病理診断困難症例の病理診断について、全国のがん診療連携拠点病院の病理医から、各臓器がんに精通する病理医へのご相談 (コンサルテーション) をお受けします。
病理診断コンサルテーションをご利用希望の病理医の方は「4.病理診断コンサルテーション利用申請について」をお読みいただき、最初にユーザー登録をお願いいたします。
1.病理診断コンサルテーションについて
がん対策研究所が提供するこの「病理診断コンサルテーション」は、がん診療連携拠点病院において、がんの病理診断に従事している病理医を支援するものです。
全国の病理医の方々は、さまざまな臓器・領域のがんの病理診断に従事されていますが、日常の病理診断業務の中では、その臓器・領域の専門家でないとなかなか診断の難しい病変に少なからず遭遇いたします。また、それぞれの診療科から要求される病理診断の精度は日々高まり、病理医診断にも高い専門性が求められるようになってきています。
そこで、各臓器がんの病理診断の経験が豊富な病理医にコンサルタントとして協力をお願いし、より診断精度の高い診断意見を提供していただき、がん診療連携拠点病院の病理診断支援を行うことが最大の目的です。
全国の病理医の方々には、病理診断コンサルテーションを利用していただき、わが国における病理診断の均てん化に役立つシステムに育てていただければと願っています。
2.病理診断コンサルテーションのしくみ

3.利用にあたってご了解いただく事項
1)利用できる方および対象標本について
病理診断コンサルテーションの支援対象者は、主にがん診療連携拠点病院に属する病理医です。
病理診断の確定が難しいと考えられる症例等(生検標本・手術標本の組織診断)を専門家に相談したい方からのコンサルト依頼をお受けします。手数料は無料です。
患者さんご本人やご家族などからの直接のご依頼はお受けできません。また、病理医以外のご依頼もお受しておりません。必ず病理医を介してご依頼ください。
【対象にならない症例】
- 明らかにがんではない症例
- 医療過誤および裁判係争中に関する症例
- 組織診断を除く剖検症例
2)個人情報保護について(重要)
すべてのプロセスにおいてオンライン情報は暗号化され安全が確保されます。
依頼者は、患者の特定につながる情報(氏名、イニシャル、患者ID、病理標本番号、二次元コードなど)を依頼書、その他添付資料に記載しないでください。病理診断に重要と考えられる情報(居住地、職業等)を用紙に記載する場合でも、患者の特定につながらないようにご配慮ください。
プレパラートのみ、依頼書と照合可能な病理標本番号を鉛筆で記載してください。
事務局で受け付けした依頼症例には、事務局にて独自の受付番号(CIS番号)を発行します。事務局では、コンサルタントが参照する依頼書や各資料の中では個人を特定できる項目を抹消して、事務局が発行した受付番号のみを伝えます(匿名化)。したがって、診断意見報告書は受付番号によって作成されます。
3)コンサルタントについて
コンサルタントとして、各臓器・領域のがん病理診断の専門家に協力をお願いしています。
主として国立がん研究センターおよびがん診療連携拠点病院の病理医の方々に、事務局より診断依頼をし、さらに一部はそれ以外の外部専門家の協力も仰いでいます。コンサルタント一覧をご覧ください。
事務局が、依頼症例の診断意見を作成するのに最適なコンサルタントを選出し、診断意見の作成をお願いします。
コンサルタントを指名したい場合は、指名欄からご指名いただければ、ご希望に添えるよう努力いたします。
コンサルタントから依頼者へ、臨床情報提供などに関して直接連絡をとる場合がありますのでご協力ください。ただし、追加標本・資料などを送付する場合は、ご面倒でも必ず事務局を通して「匿名化」の手続きを受けてください。
4)診断意見報告書について
提供される診断意見報告書は、各依頼施設における病理診断報告書作成過程での参考としていただきますが、施設診療記録としての病理診断報告書に代わるものではありません。
各施設における病理診断の最終責任は依頼者にあります。
5)フォローアップ情報の登録について
依頼者に診断意見報告書をお送りした後、約1カ月後に当該症例に関するフォローアップ情報をご連絡いただくことになっております。
フォローアップ情報はコンサルタントの先生へのフィードバック情報となります。がん診療支援システムより「フォローアップ情報登録のお願い」のメールを受信されましたらご登録ください。
6)一般的な注意について
