悪性リンパ腫 基礎知識:[がん情報サービス]
がん情報サービス ganjoho.jp
右側ナビゲーションの始まり
それぞれのがんの解説

パンくず式ナビゲーション
TOPそれぞれのがんの解説 > 悪性リンパ腫 基礎知識

悪性リンパ腫(あくせいりんぱしゅ)

  • 基礎知識
  • 診療の流れ
  • 検査・診断
  • 治療の選択
  • 治療
  • 生活と療養
  • 転移・再発
更新日:2015年11月26日 [ 更新履歴 ]    掲載日:2006年10月19日
更新履歴
2015年11月26日 タブ形式に変更しました。「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」より内容を更新しました。
2011年02月21日 更新しました。
2006年10月19日 「悪性リンパ腫の診断と治療」を掲載しました。

1.悪性リンパ腫とは

血液中には免疫をつかさどる白血球用語集アイコンリンパ球用語集アイコン、酸素を運搬する赤血球用語集アイコン、出血を止める働きがある血小板用語集アイコンなどの血液細胞があります。これらは、骨の内部にある骨髄(こつずい)用語集アイコンで血液細胞のもととなる造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)用語集アイコンから増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)してつくられます(図1)。造血幹細胞は、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれ、前者から赤血球、血小板、白血球の成分のうち顆粒球(かりゅうきゅう)用語集アイコン単球用語集アイコンが産生され、後者から白血球中のB細胞、T細胞、NK細胞などのリンパ球が産生されます。
図1 造血幹細胞から血液の分化について
図1 造血幹細胞から血液の分化について
悪性リンパ腫とは血液がんの1つで、白血球の中のリンパ球ががん化したものです。リンパ球には、B細胞、T細胞、NK細胞などの種類があり(図1)、これらががん化して無制限に増殖することで発症します。

悪性リンパ腫が発生する部位は、リンパ系組織とリンパ外臓器(節外臓器)の2つに大きく分けられます。リンパ系組織は、細菌やウイルスなどの病原体を排除する機能がある免疫システムの一部で、リンパ節用語集アイコンをつなぐリンパ管用語集アイコンやその中を流れるリンパ液用語集アイコン、胸腺(きょうせん)、脾臓(ひぞう)用語集アイコン 、扁桃(へんとう)などの組織や臓器です。リンパ外臓器(節外臓器)は、胃、腸管、甲状腺(こうじょうせん)、骨髄、肺、肝臓、皮膚などです。リンパ系の組織や臓器は全身にあるため、全身の部位で発生する可能性があります。

2.症状

首や腋(わき)の下、足の付け根などリンパ節の多いところに、通常は痛みのないしこりとしてあらわれ、数週から数カ月かけ持続的に増大して縮小しません。病期(stage:ステージ)用語集アイコンが進むと、このしこりや腫(は)れは全身に広がり、進行するにしたがって全身的な症状がみられるようになります。全身的な症状としては発熱、体重の減少、盗汗(とうかん:顕著な寝汗)を伴うことがあり、これらの3つの症状を「B症状」といいます。このB症状があると予後用語集アイコンが悪いことが多いため、特に注意が必要です。その他には、体のかゆみや皮膚の発疹、また腫瘤(しゅりゅう)用語集アイコンにより気道や血管、脊髄(せきずい)用語集アイコンなどの臓器が圧迫されると、気道閉塞、血流障害、麻痺(まひ)などの症状があらわれ、緊急で治療が必要な場合もあります。

3.原因

原因はまだ明らかではありませんが、細胞内の染色体用語集アイコンの異常によって、染色体中のがん遺伝子が活性化し、その結果、リンパ系細胞ががん化して発症すると考えられています。また、一部にはウイルス感染症が関係することや、免疫不全者に多いことがわかっています。

4.分類

がん細胞の形態や性質によって30種類以上に細かく分類されていますが、大きくはホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫の2つに分けられます(図2)。発症の多くは非ホジキンリンパ腫で、ホジキンリンパ腫はわが国では少なく、悪性リンパ腫の全体のうち約5~10%程度です。

この分類によって治療方針が決定するため、病変部から組織を採取して生検用語集アイコンを行い、どの種類の悪性リンパ腫か正確に病理診断用語集アイコンすることが重要です。

1)病型分類

病理検査で「リード・シュテルンベルグ細胞」や「ホジキン細胞」といった特徴的な細胞がみられるものがホジキンリンパ腫、それ以外が非ホジキンリンパ腫に分類されます。非ホジキンリンパ腫は、がんになっている細胞の特徴(B細胞性・T細胞性・NK細胞性のどれかとその成熟度)や染色体検査用語集アイコン遺伝子検査用語集アイコンなどの結果を基にさらに細かく分類されます。
図2 悪性リンパ腫の分類
図2 悪性リンパ腫の分類
日本血液学会編「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」(金原出版)より作成
図中の「ホジキンリンパ腫」をクリックすると、ホジキンリンパ腫の治療の詳細ページに移動します。「非ホジキンリンパ腫」をクリックすると、非ホジキンリンパ腫の病型分類の項目に移動します。

2)非ホジキンリンパ腫の臨床分類

非ホジキンリンパ腫は、病型分類のほかに病状の進行速度によって3つの悪性度に分類されます(表1)。この分類は、診断後無治療の場合に予測される進行速度を基準にしています。悪性度によっては、非常にゆっくりと進行してしばらくは経過観察でよいものと、週単位で進行するため急いで治療を開始しなければならないものがあり、それらを区別しておくことは治療を始める上で非常に重要です。
表1 非ホジキンリンパ腫の分類
悪性度による分類 非ホジキンリンパ腫の種類(病型)
低悪性度:インドレントリンパ腫
(年単位で進行)
濾胞性リンパ腫(Grade 1、2)
MALTリンパ腫
リンパ形質細胞性リンパ腫
●菌状息肉症(皮膚のリンパ腫
●セザリー症候群(皮膚のリンパ腫)など
中悪性度:アグレッシブリンパ腫
(月単位で進行)
濾胞性リンパ腫(Grade 3)
マントル細胞リンパ腫
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
末梢性T細胞リンパ腫
節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型など
高悪性度:高度アグレッシブリンパ腫
(週単位で進行)
バーキットリンパ腫など
日本血液学会編「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」(金原出版)より作成

5.疫学・統計

新規罹患(りかん)患者数は、2005年の結果では16,991人、罹患率用語集アイコンは人口10万人あたり約13人と年々増加傾向にあります。男女比は約3:2と男性に多く、60~70歳代が発症のピークとなっています。
【参考文献】
1. 日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版;金原出版
2. 日本血液学会、日本リンパ網内系学会編:造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月 第1版;金原出版
3. 日本リンパ網内系学会教育委員会:レベルアップのためのリンパ腫セミナー,2014年6月;南江堂
4.  Swerdlow, S.H. et al. eds.: WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues., 2008; IARC.
閉じる
アンケートにご協力ください
よりよい情報提供を行うために、アンケートへの協力をお願いいたします。
簡単な7問ほどのアンケートですので、ぜひ、ご協力ください。
アンケートページへ

フッターの始まり