がんと共に働く:[国立がん研究センター がん情報サービス]

  • がんと共に働く まず一歩前へ。
  • はじめに
  • 本人編
  • 家族編
  • 病院編
  • 職場編
  • 地域編
  • まとめ

がんと共に生き、働く時、家族にも言えない苦しさを 仲間と分かち合ったり、さまざまな悩みを相談したりできる場は貴重です。 地域として、がん患者をどうサポートしていけばよいのか。  まずは、腫瘍内科医として働くうちに患者教育の必要性を実感し、 共同勉強会で、がんサロンで、インターネットで、 支援活動を続ける押川勝太郞氏にお話を伺いました。

01 誰でも参加できるオープンな勉強会を

 大学病院に勤めていた10年ほど前から、がん治療に携わってきました。がん治療では、例えば抗がん剤の副作用や痛みは、本人にしか分かりません。苦痛を主治医にしっかり伝え、自分で鎮痛薬や制吐剤を調整し、苦痛をコントロールができてはじめて治療がうまくいきます。「先生、すべておまかせします」という人ほど、治療成績が悪いんです。

 治療成績を上げるために本人にもっと学習してもらおうと、僕は診療の時にさまざまな情報を伝えていました。でも、とても時間が足りません。そこで自分の患者さんを集めて一度に説明しようと考えて、病院内で共同勉強会を始めました。2009年4月頃のことです。最初は、毎月1回土曜日に外来のスペースを借りて、やっていました。参加者は自分の患者さんだけで、10人弱くらいだったでしょうか。ところがそのうちに、患者さん同士が仲間になってお互いはげまし合い、すごく喜んでいることに気がつきました。

 2010年に僕は体調を崩して大学病院を辞めたのですが、共同勉強会は、宮崎市内の病院に会場を借りて続けることにしました。大学病院の外に出ると同時に対象を広げて、宮崎県内のがん患者は誰でも参加できることにしました。いまは参加者の制限は、全くありません。ですから、がん患者ではない、単に興味がある人も時々参加しています。いままでに医師、看護師、薬剤師、心理士などが来てくださいました。また、宮崎日日新聞社に熱心な方がいて、毎回記事にしていただいています。

 現在は、毎回30~40人が参加していますが、リピーターはそれほど多くはありません。コアメンバーの方は繰り返し来てくださいますが、1回だけで来なくなる人もたくさんいます。個別の人数としては、すでに300人くらいは来られたでしょうか。

 共同勉強会では、前半は僕ががん治療についての講義をします。後半はひとりずつ自己紹介や近況報告をかねて発言してもらいます。同時に、質問も受け付けます。すると質問が入った時に、僕が答えなくても「私はこうしていますよ」と答えてくれる人がいて、結構議論が白熱するんです。そこで、こちらがいろいろ教えるよりも、お互いで教え合うようにしました。

 また、どんどん新しいことを提案して、実行していくことにしました。がんの患者さんたちは、いろいろなものを失うばかりで、どうしても守りに入っています。何か新しいことをやると、自信が湧いてきて、人生を広げる武器になります。いろいろな立場の人がいるので、いろいろなアイデアが出て来ます。

 2012年の1月31日には、NPO法人として宮崎がん患者共同勉強会を発足させました。その手続きも、そういうことが得意なサバイバーの方が進めてくださって、僕はほとんど何もする必要がありませんでした。法人化の話が出てから発足までに、1年もかかりませんでした。

 共同勉強会は月1回と限られているので、ここで友だちを見つけ、患者さん同士でどんどん集まってお付き合いしてくださいと言っています。どこかに花見に行こうとか、グラウンドゴルフをしようとか。そういう小さな集まりをしょっちゅうやっています。健常者の集まりに出るのは気が引けても、同じがん患者同士なら気楽につきあえます。がん患者の集まりだけれども、がんと関係がない行事でがんのことを忘れて楽しめます。それが、患者さんにとっては、うれしいようです。

 共同勉強会の雰囲気は、とても明るいんです。暗い話題ももちろんありますが、初めての人には、「明るすぎてちょっとイメージが違う」とよく言われます。実は、僕はそれを狙っています。がんは、もう特別な病気ではありません。治療はきっちりやっても、それ以外の生活は普通ですよと、アピールしたいんです。

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  • 01 誰でも参加できる オープンな勉強会を
  • 02 病気のことを考えずに 済む環境づくりを
  • 03 支援する側にも メリットがある 活動を目指したい
  • TOPICS 01-1 仲間だからこそ、 一緒に泣ける
  • TOPICS 01-2 サロンに来ると、 自分を取り戻せる
  • TOPICS 01-3 患者と家族の思いは違う
  • TOPICS 02-1 専門職の側も、 大きな気づきや学びを もらっています
  • TOPICS 03-1 まず、相談支援センターに 駆け込んでください

  • はじめに
  • 本人編
  • 家族編
  • 病院編
  • 職場編
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