コンサルタントからの診断意見報告までは、事務局に標本到着後およそ2~3週間前後を要するものと予想されます。
診断の最終責任は依頼者にあることに留意してください。
コンサルタントには無報酬で検討と診断意見報告を依頼しますので、コンサルタントにとって過度の負担とならぬよう、的確な依頼書の作成と標本の送付を心がけてください。また、過度の枚数の標本の送付、所見の記載不備などが生じないようご配慮願います。
診断意見報告書の回答の遅延、その他の問い合わせは事務局までお願いいたします。
4.病理診断コンサルテーション利用申請について
病理診断コンサルテーションは、事前登録ユーザーのみを対象としております。
利用希望者は要領に従って利用申請してください。
ユーザー登録用のメールアドレスは、所属施設で付与されているメールアドレスでご申請ください。
(セキュリティの都合上、GmailやYahoo mail等のフリーメールアドレスのほか、個人で契約しているプロバイダのメールアドレス(NiftyやOCN等)はご遠慮ください。)
ユーザー登録にあたっては、事務局あてのメールアドレスpathconsult@ml.res.ncc.go.jpをクリック、もしくは下記フォームの項目をコピーアンドペーストし、必要事項を明記の上お送りください。
新規ユーザー登録用フォーム
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宛先:pathconsult@ml.res.ncc.go.jp
タイトル:病理診断コンサルテーション ユーザー登録申請
氏 名(漢字):
ふりがな(かな):
ローマ字表記(半角大文字):
メールアドレス:
施 設 名:
部 署 名:
役 職:
郵 便 番 号:
都 道 府 県:
市 区 町 村:
番地・ビル名:
連絡先電話番号:
連絡先内線番号:
連絡先FAX番号:
----------------
事務局でユーザー登録の手続きを行ったのち、ユーザーID、初期パスワードを発行します。登録は1日程度で完了します。ご不明な点は、事務局までご連絡ください。
なお、お1人につき1つのアカウント登録になります。同施設で複数名登録される場合は、人数分のアカウントが必要になります。
5.コンサルテーション依頼の仕方
コンサルテーションの依頼は、下記に留意して症例を登録してください。
症例登録はオンラインシステム上のみといたします。
ご利用には事前登録が必要ですので、未登録の方は上記「4.病理診断コンサルテーション利用申請について」をご参照ください。
1)診断依頼登録 必須
がん診療支援システムにログインし、診断依頼登録画面で必須事項を漏れなく、また、コンサルタントとして希望される方があれば、「コンサルタント希望有無」より選択してください。
病変判断に必須である十分な臨床情報や画像情報を記載してください。また重複検索を削減して迅速な診断意見報告書の作成のため、病理学的な検索状況等も出来るだけ詳しく記載ください。
なお、コンサルタントの施設によっては特殊染色(FISH等)や遺伝子検査の診断はご希望に添えない場合がございますのでご承知おきいただきますようお願い申し上げます。
依頼書には患者の特定につながる患者氏名、イニシャル、患者ID、二次元コードなどは記載せず、標本番号(送付プレパラートと照合可能な番号であること)のみを記載してください。
2)プレパラートもしくはバーチャルスライド画像 必須
コンサルテーションを受けたい標本につき、(1)(2)両方をご用意ください。
(1)HE染色標本2枚 (1枚:コンサルタント用、1枚事務局用)
(2)免疫染色用の未染標本15枚
(シランコート等の組織剥離防止処置を施したスライドグラスで作製されたもの)
HE染色標本を数種類お送りいただく際、事務局用のHEはメインの切片のみで結構です。
バーチャルスライド画像のみの診断もお受けいたしますが、症例によっては標本を送付いただく場合があります。
送付いただいたプレパラートは、残余未染標本も含めて原則として最終的にはコンサルタントの手元に保管されます。
*どうしても未染標本が用意できない場合は、事務局へご相談ください。
送付に際し、プレパラートが破損しないようケースや緩衝材などを利用して荷造りするなど十分注意してください。
また封筒の破損、標本とケースあるいは標本同士の粘着も多く見受けられるので注意してください。
患者の特定につながる患者氏名やイニシャル、カルテ番号、二次元コードなどは記載せず、標本番号(依頼書記載と照合可能な番号であること)のみを鉛筆でプレパラートに記載してください。
