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腎細胞がん(じんさいぼうがん)

更新日:2013年11月22日 [ 更新履歴 ]    掲載日:1997年03月24日
更新履歴
2013年11月22日 タブ形式への移行と内容の更新をしました。
2006年10月01日 更新しました。

1.腎臓について

腎臓は腹部に左右1つずつ存在する臓器です。腹部にある臓器ではありますが、腸管全体を包み込む腹膜と背中の間にあたる、後腹膜腔という場所に位置しています。ちょうど肋骨(ろっこつ)の下端の高さにあり、10×5×3cm程度のソラマメのような形をしています。

腎臓の主な機能は、血液をろ過して尿を作ることですが、その他にも血圧のコントロールや造血に関するホルモンの生成もしています。

構造をさらに細かくみると、腎臓は腎実質(実質はさらに皮質と髄質に分けられる)という尿を作る部分と、実質により作られた尿が集まる腎盂(じんう)という組織からできています。腎実質は、組織学的には、尿を作るネフロンとよばれる単位が約120万個集まってできています。ネフロンは糸球体(しきゅうたい)とよばれる毛細血管と、尿細管という構造から成り立っています。糸球体の中を血液が通過すると、血球以外のほとんどの成分が尿細管にこし出されます(原尿)。この原尿から、そのときの体のバランスに応じて、必要な水やさまざまな物質を再吸収します。こうしてたくさんのネフロンから生成された尿は腎盂に集められ、排泄(はいせつ)のため尿管を通って膀胱へと送られます。
図1 腎臓の構造

2.腎細胞がんとは

腎臓にできるがんには、腎細胞がんと腎盂(じんう)がんが主であり、これらの多くは成人に発生します。小児に多く発生するものにはウィルムス腫瘍があります(参照:小児がんシリーズの冊子「小児の腎腫瘍」[PDF:1.46MB])。まれながんとしては、肉腫やほかの臓器からの転移性のがんがあります。

腎細胞がんは尿細管の細胞ががん化したものですが、腎盂がんは尿路の細胞ががん化したものであるため、同じ腎臓にできたがんであっても各々の性質や治療法はまったく異なります。この項では腎細胞がんに対して記載します。腎盂がんについては「腎盂・尿管がん」をご参照ください。

3.症状

腎細胞がんには、特徴的な症状はありません。そのため小さいうちに発見される腎細胞がんは、検診や、ほかの病気のための精密検査でたまたま見つかるなど、偶然に発見されるものがほとんどです。腫瘍が大きくなるにつれて血尿が出たり、腹部のしこりに気が付いたりする場合もありますが、そのようなケースはあまり多くありません。

がんが全身へ広がるのに伴い、食欲不振、体重減少、貧血、発熱といった全身症状があらわれます。さらに、腎細胞がんが造血作用のある物質などを作るために、赤血球増多症、高血圧や高カルシウム血症が起こることがあります。

また、骨転移による骨折や、脳転移によるけいれん、肺転移による肺の腫瘤(しゅりゅう)といった、ほかの臓器へ転移したものが先に発見され、精密検査の結果として腎細胞がんが見つかることも少なくありません。

4.疫学・統計

わが国の2010年の腎細胞がん死亡数は男性約2.7千人、女性約1.3千人で、男女ともがん死亡全体の1%を占めます。2006年の腎盂を含む腎がんの罹患数(全国推計値)は、男性約9.6千人、女性約5.3千人で、男女ともがん罹患全体の2%を占めます。腎細胞がん死亡は腎臓がん全体(腎細胞がんと腎盂・尿管がん)のがん死亡の約7割を占めます。罹患率は50歳代から70歳代にかけて、高齢ほど高くなります。腎細胞がん罹患率の国際比較では、日本はイギリスを除く欧米諸国より低い傾向があり、人種間の比較では、黒人で高くなっています。

腎細胞がんを引き起こす原因(リスク要因)として確立されているものは、肥満と喫煙です。肥満のリスクは4倍で、高血圧では2倍とされています。すなわち、肥満の方ではそうでない方に比べて、4倍腎細胞がんが発生しやすいということになります。また、フェナセチン含有鎮痛剤がリスク要因の候補にあげられるようになり、現在は、薬剤としての使用は制限されています。職業や環境に関しては、石油由来の有機溶媒(トリクロロエチレン)やカドミウム、アスベストにさらされることなどが発症リスクを高くするといわれています。一方、遺伝的に、腎細胞がんが発生しやすい家系のあることが知られています。中枢神経系血管芽腫を合併するフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病や、自然気胸や顔面皮膚の小腫瘍を伴うバート・ホッグ・デューベ(BHD)症候群などの、常染色体優勢遺伝性の疾患をもつ患者とその血縁者では、腎細胞がんの発症割合が高く、VHL病血縁者の40%で腎細胞がんが発症するといわれています。現在では、遺伝子の解析技術が進化したことで、そのような家系に起こっている遺伝子異常が同定されており、発症前から将来、腎細胞がんにかかることが予測できる可能性が高くなっています。ただし、家系内発生以外の遺伝子解析による予測については、まだ研究が行われている段階です。
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