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胃がん(いがん)

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更新日:2012年10月26日 [ 更新履歴 ]    掲載日:2007年04月02日
更新履歴
2012年10月26日 更新履歴追加、内容更新
2012年06月05日 内容更新、新しいタブ形式に変更

1.診断の流れ

胃がんが疑われると、まず血液検査や胃X線検査、内視鏡検査などを行い、病変の有無や場所を調べます。内視鏡検査では実際に目視で胃の内部を観察し、がんが疑われる病変があると生検用語集アイコンを行い、病理検査・病理診断用語集アイコンで確定診断します。胃がんの進み具合や深達度(しんたつど)用語集アイコン転移用語集アイコンを調べる検査としては、超音波検査(エコー検査)用語集アイコンCT検査用語集アイコン、注腸検査などがあります。

さまざまな検査結果を総合的に判断して病期(ステージ)用語集アイコンが判定され、治療方法が決まっていきます。
図2 胃がん診断の流れ
図2 胃がん診断の流れ

2.検査

胃がんの診断のためには、これまでにかかった病気(病歴)に関する問診などの詳しい診察とさまざまな検査が行われます。検査の目的や方法について知っておくと、検査結果の説明がよりわかりやすくなります。

1)血液検査

現在の全身状態を調べるために、一般的な検査項目に加えて、体のどこかにがんが潜んでいるかどうかの判断の目安になる腫瘍マーカー用語集アイコンの検査を行います。

胃がんではCEAやCA19-9と呼ばれる検査項目などが目安の対象になりますが、多くの腫瘍マーカーは、がんがあれば必ず数値が上昇するとは限らないことや、正常な状態や良性の腫瘍の場合にも上昇することがあるため、腫瘍マーカーの結果だけでは、がんと診断することはできません。血液検査や他の検査、身体所見などを総合的に判断して診断します。

2)内視鏡検査

内視鏡検査
胃の内部を直接見て、がんが疑われる場所の病変の範囲や深達度を調べる検査で、胃カメラ検査とも呼ばれます。病変があれば生検を行い、病理検査で詳しく調べます。

がんの深達度を詳しく調べるために超音波内視鏡検査が実施される場合があります。
【内視鏡検査の手順について】

(1)検査方法・目的

内視鏡検査は、レンズとライトが付いた細い管(くだ)を口から胃の中に挿入します。最近は、鼻から管を挿入して検査を行う経鼻内視鏡検査も普及しています。胃の内部を直接目で見て観察できるため、胃がんと思われる病変があるかどうかを確認することができ、がんの範囲や深達度などを診断します。
病変ががんかどうかを診断するために、胃の粘膜の一部を小さく採る生検を行い、生検で採った組織は、病理検査により病理診断が行われます。

(2)検査の準備

検査は、通常食事を取らない状態で行います。検査の準備(前処置)は、まず胃の粘膜に付着している粘液を洗い落とす薬(ガスコンなど)をのみ、次に、内視鏡を挿入するときの苦痛を和らげるために、喉に局所麻酔(キシロカインスプレーなど)を行います。また、胃の動きを抑えて胃の内部を観察しやすくするように、薬剤を注射する場合もあります。
この検査では、全身麻酔は行いませんが、鎮静剤や鎮痛剤などの注射を用いることがあります。
詳しい検査の準備に関しては、実施する状況によって異なりますので、検査前にご確認ください。

(3)検査時間

病変の有無や胃の状態で変わりますが、通常では10分程度、精密検査や生検を行う場合は20〜30分程度です。

(4)注意事項

心臓病、高血圧、その他慢性疾患の薬などを内服している場合は、検査前の内服薬について担当医へご確認ください。

血液が固まらないようにする薬(抗凝固薬など)を服用中の場合は、出血が止まりにくい状態となっているため、1週間ほど薬を中止してから検査を受ける必要があります。
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【超音波内視鏡について】
超音波内視鏡は、内視鏡の先端についた超音波装置を用いて、病変の粘膜の下の状態、また胃の壁や外側の様子などを観察することができます。
胃がんがどのくらい深く進んでいるか(深達度)、胃の外側にあるリンパ節が腫(は)れていないか(リンパ節転移の有無)などについて、詳しく診断することができます。超音波内視鏡は必ず行われるものではなく、通常の内視鏡検査では診断が不十分な場合に行われます。
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3)病理検査・病理診断