患者氏名が印字されている場合は有機溶剤対応のペンで消すか、削り取ってください。
下記連絡先に記載されている、「病理診断コンサルテーション推進室事務局」まで郵送してください。その際、書留(簡易書留可)・ゆうパック・各種宅配便など配達の確認や追跡が可能な方法で送付ください。
返却希望の標本がある場合、着払いや送料相当の切手を同封するなど返却費用は依頼者が負担してください。
また、返却希望標本は、ケースを分けるなど返却不要標本と混同しないようにしてください。
3)依頼書に付帯する臨床資料
依頼者は、診断の参考となると思われる肉眼写真、X線写真、電顕写真なども可能な範囲でご用意の上、依頼書・標本とともに送付してください。特に骨腫瘍の場合X線写真、CT、MRIなどの画像は必須です。紙面での送付を含めて媒体や形式は問いません。
原則として返却はできません。複製していただく等ご注意ください。
すべての送付資料には、患者の特定につながる情報(氏名、イニシャル、患者ID、施設標本番号、二次元コードなど)は記載しないでください。
X線フィルム、CT、MRIなどの画像に記載されている氏名、患者IDなどの個人情報も削除してください。
病理診断に重要と考えられる情報(居住地、職業等)を用紙に記載する場合でも、患者の特定につながらないようにご配慮願います。
6.診断意見報告書の登録・送付について
コンサルタントの診断意見は、報告書により回答されます。
報告書は、原則として2とおりの方法で依頼者に送られます。
1)がん診療支援システムに診断意見報告書が登録され、事務局で内容の整合性などを確認後、依頼者にメールが送信されます。メールに記載されているリンクより、診断意見報告書を閲覧することが可能です。
2)その後、事務局にて最終確認を行い、書面にて郵送します(これを最終報告とします)。
上記の報告方法で不都合のある場合は、前もって依頼時に事務局へご相談ください。
7.学術研究資料として使用する際の注意事項
コンサルテーションを依頼された症例の報告の際には、その出どころである依頼者に優先権があります。
- 依頼者がコンサルテーションを受けた内容を学術研究資料として症例報告する場合には、あらかじめコンサルタントに連絡し、報告形式などを相談してください。また、当方事務局にも事前にご連絡ください。
- コンサルタントが依頼症例を学術研究資料として使用する際には、依頼者の同意のほか、患者の同意を含め各診療施設の倫理規定を順守することが必要です。当方事務局にも事前にご連絡ください。
8.FAQ
依頼症例担当病院の病理医を通してご依頼ください。
9.お問い合わせ等 連絡先
〒104-0045
東京都中央区築地5−1−1
国立がん研究センター がん対策研究所 がん医療支援部
病理診断コンサルテーション推進室事務局 谷田部 恭
Email:pathconsult@ml.res.ncc.go.jp
電話:03−3542−2511(内線1702)
FAX:03−3547−5012
10.病理診断コンサルテーション コンサルタント一覧
(2022年04月01日現在)
相島 慎一 | 佐賀大学医学部病因病態科学診断病理学分野 |
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味岡 洋一 | 新潟大学大学院 分子・診断病理学分野 |
石井 源一郎 | 国立がん研究センター先端医療開発センター 臨床腫瘍病理分野 |
石川 雄一 | 国際医療福祉大学三田病院 病理部(病理診断センター) |
石田 剛 | 埼玉病院 病理診断科 |
泉 美貴 | 昭和大学医学部 医学教育学講座 |
市原 周 | 名古屋医療センター 病理診断科 |
井内 康輝 | 株式会社病理センター |
浦野 誠 | 藤田医科大学ばんたね病院 病理診断科 |
大喜多 肇 | 慶應義塾大学医学部 病理学教室 |
大島 孝一 | 久留米大学医学部 病理学 |
大橋 健一 | 横浜市立大学医学部・大学院医学研究科 病態病理学 |
尾島 英知 | 慶應義塾大学医学部 病理学教室 |
小田 義直 | 九州大学大学院医学研究院 形態機能病理学 |
覚道 健一 | 近畿大学医学部奈良病院 中央検査部病理 |
加藤 良平 | 伊藤病院 病理診断科 |
川崎 朋範 | 埼玉医科大学国際医療センター 病理診断科 |
亀山 香織 | 慶應義塾大学医学部 病理診断部 |
九嶋 亮治 | 滋賀医科大学 臨床検査医学講座 |
桑田 健 | 国立がん研究センター東病院 病理科・臨床検査科 |
