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全ページ表示印刷用抜粋PDF外陰がん(がいいんがん)

更新日:2017年06月29日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2017年06月29日 「外陰がん・腟がん治療ガイドライン2015年版」より、内容の更新をしました。4タブ形式に変更し、印刷用抜粋版PDFを追加しました。
2006年10月01日 更新しました。
1996年10月16日 掲載しました。
診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については「治療にあたって」をご参照ください。

1.外陰部について

外陰部は、上部にある丸みを帯びた恥丘(ちきゅう)、外郭(がいかく)に位置するふくらみのある表皮である大陰唇(だいいんしん)、その内側の左右一対の小陰唇などで構成されます。小陰唇の上方には陰核(いんかく)があります。会陰(えいん)は腟口(ちつこう)から肛門までを指します。

生殖器は発生学的由来により内生殖器と外生殖器に分けられます。外陰部は体表の皮膚が変化して生じた外生殖器で、外からの刺激に対して生殖器を守る役割があります。
図1 外陰部の構造
図1 外陰部の構造

2.外陰がんとは

多くは大陰唇に発生しますが、小陰唇や陰核などにも発生することがあります。

進行すると、太もものつけ根あたりにある鼠径(そけい)リンパ節への転移が生じやすくなります。

3.症状

早期の段階では自覚症状がない場合があります。症状としては、外陰部の腫瘤(しゅりゅう)、かゆみ、熱感、痛み、出血、色素沈着、皮膚の色が部分的に白くなる白斑(はくはん)などがあります。

4.組織型分類

外陰部に発生するがんのほとんどは扁平(へんぺい)上皮がんです。その中で、外陰部の皮膚の表面をおおう上皮内でとどまっているものを外陰上皮内腫瘍(VIN:vulvar intraepithelial neoplasia)といいます。また、その他の外陰がんとして、扁平上皮がん以外の悪性疾患もまれにあります。

1)外陰上皮内腫瘍(VIN)

VINはヒトパピローマウイルス(HPV:human papillomavirus)感染に関連するものと関連しないものとで区別されています。

(1)HPV感染に関連するVIN

比較的若年者に発症します。軽度扁平上皮内病変に分類されるものは自然に消えることが多いため、経過を観察します。一方で、高度扁平上皮内病変に分類されるものについてはがんになる可能性があるため、患者さんの状況に応じて治療が行われます。

(2)HPV感染に関連しないVIN

高齢者に多く、白斑がみられることが多いです。分化型外陰上皮内腫瘍に分類され、悪性度が高い傾向にあるため、治療が行われます。

2)その他の外陰がん

扁平上皮がん以外の悪性疾患で、パジェット病や悪性黒色腫もまれにあります。その場合は、皮膚科領域ならびに婦人科領域の腫瘍専門医のそろった病院で治療を受けることをお勧めします。

5.統計

外陰がんと新たに診断される人数は、1年間に腟がんと合わせて100万人あたり約5~10人です。1)2)

6.発生要因

十分に解明はされていませんが、組織型によってはHPV感染が関与しているとされています。若い女性に多くみられるVINはHPV感染によるものが多いです。HPVワクチン投与による子宮頸がん発症予防を調べた臨床試験では、HPVワクチンの投与は子宮頸部上皮内腫瘍(前がん病変)だけでなく、VINも予防できることが示されています。また、HPV以外のがん発生要因としては、喫煙も指摘されています。

7.予防と検診

日本人を対象とした研究結果から定められた、科学的根拠に基づいた「日本人のためのがん予防法」では、禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形、感染予防ががんの予防に効果的といわれています。

関連情報
日本人のためのがん予防法
がん種別リスク要因と予防法 12.子宮がん 3)外陰がん

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。

しかし、外陰がんについては、現在、指針として定められている検診はありません。気になる症状がある場合には、医療機関を早期に受診することが勧められます。

なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療が終わった後の検査は、ここで言う検診とは異なります。

関連情報
がん検診について
がん検診Q&A

8.「外陰がん」参考文献

1) 国立がん研究センターがん対策情報センター.厚生労働省委託事業「希少がん対策推進事業」希少がん対策ワークショップ報告書.2014年3月
2) Tamaki T., Dong Y., Ohno Y., et al. The burden of rare cancer in Japan: application of the RARECARE definition. Cancer Epidemiol. 2014; 38(5): 490-495
3) 日本婦人科腫瘍学会編.外陰がん・腟がん治療ガイドライン2015年版,金原出版

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