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胆のうがん(たんのうがん)

更新日:2015年08月21日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2015年08月21日 タブ形式への移行と、「臨床・病理 胆道癌取扱い規約2013年(第6版)」「エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン2014年(改訂第2版)」より、内容の更新をしました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
1996年04月01日 掲載しました。

1.胆のうについて

胆のうは肝臓の下にあり、肝臓でつくられた胆汁という消化液をいったんためておく袋のような臓器です。食事をすると、胆のうはその情報を受けて、ためておいた胆汁を排出します。胆汁は胆のう管から胆管を通って十二指腸に流れ込み、消化を助けます。胆のう、胆管、乳頭部を合わせて胆道と呼びます。
図1 肝臓と周辺の臓器の構造
図1 肝臓と周辺の臓器の構造

2.胆のうがんとは

胆のうや胆のう管にできた悪性腫瘍を胆のうがんといいます。また胆のうがん、胆管がん、乳頭部がんを合わせて胆道がんと呼びます。

胆のうがんの高い危険因子として、膵(すい)・胆管合流異常があります。膵・胆管合流異常とは、膵管と胆管が十二指腸の手前で合流する、先天性の形成異常です。膵液と胆汁の逆流が起こることによって、胆道や膵臓にさまざまな病態を引き起こすことが知られています。そのため膵・胆管合流異常では、予防的胆のう摘出術が検討されます。また、胆のうポリープで10mm以上あり、かつ増大傾向を認める場合、あるいは大きさに関わらず広基性病変(粘膜の表面からなだらかに隆起している病変)である場合は胆のうがんである可能性が高く、胆のう摘出術が推奨されます。特定の生活習慣や食事と胆のうがんの関連については、今のところ明らかなものはありません。

胆のうがんが胆のう壁内にとどまっている段階では無症状であることが多く、検診の腹部超音波(エコー)検査や胆石症による胆のう摘出術で、偶然発見されることもあります。

3.症状

胆のうがんは初期の段階では無症状です。進行するにつれて以下のような症状が出てきます。

1)腹痛

みぞおちや右脇腹に痛みが出ることがあります。

2)悪心嘔吐(おうと)、体重減少など

胆のうがんに限った症状ではありませんが、これらの症状はがんの進行に伴い、出てくる可能性が高くなります。症状が長く続く場合は医師にご相談ください。

3)黄疸(おうだん)

がんが進行してくると黄疸の症状が出ることもあります。がんが大きくなることによって胆道が狭められ、行き場のなくなった胆汁が血液中に流れ出すようになります。胆汁に含まれているビリルビンが血液中で濃度が高くなり、皮膚や目の白い部分が黄色くなります。これを閉塞(へいそく)性黄疸といいます。自分の顔色の変化を自覚することは意外と難しく、実際には以下の症状がきっかけとなり、発見に至ることが一般的です。

(1)白色便

胆汁が腸内に流れてこなくなると便の色が白っぽいクリーム色になります。便の色が白っぽく変化したことで、はじめて黄疸の症状に気が付くこともあります。

(2)黄疸尿

血液中のビリルビン濃度が高くなると、尿中に排泄(はいせつ)されることにより、尿の色が茶色っぽく、濃くなります。尿検査でビリルビンを確認することで黄疸の有無がわかります。

(3)かゆみ

黄疸が出ると皮膚のかゆみも同時にあらわれることが多く、これは胆汁中の胆汁酸という物質がビリルビンと一緒に血管内へ流れるためです。

詳しくは「黄疸(おうだん)」もご参照ください。

4.疫学・統計

わが国の2013年の胆のう・胆管がん死亡数は男性約8,900人および女性約9,300人で、それぞれがん死亡全体の4%および6%を占めます。2011年の胆のう・胆管がんの罹患(りかん)数(全国推計値)は、男性約12,300例および女性約11,400例で、男女ともにがん罹患全体の3%を占めます。

年次推移の比較としては、高齢になるほどがんの死亡率および罹患率は高くなるため、人口に対する年齢分布の年次推移を考慮し、仮想人口モデルで調整された年齢調整率(参照:年齢調整死亡率年齢調整罹患率)が用いられます。胆のう・胆管がんの年齢調整死亡率の年次推移では、男女ともに1950年代後半から1980年代後半まで増加傾向にありましたが、1990年代から減少傾向です。胆のう・胆管がんの年齢調整罹患率は、男女とも1975年から1980年代後半まで増加傾向でしたが、近年は減少傾向です。

胆のう・胆管がんの罹患率の国際比較では、日本人は他の東アジアの国、アメリカの日系移民、欧米人に比べて高い傾向にあります。
【参考文献】
・日本肝胆膵外科学会編:臨床・病理 胆道癌取扱い規約 2013年 第6版;金原出版
・日本肝胆膵外科学会 胆道癌診療ガイドライン作成委員会編:エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン 2014年 改訂第2版;医学図書出版
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