慢性骨髄性白血病・骨髄増殖性腫瘍 基礎知識:[がん情報サービス]
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慢性骨髄性白血病・骨髄増殖性腫瘍(まんせいこつずいせいはっけつびょう・こつずいぞうしょくせいしゅよう)

  • 基礎知識
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  • 転移・再発
更新日:2014年10月09日 [ 更新履歴 ]    掲載日:2006年10月01日
更新履歴
2014年10月09日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 掲載しました。

1.慢性骨髄性白血病とは

慢性骨髄性白血病(CML:Chronic Myelogenous Leukemia)は、比較的ゆっくり進行する血液のがんで、骨髄増殖性腫瘍の1つに分類されます。フィラデルフィア染色体(Ph:Philadelphia chromosome)用語集アイコンという特異な染色体をもっており、この染色体の異常が病態の原因です。

血液中には赤血球用語集アイコン白血球用語集アイコン血小板用語集アイコンなどの血液細胞があり、それらは、骨の中にある骨髄(こつずい)用語集アイコンで血液細胞のもととなる造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)用語集アイコンから増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)してつくられます(図1)。造血幹細胞は、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれ、前者から赤血球、血小板、各種の顆粒球(かりゅうきゅう)用語集アイコン単球用語集アイコンが産生され、後者からBリンパ球、Tリンパ球、NK細胞などのリンパ球用語集アイコンが産生されます。

白血病は、このような血液をつくる過程で異常が起こり、白血球ががん化した細胞(白血病細胞)となって無制限に増殖することで発症します。白血病細胞が骨髄に蓄積して正常な血液をつくる作用を妨げ、また血液の流れに乗って脾臓(ひぞう)用語集アイコンや肝臓などに進入し、さまざまな症状を起こします。
図1 造血幹細胞から血液細胞への分化
図1 造血幹細胞から血液細胞への分化
急速に進行する急性白血病と、ゆっくり進行する慢性白血病に大きく2つに分類され、さらにそれぞれ骨髄系細胞から発生する骨髄性白血病と、リンパ球系細胞から発生するリンパ性白血病に分けられます(表1)。
表1 白血病の分類
表1 白血病の分類

●骨髄増殖性腫瘍について

血液細胞は、通常は一定の数に保たれていますが、骨髄の働きが病的に盛んになると、赤血球あるいは血小板が増加することがあり、これらの病気を総称して「骨髄増殖性腫瘍」と呼びます。

慢性骨髄性白血病も骨髄増殖性腫瘍の1つに分類され、その他の病型としては真性多血症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病・好酸球増多症候群などがあります。

詳しくは「4.骨髄増殖性腫瘍とは」をご参照ください。

2.症状

白血球ががん化して白血病細胞となっても、ほぼ正常の白血球と同じ働きをする上にゆっくりと進行するため、初期の段階ではほとんど症状がみられません。一般的に40歳以上で発病することが多く、健康診断などで白血球数の増加を指摘され、偶然に見つかることがほとんどです。

急性白血病と異なり、初診時に貧血症状、感染症、出血傾向を伴うこともまれです。発見された時期により差がありますが、病気の進行とともに血液中の白血球数と血小板数はふえていきます。そして、骨髄の中が白血病細胞でいっぱいになり、赤血球が圧迫されて減少するため、次第に貧血状態になります。また、白血球数が増加するに従って、全身の倦怠感(けんたいかん)や無気力、夜間の寝汗、体重減少、脾臓の増大による腹部の膨満感(ぼうまんかん)などの症状があらわれます。

3.原因

原爆による被曝(ひばく)で発症が増えたことはわかっていますが、発症する原因については、まだ十分に解明されていません。また、やや男性に多く、わが国における発症頻度は10万人に1~2人と比較的まれで、成人における白血病全体の約20%を占めます。

4.骨髄増殖性腫瘍とは

慢性骨髄性白血病以外の骨髄増殖性腫瘍の経過は、比較的ゆっくりで特に目立った症状がなく、健康診断などの血液検査用語集アイコンで発見されることがあります。治癒(ちゆ)用語集アイコンは困難な場合もあるため、治療の目標は、検査値を正常に近づけて、通常の日常生活を送れるようにすることを目指します。治療前は、検査値の異常が著しい時期に合併症を起こす場合もありますが、治療を開始して赤血球、白血球、血小板などの検査値が安定してくると、症状がなくなり、通常の日常生活を送ることができます。
【骨髄増殖性腫瘍について、さらに詳しく】