病理検査とは内視鏡検査で採った組織に、がん細胞があるのか、あるとすればどのような種類のがん細胞かなどについて顕微鏡を使って調べることです。
病理診断は専門の病理医が、顕微鏡を使って組織を調べることによって、がん細胞の有無や種類を詳しく調べることができ、病理検査・病理診断が行われて、はじめて胃がんの確定診断がつきます。

胃がんの病理検査の結果の分類は、Group(グループ)分類と呼ばれます。

確定診断が難しいときは、内視鏡検査による病理検査と病理診断が何度か行われる場合もあります。

4)胃X線検査(バリウム検査)

バリウムをのんで、胃の形や粘膜などの状態や変化をX線写真で確認する検査です。途中で発泡剤をのんで胃をふくらませます。

手術の前に胃がんの状態を詳しく診断する方法としては、徐々に内視鏡検査の方が中心になってきており、特に内視鏡治療を行う場合は、胃X線検査が省略される傾向にあります。
【胃X線検査(バリウム検査)の手順について】

(1)検査方法・目的

硫酸バリウムというX線を透過しない物質を含んだ造影剤と、胃の中でガスを発生する発泡剤をのみ、空気とバリウムで胃の内部の細部の様子や変化を写し出す検査です。
硬い台の上で体をいろいろな方向に向けるようにしなければならない以外は、苦痛の少ない検査です。しかし、がんの範囲を詳しく決定するなどの目的で行われる精密検査では、胃ゾンデと呼ばれる細い管を鼻から胃の中まで挿入して、空気や造影剤の量を少しずつ調節しながら行う場合があります。
胃X線検査では、胃の形や粘膜表面の状態だけではなく、胃の壁の動きや硬さの変化なども観察することができ、がんの有無や浸潤用語集アイコンの範囲、深達度などの診断ができます。
内視鏡検査と異なり、胃やがんを全体的に診察することが可能なため、手術の場合は胃の切除範囲を決定する検査方法の1つとなります。

(2)検査の準備

検査は、通常食事を取らない状態で行います。
検査前の内服薬については、心臓病、高血圧、その他慢性疾患で毎朝薬を服用している方は必ず担当医と相談してください。
詳しい検査の準備に関しては、実施する状況によって異なりますので、検査前にご確認ください。

(3)検査時間

通常は5〜10分程度ですが、精密検査を行う場合には30分程度かかることもあります。
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5)CT検査

CT検査
X線を使って体の内部を輪切りのように描き出し、撮影する検査です。

治療前は転移や別の臓器への浸潤を調べたり、治療後は経過観察や再発の有無を調べる目的で行います。
【CT検査の手順について】

(1)検査方法・目的

別の臓器への遠隔転移用語集アイコンやリンパ節への転移、肝臓など胃の周りの臓器への浸潤などを調べます。
詳しく検査するために、造影剤を注射して撮影する場合もあり、治療前の検査では、造影剤を使用する場合がほとんどです。最近はCT検査の機器の進歩により、精密な画像を撮影することができ、診断の精度が向上しています。

(2)検査の準備

検査は、通常食事を取らない状態で行います。詳しい検査の準備に関しては、実施する状況によって異なりますので、検査前にご確認ください。

(3)注意事項

心臓病、高血圧、その他慢性疾患の薬などを内服している場合は、検査前の内服薬について担当医へご確認ください。
ヨードを含んだ造影剤を使用する場合には、アレルギーを起こしたり、腎臓に負担をかけることもあります。腎臓病や喘息(ぜんそく)などのアレルギーのある方、また以前に造影剤のアレルギーを起こした経験のある方は、担当医へお伝えください。
CT検査の数日前に胃X線検査などのバリウムを使った検査を受けた場合バリウムが腸の中に残っていると、CT検査による診断を妨げることがあります。CTの前日までにバリウムが出きっていない場合には、下剤の追加が必要な場合もあるため担当医へご相談ください。

