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胆管がん(たんかんがん)

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更新日:2015年01月15日 [ 更新履歴 ]    掲載日:1996年03月19日
更新履歴
2015年01月15日 タブ形式に変更しました。「臨床・病理 胆道癌取扱い規約 2013年11月(第6版)」「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約2009年6月(第5版補訂版)」「エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン2014年(改訂第2版)」より、内容を更新しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
1996年03月19日 掲載しました。

1.手術(外科治療)

胆管がんは手術が唯一治癒の期待ができる治療です。胆管がんでは定型術式といったものはなく、がんの広がりに応じた、安全でできるだけ根治的な術式が選択されます。

胆管がんの手術は、手術規模がかなり大きくなること、肝臓や膵臓(すいぞう)などの生命に極めて重要な臓器に直接処置が加わることで、術後合併症や手術死亡は他のがんの手術より高リスクであるのが現状です。また、手術後の再発率も決して低くありません。手術を受ける前にはその手術でどのようなメリットがあり、どの程度の危険度があるのかをよく理解しておく必要があります。

胆管がんでは、がんが残っていると予後に大きく影響を及ぼすため、胆管切離断端に対する術中迅速病理診断が勧められます。

1)肝門部領域胆管がん

肝門部から胆管、門脈、肝動脈が分岐していく複雑な構造の影響で、肝門部領域にできたがんの手術には高い技術が必要となります。根治的手術のため、まわりの肝臓、胆のう、リンパ節はほぼ切除され、膵臓も合併切除することがあります。合併手術によって組織や臓器が切り離された場合、胆管や十二指腸を通っていた道をつくるため、縫い合わせる再建手術が行われます。広範囲に肝臓を切除する場合には術前門脈塞栓(そくせん)術を行い、残す肝臓を大きくして肝不全を防ぎます。

2)遠位胆管がん

遠位胆管にできたがんは、胆管が膵臓を通っているため、膵臓へ広がりやすい性質をもっています。そのため十二指腸と十二指腸に接している側の膵臓(膵頭)を切除する、膵頭十二指腸切除が基本術式になります。切除後は再建手術で、残った膵臓を小腸や胃に縫い合わせ、膵液が小腸や胃に流れるようにします。同様に、胆管と小腸、胃と小腸をつなぎ合わせます。

3)肝内胆管がん(胆管細胞がん)

がんが肝臓の端にある場合には、肝部分切除を行います。肝臓の左葉(肝臓の左側およそ1/3)と右葉(肝臓の右側およそ2/3)を越えてがんが広がっている場合や、肝門に近い場合には、大きく切除する必要があり、胆のう切除やまわりのリンパ節郭清も行うことがあります。広範囲に肝臓を切除する場合には術前門脈塞栓術を行い、残す肝臓を大きくして肝不全を防ぎます。

4)手術に伴う合併症

手術後は、創(きず)の痛みがしばらく続くことがあります。痛みを我慢することはストレスになり、心身ともに疲れてしまい、回復の遅れにつながります。我慢することなく、担当医や看護師に伝えましょう。

胆道や膵臓の手術では、切除部分から胆汁が漏れて腹膜炎を起こしたり、膵液が漏れて出血や感染を起こしやすくなったりする場合があります。そのため、手術の後しばらくの間、体内にたまった胆汁や膵液、血液などを体外に出すための管(ドレーン)が数本、おなかに留置されます。鼻から胆道や膵臓に管を通すこともあります。

管が付いている間は、抜けないように、また位置が動かないように管の入り口で固定されます。管から出た液体をためておく容器を身に付けておくことで、体を動かしたり、歩いたりすることができるようになります。体をまったく動かさないでいると背中が痛くなることがあります。そのようなときはマッサージをしてもらうなど、可能な範囲で体の位置を静かに変えるなどして対処します。

また、膵頭十二指腸切除術という手術を行った場合、再建手術で縫い合わせた部分が狭くなると、食べ物の通りが悪くなって吐き気がしたり、細菌が腸から胆管や膵臓に移って感染を起こしたり、だるさや腹部の不快感、腹痛、吐き気、高熱などの症状があらわれることもあります。症状が改善されないときは、内視鏡を使って狭くなったところを広げる処置をするなど、再度手術を行う場合があります。

胆汁や膵液、食べ物の流れが問題なければ、少しずつ管を外して食事を再開します。

2.化学療法(抗がん剤治療)

