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【薬剤師向け】 2025年

多地点がん薬物療法カンファレンス[2025年度-第3回]

青森県立中央病院 発信
薬剤部・副部長/棟方 美穂子

青森県は医療需要に対して薬剤師が不足しており、特に病院薬剤師が大きく不足しています。将来的にも薬剤師の充足が見込めない状況において、青森県では、保険薬局や地域の病院との連携を強化することにより、薬剤師が地域医療の質の向上に貢献することを目指しています。青森県及び当院における病薬連携の現状と取り組み、がん治療やチーム医療における当院薬剤師の病薬連携、地域連携の活動について紹介します。

1.病院薬剤師不足の青森県で病薬連携を推進する取り組み

薬剤部 / 千葉 典子

薬剤師の偏在指標を調べた厚生労働省の調査において、青森県の病院薬剤師の偏在指標は、0.55と全国最下位でした。2023年12月に、連携充実加算の算定状況を調査したところ、青森県がん診療連携協議会 薬物療法部会(以下、部会)に所属する医療機関14施設のうち算定しているのは7施設となっていました。算定していない施設は、人員不足・体制が整わない、といった理由を挙げていました。部会では、県内における病薬連携の均てん化を目指し、活動を行ったので報告します。

2.青森地域におけるトレーシングレポート運用と病薬連携の現状

薬剤部 / 成田 芽生

青森県立中央病院(以下、当院)では、診療科を限定して連携充実加算を算定しています。2024年1月から12月までの連携充実加算の月平均は308.1件、トレーシングレポートは83.4枚でした。青森県では、病薬連携推進のために県内のどの医療機関においても同じ報告様式で同じ対応ができることが必要と考え、共通トレーシングレポートを作成しました。保険薬局薬剤師向けのアンケートに基づき、当院や青森地域での秒薬連携の現状について報告します。

3.薬剤師外来と病薬連携

薬剤部 技師 / 中畑 俊哉

当院では2024年8月に薬剤師外来を設置しました。開設後1年間で1,070件の介入を行い、医師への情報提供及び患者へがん治療の支援を行っています。薬剤師外来で介入する患者の中には保険薬局からのトレーシングレポートがきっかけとなる場合もあります。当院における薬剤師外来の状況を地域連携もふまえて報告します。

4.緩和ケアにおける地域連携

薬剤部 主査 / 相内 志織

当院では、入院中に開始したオピオイド持続注射を転院先や在宅療養でも継続できるようにPCA (patient-controlled analgesia) ポンプを貸し出しています。PCAポンプ内のオピオイドの処方設計などを中心に、地域の病院・薬局に向けた緩和ケアにおける薬剤師の関わりについて紹介します。

更新・確認日:2025年11月28日 [ 履歴 ]
履歴
2025年11月28日 抄録を更新いたしました。
2025年05月08日 抄録を掲載しました。
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