膵臓がん 検査・診断:[国立がん研究センター がん情報サービス]
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膵臓がん(すいぞうがん)

更新日:2016年12月07日 [ 更新履歴 ]    掲載日:1995年12月25日
更新履歴
2016年12月07日 「膵癌取扱い規約 第7版(2016年)」より、「2.病期(ステ-ジ)」を更新しました。
2014年10月14日 「2.病期(ステ-ジ)」を更新しました。
2013年04月12日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月20日 内容を更新しました。
1995年12月25日 掲載しました。

1.検査

膵臓がんが疑われる場合、腹部の超音波(エコー)検査CT検査が行われます。これらの画像所見から診断に至らない場合には、病状に合わせて、MRI、超音波内視鏡検査(EUS)、ERCP、MRCP、PETなどの検査を組み合わせながら総合的に診断されます。
なお、膵臓がんの疑いでCT検査を行う場合には、CTの単独使用は適さず、造影剤を用いた検査が推奨されています。造影剤を用いることで、血流や病変を詳しくみることができます。

1)腹部超音波(エコー)検査

漠然とした消化器症状がある人に対しては、まず腹部超音波検査や、胃と食道の内視鏡検査などを行い、胃炎、胃潰瘍(いかいよう)、胆石などの一般的な消化器の病気がないかどうかを調べます。腹部超音波検査では膵臓を観察することもできますが、患者さんの体形や状態、部位によっては見えにくい場合もあります。

2)CT検査

腹部超音波検査で異常が疑われる場合、あるいは異常がはっきりしない場合でも、症状や血液検査などのデータから膵臓や胆管などに病気のある可能性があれば、CT検査が行われます。

CTは、X線で体の内部を描き出し、病変の状態や周辺の臓器へのがんの広がり、転移の有無を調べられます。特に最近は画像の分解能力に優れたマルチスライスCTなどの新しい画像診断が行われるようになりました。

膵臓がんの場合、通常、ヨード造影剤を用いますので、ヨードアレルギーのある人は医師に申し出てください。

3)MRI検査

腹部超音波(エコー)検査やCTなどの所見から診断に至らない場合に用いられる検査の1つです。MRIは磁気を使用します。MRIではガドリニウムという造影剤が用いられますが、ぜんそくやアレルギー体質の人や腎機能が悪い人は副作用の起こる危険が高くなりますので、医師に申し出てください。

4)超音波内視鏡検査(EUS)

異常のある部分を詳細に調べるために、超音波装置の付いた内視鏡を入れて、胃や十二指腸の中から、膵臓などの臓器に超音波をあてて病変の状態や周囲への広がりなどをみる方法です。体外からの超音波検査に比べて、より詳細な観察が可能になります。腫瘍組織を調べるために、針を刺して腫瘍の細胞を採取する穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)を行うこともあります。

5)内視鏡的逆行性(ぎゃっこうせい)胆管膵管造影(たんかんすいかんぞうえい)(ERCP)

口から入れた内視鏡の先端を十二指腸に留置した後、十二指腸乳頭部と呼ばれる、膵管(すいかん)と胆管の出口にカテーテル(細い管)を入れて造影剤を流し込み、膵管や胆管の形をX線撮影で調べる検査です。膵管の中に超音波装置を挿入する膵管内超音波検査(IDUS)や膵管内の細胞や組織を採取する検査が行われることもあります。黄疸(おうだん)があるときは、ステントと呼ばれる管を胆管に留置する内視鏡的胆道ドレナージ(EBD)と呼ばれる治療が行われることがあります。(参照:「膵臓がん 治療-4.黄疸や感染に対する治療」)なお、これらの検査や治療では膵炎などの合併症を起こすことがあります。

6)MR胆管膵管撮影(たんかんすいかんさつえい)(MRCP)

MRIを使って胆管や膵管の状態を調べる検査です。内視鏡や造影剤を使わずに、ERCPの画像を得ることができ、患者さんの負担が少ないので、ERCPの代用としてMRCPを行うことが多くなってきています。

7)PET検査

PET検査(陽電子放射断層撮影検査)は、放射性フッ素を付加したブドウ糖液を注射し、その取り込みの分布を撮影することで全身のがん細胞を検出する検査です。PETを用いても膵臓がんを早期に診断することは困難ですが、膵炎との鑑別や、膵臓がん手術後の再発診断に用いられることがあります。

8)血管造影検査

足の付け根の動脈から細い管を差し込んで、膵臓やその周辺に向かう動脈に造影剤を入れて、血管の状態や病気による変化を調べます。

9)経皮経肝胆道造影(PTC)