胆管がんに対する化学療法として、ゲムシタビン+シスプラチン併用療法が標準治療として確立しています。切除が不可能な胆管がんの患者さんに広く行われている治療です。多くは外来で、週1回3時間程度かけて点滴し、2週連続投与し、3週目は休薬します。このように3週間を1コースとして治療を繰り返します。治療の適応は患者さんの全身状態や症状などによって検討します。

ゲムシタビン+シスプラチン併用療法に伴う強い副作用は少ないのですが、よくみられる副作用として、吐き気、倦怠感(けんたいかん)、食欲不振、骨髄抑制などがあげられます。また、長期間繰り返し投与することによってシスプラチンによる腎機能障害、難聴、末梢(まっしょう)神経障害(指先のしびれ)などが出てくることがあります。

3.放射線治療

手術が不可能で、遠隔転移のない場合にがんの進行抑制を目的として放射線治療を行う場合がありますが、有効性については十分な検討がされておらず、標準治療ではありません。疼痛(とうつう)を緩和するために行うことがあります。

胆管がんの場合の放射線治療は、その照射の仕方により、外部照射法と腔内(くうない)照射法があります。外部照射法は、体の外から放射線を少ない線量に分けて繰り返し照射する方法です。腔内照射法は、胆管の中に細いチューブを通して、ラジウムやイリジウムの針(小線源といいます)をがん病巣の近くまで送り込み、がんとそのまわりだけを効率よく照射しようというものです。

放射線治療に伴う副作用外部照射法での急性期の副作用としては、全身倦怠感、食欲不振などがあります。また、限局した部位に高線量が照射された場合に、ある程度時間が経過してから、消化管では潰瘍形成・出血、胆管では閉塞(へいそく)、血管では閉塞や出血などが生じます。

4.生活の質を重視した治療

近年、がんと診断されたときから、クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)用語集アイコンの改善を目的として、がんに伴う体と心のさまざまな苦痛に対する症状を和らげたり、患者さんとご家族が自分らしく過ごしたりするための緩和ケア用語集アイコンが浸透し始めています。

緩和ケアは、がんが進行してからだけではなく、がんと診断されたときから必要に応じて行われるものです。痛みや吐き気、食欲不振、だるさなど体の症状や、気分の落ち込みや孤独感など心のつらさを軽くするため、また、自分らしい生活を送ることができるように、緩和ケアでは医学的な側面に限らず、幅広い対応をします。

そのためにも、治療や療養生活について不安なこと、わからないことなど、ご自身の思いを積極的に担当医や看護師などの医療スタッフに伝えましょう。十分に話し、納得した上で治療を受けることが大切です。

痛みが強いときには、痛みの原因によって、医療用麻薬を含めた痛み止めを使ったり、痛みの原因となっているがんのある場所に対して放射線治療を行ったりすることで、つらさを和らげることができます。

詳しくはこちらの「がんの療養と緩和ケア-4.がんの痛みと緩和ケア」もご参照ください。

「患者必携 がんになったら手にとるガイド 普及新版」の以下の項もご参照ください。
緩和ケアについて理解する患者必携サイトへのリンク
痛みを我慢しない患者必携サイトへのリンク

5.臨床試験

胆管がんについては、症例数の少なさなどから高い科学的根拠に基づく医療(Evidence-Based Medicine)がまだ少ないのが現状です。

がんの治療は治療技術の進歩とともに変わっていきますが、その時点で得られている科学的な根拠に基づいた最善の治療を「標準治療」と呼びます。ただし、標準治療は「完全な治療」というわけではありません。新しい治療の有用性を科学的に検証する「臨床試験」によって、がんの治療結果をよいものにしていこうとする努力が世界各地で常に行われています。臨床試験の結果から、現在標準とされている治療よりも、よい治療であることが証明されれば、新たな標準治療が生まれます。現在の標準治療は、臨床試験の積み重ねの中から生まれてきた治療法です。一方、現在行われている臨床試験で採用されている治療法は、将来の標準治療となり得る治療であり、治療の選択肢のひとつであると言えます。

現在国内で行われている胆管がんの患者さんを対象とした臨床試験(研究者・医師が実施する臨床試験、および製薬企業や医師が実施する治験の一部)に関しては、「がんの臨床試験を探す 肝臓・胆のう・膵臓」で、開発の段階別に分類された情報を閲覧することができます。
【参考文献】
  1. 日本肝胆膵外科学会編:臨床・病理 胆道癌取扱い規約 2013年 第6版;金原出版
  2. 日本肝癌研究会編:臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 2009年 第5版補訂版;金原出版
  3. 日本肝胆膵外科学会 胆道癌診療ガイドライン作成委員会編:エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン 2014年 改訂第2版;医学図書出版
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