1)症状

主な疾患として、真性多血症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症があげられます。真性多血症では、多くの場合は自覚症状がありませんが、赤血球の増加によって赤ら顔になったり、白血球中に含まれるヒスタミンにより全身にかゆみが出る場合や脾臓が大きくなることがあります。本態性血小板血症では、増加した血小板の機能が高められる場合と抑えられる場合があり、血栓症や出血症状がみられます。その結果、痛みや冷感を伴い、紫斑(しはん)が生じます。原発性骨髄線維症では病気が進行すると貧血になり、脾臓の増大が進むと腹部が張る症状が出てきます。

2)診断

(1)真性多血症

赤血球の増加がみられ、多くの場合は白血球や血小板も増加します。ただし、別の病気で同様の症状があらわれることもあります。中年の男性に多く、糖尿病や痛風を患っている患者さんでは、赤血球が見かけ上増加していることがあり、偽性多血症とも呼ばれます。心臓・肺・腎臓などの疾患の合併症として赤血球が増加することもあり、二次性多血症とも呼びます。それぞれを区別するために、放射線同位元素や色素を使って循環赤血球量の測定や、動脈の酸素濃度の測定、超音波検査用語集アイコンで脾臓の腫(は)れを調べます。ビタミンB12や好中球アルカリホスファターゼスコアなども測定し、診断基準に従って診断します。赤血球系の代表的な造血ホルモンの1つであるエリスロポエチンは、真性多血症では低下するため、エリスロポエチンを産生する腎がんや肝臓がんに合併する二次性赤血球増加症との鑑別に役立ちます。

(2)本態性血小板血症

骨髄での血小板産生が盛んになり、血小板数が増加します。しかし、特徴的な検査所見はありませんので、慢性骨髄性白血病などのほかの骨髄増殖性腫瘍を除外し、また二次性の血小板増加症との鑑別が重要となります。

(3)原発性骨髄線維症

軽度の白血球増加がみられ、血液像では通常は認められない、幼弱な白血球や赤芽球が出現します。脾臓の腫大があり、涙滴赤血球(るいてきせっけっきゅう)などの変形した赤血球がみられます。骨髄穿刺(こつずいせんし)用語集アイコンをしても骨髄が採取されないことが多く、骨髄生検で線維化が確認されます。ほかの骨髄増殖性腫瘍でも、病気が進行すると線維化が認められるため鑑別が必要です。

3)治療

真性多血症と本態性血小板血症では、血栓症や出血を予防することが治療目標となります。血栓症の合併が予後と関連するため、血栓症のリスク(危険度)を判定することが必要です。原発性骨髄線維症では、病期が急性期へ進行すると、予後に影響してくるため、さまざまな予後のリスク分類を用いて、治療方法を検討します。

図2に、真性多血症・本態性血小板血症・原発性骨髄線維症の治療方法を大まかに示しました。担当医と治療方針について話し合う参考にしてください。
図2 骨髄増殖性腫瘍の治療方法
図2 骨髄増殖性腫瘍の治療方法

(1)真性多血症

赤血球数の増加による血栓症に注意します。血を抜き取る瀉血(しゃけつ)を行い、ヘマトクリット値を低下させますが、瀉血を繰り返すと鉄欠乏状態になることがあります。鉄欠乏状態になってもヘマトクリット値が十分に低下しないときには、ヒドロキシウレア(抗がん剤)でコントロールします。

(2)本態性血小板血症

血を固める作用のある血小板が増加するため、血栓症に注意することが重要です。少量のアスピリンを内服し、血小板が集まって固まる作用を抑制します。緊急に血小板数を下げるために、成分採血により血小板除去を行うこともあります。真正多血症と同様に、瀉血や抗がん剤治療を行う場合もあります。

(3)原発性骨髄線維症

症状がまったくなく、検査値も基準値に近い場合は、特に治療をする必要はありません。貧血が進行するようになった場合は輸血で血液を補い、造血を促進するとされるタンパク同化ホルモン剤の投与や副腎皮質ステロイドホルモンを使用します。脾臓が非常に大きな場合は、手術で摘出することがあります。

4)病期

骨髄増殖性腫瘍には、がんの進行程度を示す病期分類はありません。真性多血症と本態性血小板血症では、病状が長く経過すると赤血球、白血球、血小板のすべてが減少し、骨髄も線維化してしまいます。このような病状を「消耗期」と呼ぶことがあります。

5)合併症

真性多血症では、血栓症や心不全が生じる場合があります。本態性血小板血症は、60歳以上の患者さんや、過去に脳梗塞、心筋梗塞等の病気にかかったことのある人は、血栓症に注意します。原発性骨髄線維症では、血小板が減少すると出血症状があらわれることがあります。このような場合には血小板輸血が必要になります。
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