(4)検査時間

通常はおよそ15分程度です。
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6)注腸検査

注腸検査
検査の前日に検査食を食べて腸内をきれいにして、肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真を撮ります。注腸検査はもともと、大腸がんの有無を調べる検査ですが、胃のすぐ近くを通っている大腸にがんが広がっていないか、腹膜播種(ふくまくはしゅ)用語集アイコンがないかなどを調べます。
【注腸検査の手順について】

(1)検査方法・目的

検査の前日に検査食を食べて、下剤をのみ、腸内をきれいにしてから検査が行われます。
肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真を撮ります。検査中に、大腸の中に空気が入ると、下腹部の張り感を強く感じることがあります。
また、大腸全体をうまく造影するには、体の向きを頻回に大きく変えながら撮影する必要があり、硬い台の上で転がされるように検査を行うこともあるため、少々苦痛を感じることもあります。

(2)検査の準備

検査の前日は、注腸食という食事を取り、前日夜に下剤をのみます。
鮮明に大腸の様子が撮影されるために、腸内をきれいにしてから検査を行うことが重要になります。
検査食を食べたり、下剤をのんだりすること(前処置)は、よい状態で検査を受けるために重要なため、十分説明を受けてください。
注腸検査の前に胃X線検査(バリウム検査)を行った場合には、数日間バリウムが大腸に残り、注腸検査の実施を妨げることがあります。十分バリウムが出きっていないと思うときは、下剤の追加が必要な場合もありますので担当医へご相談ください。

(3)検査時間

通常はおよそ20〜30分です。
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3.病期(ステージ)

病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、主治医などからの説明では、英語をそのまま用いて「stage(ステージ)」という言葉が使われることがあります。

表記にはローマ数字が使われ、胃がんはI期(IA、IB)、II期(IIA、IIB)、III期(IIIA、IIIB、IIIC)、IV期に分類され、この分類をTNM分類用語集アイコンといいます。
【病期について、さらに詳しく】
TNM分類の基準は以下の3つの項目によって決定します。
  1. がんの深さ(T:Tumor(腫瘍))
  2. リンパ節転移の程度(N:Nodes(リンパ節))
  3. 別の臓器への転移の有無(M:Metastasis(転移))
このTNM分類によって病期を決定し、それに基づいて治療法を選択したり、予後の見通しを立てる場合の参考とします。

病期によって最もよい効果が期待される治療を選択することになりますが、実際には、今までや現在かかっている病気、年齢、胃以外の臓器の機能の状態、一般的な健康状態なども考慮して、総合的に判断し治療法を決定します。
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図3 胃がんの病期(ステージ)分類
図3 胃がんの病期(ステージ)分類
日本胃癌学会編「胃癌取扱い規約第14版(2010年3月)」(金原出版)より作成

4.深達度(しんたつど)

胃がんは粘膜に発生し、胃の壁の中を徐々に深く進みます。壁のどの深さまで進んでいるかを示す言葉が、深達度です。

英語のTumor(腫瘍)に由来し、アルファベットの略語で「T」と表示されます。

がんの深さが粘膜および粘膜下層までのものを「早期胃がん」、深さが粘膜下層を越えて固有筋層より深くに及ぶものを「進行胃がん」といいます。がんが胃の壁の内側から外側に向かって深く進むに従って、転移することが多くなります。
【深達度について、さらに詳しく】
胃の壁は、5つの層に分かれており、胃の内側から粘膜層(M:mucosa)、粘膜下層(SM:submucosa)、筋層(MP:tunica muscularis propria)、漿膜下層(SS:subserosa)、漿膜(S:serosa)と呼ばれます。
深達度はT1〜T4bまでの5つに分類され、数字が大きくなるほど、胃がんが進行していることを示します。
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図4 胃がんの深達度
図4 胃がんの深達度
がんの診断方法
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