小島 史好 | 和歌山県立医科大学 人体病理学 病理診断科 |
小嶋 基寛 | 国立がん研究センター先端医療開発センター 臨床腫瘍病理分野 |
小森 隆司 | 東京都立神経病院 検査科病理 |
笹島 ゆう子 | 帝京大学医学部 病理学講座 |
笹野 公伸 | 東北大学大学院医学系研究科 病理診断学分野 |
柴原 純二 | 杏林大学 医学部病理学教室 |
関根 茂樹 | 国立がん研究センター研究所 中央病院 病理診断科 |
武島 幸男 | 広島大学大学院医歯薬保健研究科 病理学研究室 |
田中 伸哉 | 北海道大学大学院医学研究科 病理学講座 腫瘍病理学分野 |
田中 祐吉 | 神奈川県立こども医療センター 臨床研究所 |
田中 陽一 | 東京歯科大学市川総合病院 臨床検査科病理 |
谷口 浩和 | JR東京総合病院 臨床検査科 |
津田 均 | 防衛医科大学校 病態病理学講座 |
都築 豊徳 | 愛知医科大学医学部 病理診断科 |
長尾 俊孝 | 東京医科大学 人体病理学分野 |
中黒 匡人 | 名古屋大学医学部附属病院 病理部 |
長坂 徹郎 | 修文大学 医療科学部 |
中澤 温子 | 埼玉県立小児医療センター 臨床研究部 |
長嶋 洋治 | 東京女子医科大学病院 病理診断科 |
中沼 安二 | 福井県済生会病院 病理診断科 |
中村 直哉 | 東海大学医学部 基盤診療学系病理 |
二階堂 孝 | 立正佼成会附属佼成病院 病理科 |
仁木 利郎 | 自治医科大学医学部 病理学講座統合病理学部門 |
二村 聡 | 福岡大学筑紫病院 病理部 |
羽賀 博典 | 京都大学大学院医学研究科・医学部 病理診断学 |
長谷川 匡 | 札幌医科大学医学部 病理診断学 |
長谷川 博雅 | 松本歯科大学大学院 硬組織疾患病態解析学分野 |
長谷部 孝裕 | 埼玉医科大学国際医療センター 病理診断科 |
久岡 正典 | 産業医科大学医学部 第1病理学 |
平岡 伸介 | 国立がん研究センター研究所 中央病院 病理診断科 |
平戸 純子 | 公立富岡総合病院 病理診断科 |
蛭田 啓之 | 東邦大学医療センター佐倉病院 病理診断科 |
廣川 満良 | 隈病院 病理診断科 |
廣島 健三 | 東京女子医科大学八千代医療センター 病理診断科 |
廣田 誠一 | 兵庫医科大学 病理学 |
福里 利夫 | 江東微生物研究所・病理研究所 |
福嶋 敬宜 | 自治医科大学医学部 病理診断部 |
福永 眞治 | 新百合ヶ丘総合病院 病理診断科 |
藤井 誠志 | 横浜市立大学医学部 分子病理学講座 |
前島 亜希子 | 国立がん研究センター中央病院 病理診断科 |
増田 しのぶ | 日本大学医学部 病態病理学系病理学分野 |
松野 吉宏 | 北海道大学病院 病理部 |
松原 大祐 | 筑波大学 医学医療系 診断病理学分野 |
真鍋 俊明 | 堺町御池病理診断科クリニック |
三浦 圭子 | 東京医科歯科大学医学部附属病院 病理部・病理診断科 |
三上 修治 | 埼玉病院 病理診断科 |
三上 芳喜 | 熊本大学医学部附属病院 病理部 |
湊 宏 | 石川県立中央病院 病理診断科 |
向井 清 | けいゆう病院 病理診断科 |
村田 普一 | 和歌山県立医科大学 人体病理学教室/病理診断科 |
元井 亨 | 東京都立駒込病院 病理科 |
元井 紀子 | 埼玉県立がんセンター 病理診断科 |
森 泰昌 | 国立がん研究センター研究所 中央病院 病理診断科 |
森谷 鈴子 | 滋賀医科大学医学部附属病院 病理診断科 |
森谷 卓也 | 川崎医科大学 病理学 |
八尾 隆史 | 順天堂大学医学部 人体病理病態学 |
安田 政実 | 埼玉医科大学国際医療センター 病理診断科 |
谷田部 恭 | 国立がん研究センター中央病院 病理診断科 |
柳澤 昭夫 | 京都第一赤十字病院 病理診断科 |
山口 岳彦 | 獨協医科大学埼玉医療センター 病理診断科 |
山元 英崇 | 九州大学病院 病理診断科・病理部 |
横尾 英明 | 群馬大学大学院医学系研究科 病態病理学分野 |
横瀬 智之 | 神奈川県立がんセンター 病理診断科 |
吉田 朗彦 | 国立がん研究センター中央病院 病理診断科 |
吉田 裕 | 国立がん研究センター中央病院 病理診断科 |
吉田 正行 | 国立がん研究センター中央病院 病理診断科 |
吉野 正 | 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学 |
渡邊 麗子 | 国立がん研究センター東病院 病理・臨床検査科 |