1.経過観察
治療によりがんが消失したと判断された後は、定期的に通院して検査を受けます。検査を受ける頻度は、がんの進行度や治療法によって異なります。
上咽頭がんは、再発する場合は治療後2年以内であることが多いとされ、その後は緩やかに減少していきます。受診の間隔はその人の状態によって異なりますが、治療後2年以内は継続的な受診が必要です。少なくとも5年間は経過観察のために通院する必要があります。
再発や転移、治療後の合併症、食道がんなどの別のがんの早期発見・早期治療を目的として、内視鏡検査、首の触診、画像検査などを受けます。
2.日常生活を送る上で
規則正しい生活を送ることで、体調の維持や回復を図ることができます。禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、適度な運動などを日常的に心がけることが大切です。
症状や治療の状況により、日常生活の注意点は異なりますので、体調をみながら、担当医とよく相談して無理のない範囲で過ごしましょう。
日頃から口腔ケアを心がけることも大切です。口の中には、普段もたくさんの細菌が存在しています。しかし、治療を受けると、これらの細菌が原因で感染症になることがあります。これを防ぐには、粘膜に刺激のないやさしいブラッシング、うがいやこまめに水分をとるなど、口の中を清潔でうるおった環境に保つことが効果的です。また、定期的に歯科医師の診察を受けましょう。
なお、上咽頭がんの発生には喫煙や過度の飲酒が関連するタイプも中にはあります。そのため、異なる時期に、同じく喫煙や飲酒が関連する口腔、食道などのほかの臓器にがんが見つかることがあります。このように、異なる臓器に発生するがんのことを重複がんといいます。重複がんのリスクを減らすために、治療中はもちろん治療後も禁煙し、飲酒を控えるようにしましょう。
性生活について
性生活によって、がんの進行に悪影響を与えることはありません。また、性交渉によってパートナーに悪い影響を与えることもありません。
しかし、がんやがんの治療は、性機能そのものや、性に関わる気持ちに影響を与えることがあります。がんやがんの治療による性生活への影響や相談先などに関する情報は、「がんやがんの治療による性生活への影響」をご覧ください。
なお、薬物療法中やそのあとは、膣分泌物や精液に薬の成分が含まれることがあるため、パートナーが薬の影響を受けないように、コンドームを使いましょう。また、薬は胎児に影響を及ぼすため、治療中や治療終了後一定期間は避妊しましょう。経口避妊薬などの特殊なホルモン剤を飲むときは、担当医と相談してください。
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