっていないと感じる場合には、下剤の追加が必要な場合もあるため医師へご相談ください。

6)PET検査

放射性ブドウ糖液を注射し、その取り込みの分布を撮影することで全身のがん細胞を検出するのがPET検査です。ほかの検査で転移・再発の診断が確定できない場合に行うことがあります。

7)注腸検査

図5 注腸検査の準備の様子
図5 注腸検査の準備の様子
検査の前日に検査食を食べて腸内をきれいにして、肛門からバリウムと空気を注入し(図5)、X線写真を撮ります。注腸検査はもともと大腸がんの有無を調べる検査ですが、胃のすぐ近くを通っている大腸にがんが広がっていないか、腹膜播種(ふくまくはしゅ)がないかなどを調べます。
【注腸検査の手順について】

(1)検査方法・目的

検査の前日に検査食を食べて、下剤をのみ、腸内をきれいにしてから検査が行われます。
肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真を撮ります。検査中に、大腸の中に空気が入ると、下腹部の張り感を強く感じることがあります。大腸全体をうまく造影するに、体の向きを頻回に大きく変えながら撮影します。

(2)検査の準備

検査の前日夜に下剤をのみます。便を少なくするために、前日に注腸食という食事をとることもあります。
鮮明に大腸の様子が撮影されるために、腸内をきれいにしてから検査を行うことが重要になります。検査食を食べたり、下剤をのんだりすること(前処置)は、よい状態で検査を受けるために重要なため、十分説明を受けてください。
注腸検査の前に胃X線検査(バリウム検査)を行う場合は、バリウムが大腸に残り注腸検査の実施を妨げることがあります。注腸検査の前日までに十分バリウムが出きっていないと感じるときは、下剤の追加が必要な場合もありますので医師へご相談ください。

(3)検査時間

通常はおよそ20~30分です。
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2.病期(ステージ)

胃がんは粘膜に発生し、胃の壁の中を徐々に深く進みます。

病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてStage(ステージ)という言葉が使われることがあります。病期にはローマ数字が使われ、胃がんはI期(IA、IB)、II期(IIA、IIB)、III期(IIIA、IIIB、IIIC)、IV期に分類されます(図6)。

がんの深さが粘膜および粘膜下層までのものを「早期胃がん」、深さが粘膜下層を越えて固有筋層より深くに及ぶものを「進行胃がん」といいます。がんが胃の壁の内側から外側に向かって深く進むにしたがって、転移することが多くなります。
図6 胃がんの病期(ステージ)分類
図6 胃がんの病期(ステージ)分類
日本胃癌学会編「胃癌取扱い規約第14版(2010年3月)」(金原出版)より作成
【深達度について、さらに詳しく】
胃の壁は、5つの層に分かれており、胃の内側から粘膜層(M:mucosa)、粘膜下層(SM:submucosa)、筋層(MP:tunica muscularis propria)、漿膜下層(SS:subserosa)、漿膜(SE:serosa)と呼ばれます。
がんが壁のどの深さまで進んでいるかを示す言葉が深達度です(図7)。
英語のtumor(腫瘍)に由来し、アルファベットの略語で「T」と表示されます。
深達度はT1~T4bまでの5つに分類され、数字が大きくなるほど、胃がんが進行していることを示します。
図7 胃がんの深達度
図7 胃がんの深達度
日本胃癌学会編「胃癌取扱い規約第14版(2010年3月)」(金原出版)より作成
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【参考文献】
  1. 日本胃癌学会編:胃癌取扱い規約 第14版(2010年3月);金原出版
  2. 日本胃癌学会編:胃癌治療ガイドライン 2014年第4版;金原出版
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