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急性リンパ性白血病・リンパ芽球性リンパ腫(きゅうせいりんぱせいはっけつびょう・りんぱがきゅうせいりんぱしゅ)

更新日:2017年02月23日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2017年02月23日 タブ形式に変更しました。「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」より内容を変更し、タイトルを「急性リンパ性白血病・リンパ芽球性リンパ腫」に変更しました。
2006年10月01日 「急性リンパ性白血病」を掲載しました。

1.急性リンパ性白血病・リンパ芽球性リンパ腫とは

血液の中にある血液細胞には、外部から体内に侵入した細菌やウイルスなど異物の排除などを役割とする白血球、酸素を運搬する赤血球、出血を止める働きがある血小板があります。これらの血液細胞のもとは造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)と呼ばれ、骨の内部にある骨髄(こつずい)で生成され、増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)して血液細胞がつくられます(図1)。造血幹細胞は骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれ、前者から赤血球、血小板、顆粒球(かりゅうきゅう)単球が産生され、後者からはB細胞、T細胞、NK細胞などのリンパ球が産生されます。顆粒球、単球、リンパ球を合わせて白血球と呼びます。
図1 造血幹細胞から血液の分化について
図1 造血幹細胞から血液の分化について
急性リンパ性白血病・リンパ芽球性リンパ腫(ALL・LBL:Acute Lymphocytic Leukemia・Lymphoblastic Lymphoma)は、白血球の一種であるリンパ球が幼若な段階で悪性化し、がん化した細胞(白血病細胞)が無制限に増殖することで発症します。白血病細胞の種類は同じでも、主に骨髄で増殖するものを急性リンパ性白血病、リンパ節などリンパ組織で増殖するものをリンパ芽球性リンパ腫といいます。以前は、急性リンパ性白血病は骨髄から起こる疾患、リンパ芽球性リンパ腫はリンパ節から起こる疾患と考えられていましたが、現在は原因となる白血病細胞は同じであるため両者は同じ治療が行われます。両者ともがん化した細胞の種類により、B細胞系とT細胞系に大別されます。

1)急性リンパ性白血病とは

骨髄中の白血病細胞の割合が25%以上であれば、急性リンパ性白血病と診断されます。主に6歳以下の小児に多く、成人の1年間の発症率は約10万人に1人程度です。急性リンパ性白血病全体ではB細胞系が多く約80~85%を占めます。

2)リンパ芽球性リンパ腫とは

骨髄中の白血病細胞の割合が25%未満であれば、リンパ芽球性リンパ腫と診断されます。青年期の男性に多いとされていますが、どの年齢層でも発症します。リンパ芽球性リンパ腫全体ではT細胞系が多く85~90%を占めます。

2.症状

急性リンパ性白血病・リンパ芽球性リンパ腫は、病状の進行が速いため、急に症状が出現する場合が多く、早期の診断と速やかな治療の開始が重要です。

症状の原因は大きく2つに分類され、骨髄で白血病細胞が増加することによって、造血機能が低下し、正常な血液細胞がつくれないために起こる症状と、白血病細胞が臓器に浸潤(しんじゅん)することで起こる症状があります。急性リンパ性白血病は特に中枢神経系(脳と脊髄)に浸潤しやすく、頭痛や吐き気・嘔吐(おうと)などの症状に注意が必要です。リンパ芽球性リンパ腫のうちB細胞系では、頸部(けいぶ)などのリンパ節や肝臓・脾臓(ひぞう)の腫れがみられることがあります。T細胞系では、急速に大きくなる縦隔(じゅうかく:胸部のうち左右の肺の間に隔てられた部分)の腫瘤(しゅりゅう)で発見される場合が多く、胸水を伴うこともあります。
表1 主な症状
原因 主な症状
造血機能の障害 赤血球減少 (貧血)息切れ、動悸、倦怠感など
血小板減少 (出血)あざ、赤い点状の出血斑、鼻血、歯ぐきからの出血など
白血球減少 (感染)発熱など
白血病細胞が臓器に浸潤 肝臓や脾臓の腫れ お腹が張る、腹部の腫瘤、痛み
歯肉腫脹 歯ぐきが腫れる、痛み
骨痛 腰痛、関節痛
中枢神経系への浸潤 頭痛、吐き気・嘔吐
リンパ節腫脹 頸部などのリンパ節の腫れ、T細胞系では縦隔部の腫瘤

3.原因

発症の原因の多くは不明です。一部にはフィラデルフィア染色体などの特徴的な染色体異常やその他の遺伝子の変異が白血病発症の始まりとなる場合もありますが、これらの変異が起こる原因は明らかになっていません。そのため、発症にかかわる危険因子や予防法も明らかではありません。
【参考文献】
  1. 日本血液学会編「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」(金原出版)
  2. 日本血液学会、日本リンパ網内系学会編「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」(金原出版)
  3. Swerdlow, S.H. et al. eds.: WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues., 2008; IARC.
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