黄疸があるときは状況に応じてERCPではなく、皮膚の上から直接肝臓を貫いて胆管に針を刺し、そこから造影剤を入れて胆管をX線撮影することがあります。その後黄疸に対しては、皮膚から挿入したカテーテルを胆管に留置する経皮経管胆道ドレナージ(PTBD)と呼ばれる治療が行われます。(参照:「膵臓がん 治療-4.黄疸や感染に対する治療」)

10)腫瘍マーカー

腫瘍マーカーとは、体のどこかにがんが潜んでいると異常高値を示す血液検査の項目のことで、がんの種類に応じて多くの種類があります。膵臓がんでは、CEA、CA19-9、Span-1、DUPAN-2、CA50などがありますが、必ずしも早期に膵臓がんを発見できるわけではありません。

2.病期(ステ−ジ)

病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてStage(ステージ)ともいいます。担当医からの説明などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多いかもしれません。病期には、ローマ数字が使われ、膵臓がんでは、I期、II期、III期、IV期に分類されています。病期は、がんの大きさや広がり、リンパ節や別の臓器への転移があるかどうかによって決まります。

膵臓がんの病期は、これまで、日本の膵臓学会が定めたものと、国際的に使われているもの(UICC分類)で内容が多少異なることから、両方を使用していました。
しかし、2016年夏に、日本膵臓学会によって、両者の整合性をもたせる形で、以下のように病期(ステージ)分類が改訂されました。

病期(ステージ)分類 <日本膵臓学会 膵癌取扱い規約> 第7版 2016年

0期

がんが膵管の上皮内にとどまっている(非浸潤(ひしんじゅん)がん)。

IA期

大きさが2cm以下で膵臓内に限局しており、領域リンパ節(がんに近いリンパ節)転移を認めない。

IB期

大きさが2cmを超えているが膵臓内に限局しており、領域リンパ節転移を認めない。

IIA期

がんは膵臓外に進展しているが、領域リンパ節転移を認めない。

IIB期

領域リンパ節に転移を認めるが、がんは腹腔動脈や上腸管膜動脈に及ばない。

III期

がんが腹腔動脈もしくは上腸管膜動脈へ及ぶが、離れた臓器への転移(遠隔転移)を認めない。

IV期

遠隔転移を認める。
表1 膵臓がんの病期
  領域リンパ節への転移 離れた臓器への転移がある
なし あり
大きさが2cm以下で膵臓内に限局している IA IIB IV
大きさが2cmを超えているが膵臓内に限局している IB
がんは膵臓外に進展しているが、腹腔動脈や上腸管膜動脈に及ばない IIA
がんが腹腔動脈もしくは上腸管膜動脈へ及ぶ III
日本膵臓学会編「膵癌取扱い規約 2016年7月(第7版)」(金原出版)より一部改編

病期(ステージ)分類 <UICC分類> 第7版 2010年

I期

がんは膵臓内に限局しており、領域リンパ節転移を認めない。

II期

がんは膵臓内部に限局しているが、領域リンパ節に転移を認める。または、がんは膵臓外に進展しているが、腹腔動脈や上腸管膜動脈に及ばない。

III期

がんが腹腔動脈もしくは上腸管膜動脈へ及ぶが、離れた臓器への転移(遠隔転移)を認めない。

IV期

遠隔転移を認める。
治療の場面では、切除可能かどうかによって膵臓がんを「切除可能膵臓がん」と「切除不能膵臓がん」に分け、切除不能膵臓がんはさらに遠隔転移の有無により「局所進行膵臓がん」と「転移性膵臓がん」に分けて検討します。病期分類とこれらの病態との間にはおおよそ以下のような関係があります。
病期分類とこれらの病態との間にはおおよそ以下のような関係があります。
  切除可能膵臓がん 局所進行膵臓がん 転移性膵臓がん
日本膵臓学会
UICC
I~II III IV

2016年には、上記の「日本膵臓学会 膵癌取扱い規約」の中で、「切除可能性分類」が新たに定義され、「切除可能」「切除可能境界」「切除不能」の3つの分類が定められました。
詳しくは、「膵臓がん 治療-1.手術(外科治療)」ページをご参照ください。
【参考文献】
  1. 日本膵臓学会編:膵癌取扱い規約 第7版(2016年7月);金原出版
  2. 日本膵臓学会膵癌診療ガイドライン改訂委員会編:膵癌診療ガイドライン 2016年版 第4版;金原出版
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