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PDCAサイクル開始の経緯

  • 2014年から取り組みを開始し、PDCAサイクルを回すことで県内の体制整備を進め、地域で質の高い医療を提供することを目指すこととした
  • 2015年度にPDCAサイクルフォーラムに参加し、東京都の取り組みを参考にして、秋田県がん診療連携協議会直属の組織として評価・改善部会(PDCA部会)を立ち上げた

PDCAの具体的な取り組み内容や工夫

1) PDCAシートの活用

  • 2016年度のPDCAサイクルフォーラムの発表内容を参考に、県全体と各施設とでそれぞれ共通書式のシートを作成した
  • 各施設の課題や改善策、先進的な取り組み、第3期秋田県がん対策推進計画に盛り込むべき項目などを確認しながら、県全体の目標を作った
  • 評価・改善部会を年4回開催し、PDCAの各ステップを検討・評価しており、現在2サイクル目に入っている

2) 診療実績の公表

  • 診療実績を公表する目的は、施設の優劣やランキングをつけることではなく、県全体の状況を把握して、ひとつの目標に向かって進むことにある
  • 施設別の診療実績を秋田県がん診療連携協議会のホームページで公開している

3) 相互訪問

  • PDCAサイクルフォーラムで紹介された相互訪問を、秋田県に適している方法として開始した
  • 相互訪問は年に2回行っており、約半分の施設の相互評価が終わった
  • 訪問先の施設の良いものを自施設に持ち帰ったり、自施設の良いものを提供したりして対等の関係で進めている
  • 相互訪問当日には、評価・改善部会と講演会も実施しており、講演会の講師を外部講師だけでなく、自施設の医師が発表するという新しい取り組みも始めている

4) 第3期がん対策推進計画への積極的な関与

  • 評価・改善部会では、第3期秋田県がん対策推進計画の策定にあたり、井岡亜希子先生のお力を借りて取り組みを開始し、県職員とも協力しながら提言をまとめた(本提言は、県の通知で第3期秋田県がん対策推進計画を補足する公式なものとして位置づけられている)
  • 第3期秋田県がん対策推進計画を読み解く資料としてパンフレットも制作し、今後、がん診療連携拠点病院と協力しながら医療従事者に周知する予定である
  • 提言をまとめるために、患者アンケートを実施したが、数年後にも再度アンケートを実施して改善度を測定する予定

PDCAの効果/振り返り

  • 施設別の診療実績をホームページで公開したところ、アクセス数はそれほど増えなかったが、がん登録の精度が上がるという成果があった
  • 手術率と治療成績を施設ごとに検討したり、県内の生存率と全がん協の生存率とを比較したりすることで、県全体の課題、各施設の課題が明確になった
  • 各施設が5年相対生存率を解析できることを目指し、セミナーなどを実施したことが、各施設の現状だけでなく、他施設や県全体の状況にも関心を広げる、ひとつのきっかけになった

今後のPDCA

  • 秋田県は面積が広く、二次医療圏ごとの罹患率や死亡率に差があるため、各医療圏の状況に合わせた改善ができるよう、二次医療圏ごとの詳細な解析を行う
  • 第3期秋田県がん対策推進計画に関するパンフレットを使った医療者向けの周知は、説明の場を設けながら進めていく
  • 高齢者の比率が高い秋田県として、高齢者のがん対策に関して、各県の見本となるような取り組みをしていきたいと考えている
更新・確認日:2018年12月20日 [ 履歴 ]
履歴
2018年12月20日 掲載しました。
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