がんを体験すると、がんの診断、再発といった病気に関する悪い知らせを聞くことによるストレス、検査結果や入院を待つ間のストレス、痛みや吐き気などのつらい症状によるストレス、今までできていた仕事や家事ができなくなることによるストレスなど、さまざまな種類のストレスを経験することがあります。これらのストレスに対する一般的な心の反応の過程として、ショック・混乱、次いで不安・落ち込み、そして新たな生活への出発という3つの時期に分けられることが知られています。
まず、当然のことですが、誰でもがんといわれると強い衝撃を受けます。「頭がまっ白になった」、「病院でがんと告げられた後に、どうやって帰ったのか覚えていない」という方もいます。また「がんであるのは何かの間違いだ」という否定の気持ちや、「何をやっても無駄だ」という絶望が強まることもあります。これが最初のショック・混乱の時期です。
その後、今後についての漠然とした不安や、気持ちの落ち込み、夜ぐっすり眠れないなどの症状が現れ、一時的に日常生活に支障が生じることもあります。また、「どうして自分だけががんなのか」と不公平な気持ちになり、怒りが湧いてくることもあります。さらに、周囲の人と壁ができてしまったような「疎外感」や、自分だけが違うのかといった「孤立感」を感じます。これが2番目の時期です。不安や落ち込みなどの心の苦痛と、それに基づく睡眠障害などの症状が現れやすくなります。
やがて、人間が本来持っている、困難を乗り越え適応しようとする力が働き出します。次第に現実的な適応が可能になり、つらい状況にありながらも、物事の楽観的な側面に目を向けることができるようになります。本やインターネットなどを使ってがんについて調べたり、がんの治療に取り組むようになります。同時に仕事を整理したり、家庭での役割を変更したりといった現実的な処理をはじめます。通常は2週間程度で、このような再適応の時期を迎えることができるようになるといわれています。
「心のケア」の全てのページに対する参考文献になっています。
こちらからご覧ください。