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全ページ表示がんの冊子慢性骨髄性白血病(まんせいこつずいせいはっけつびょう)

更新日:2017年07月07日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2017年07月07日 「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年WEB版(第1.2版)」より内容を更新し、タイトルを「慢性骨髄性白血病・骨髄増殖性腫瘍」から「慢性骨髄性白血病」に変更、4タブ形式に変更しました。
2014年10月09日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 掲載しました。
診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については「治療にあたって」をご参照ください。

1.慢性骨髄性白血病とは

血液の中にある血球には、外部から体内に侵入した細菌やウイルスなど異物の排除などを役割とする白血球、酸素を運搬する赤血球、出血を止める働きがある血小板があります。これらの血液細胞のもとは造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)と呼ばれ、骨の内部にある骨髄(こつずい)に存在し、増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)して血液細胞となります(図1)。造血幹細胞は骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれ、前者から赤血球、血小板、好中球(こうちゅうきゅう)や単球が産生され、後者からはB細胞、T細胞、NK細胞などのリンパ球が産生されます。好中球、単球、リンパ球は白血球に分類され、その主要な成分を構成します。
図1 造血幹細胞から血液の分化について
図1 造血幹細胞から血液の分化について
血液中の血球数は、通常は一定の数に保たれていますが、血液をつくる過程で異常が起こると、白血球や赤血球、血小板の数が病的に増加することがあり、これらの病気を総称して骨髄増殖性腫瘍と呼びます。慢性骨髄性白血病は骨髄増殖性腫瘍に分類されます。骨髄増殖性腫瘍に分類されるその他の病型としては真性多血症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病・好酸球増多症候群などがあります。

慢性骨髄性白血病(CML:Chronic Myelogenous Leukemia)は、造血幹細胞に異常が起こり、がん化した血液細胞が無制限に増殖することで発症します。検査値の異常として最も目立つのは白血球の増加ですが、同時に貧血や血小板数の増加などを認めることもあります。慢性骨髄性白血病は血液のがんの中でも比較的ゆっくり進行する種類の1つです。

用語集

2.症状

慢性骨髄性白血病の場合には、白血球ががん化して白血病細胞となっても、ほぼ正常の白血球と同じ働きをする上にゆっくりと進行するため、初期の段階ではほとんど症状がありません。そのため健康診断などで白血球数の増加を指摘され、偶然見つかる場合が半数以上を占めます。

一方、病気が進行すると、次第に白血球数や血小板数の増加、貧血がみられるようになります。白血球数が増加するに従って、全身の倦怠感(けんたいかん)や無気力、夜間の寝汗、体重減少、脾臓(ひぞう)の増大による腹部の膨満感(ぼうまんかん)などの症状があらわれます。

3.原因

発症の原因のほとんどは、染色体の9番と22番の一部が入れ替わることにより、フィラデルフィア染色体(Ph:Philadelphia chromosome)が生じることです (図2)。フィラデルフィア染色体上にはBCR-ABL融合遺伝子という異常な遺伝子が形成されます。BCR-ABL融合遺伝子からつくられるタンパク質は、血液細胞を過剰に増殖させる働きがあるため、慢性骨髄性白血病を発症させます。
慢性骨髄性白血病と新たに診断される人数は、1年間に100万人あたり約7~10人です1)2)。発症が多いのは50歳代で、やや男性に多く、慢性骨髄性白血病は、成人における白血病全体の約20%を占めます。
図2 フィラデルフィア染色体の生じ方
図2 フィラデルフィア染色体の生じ方

4.「慢性骨髄性白血病」参考文献

1) 国立がん研究センターがん対策情報センター.厚生労働省委託事業「希少がん対策推進事業」希少がん対策ワークショップ報告書.2014年3月
2) Tamaki T., Dong Y., Ohno Y., et al. The burden of rare cancer in Japan: application of the RARECARE definition. Cancer Epidemiol. 2014;38(5):490-495.
3) 日本血液学会編.造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版,金原出版
4) 日本血液学会編.造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年WEB版(第1.2版),日本血液学会
5) 日本血液学会、日本リンパ網内系学会編.造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月 第1版,金原出版
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