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全ページ表示がんの冊子前立腺がん(ぜんりつせんがん)

更新日:2017年07月26日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2017年07月26日 「前立腺癌診療ガイドライン 2016年版」より、内容の更新をしました。4タブ形式に変更しました。
2014年11月18日 「4.疫学・統計」を更新しました。
2013年11月08日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
1996年10月16日 掲載しました。
診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については「治療にあたって」をご参照ください。

1.前立腺について

前立腺は男性のみにある臓器です。膀胱の下に位置し、尿道のまわりを取り囲んでいます。栗の実のような形をしています。

前立腺は精液の一部に含まれる前立腺液をつくっています。前立腺液には、PSAというタンパク質が含まれています。ほとんどのPSAは前立腺から精液中に分泌されますが、ごく一部は血液中に取り込まれます。
図1 前立腺の構造
図1 前立腺の構造

2.前立腺がんとは

前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。早期に発見すれば治癒することが可能です。また、多くの場合比較的ゆっくり進行します。

近くのリンパ節や骨に転移することが多いですが、肺、肝臓などに転移することもあります。

前立腺がんの中には、進行がゆっくりで、寿命に影響しないと考えられるがんもあります。がんではない、ほかの原因で死亡した男性を調べた結果、前立腺がんであったことが確認されることがあります。このように、生前にはがんが見つからず、死後の解剖によりはじめて見つかるがんをラテントがんといいます。

用語集 治癒 転移 リンパ節

3.症状

早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありません。しかし、尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの症状が出ることもあります。

進行すると、上記のような排尿の症状に加えて、血尿や、腰痛などの骨への転移による痛みがみられることがあります。

4.関連する疾患

1)前立腺肥大症

前立腺肥大症は、前立腺の細胞数が増加する良性の疾患で、高齢に伴い増える病気です。尿が出にくい、尿の切れが悪い、排尿後すっきりしない、夜間にトイレに立つ回数が多い、我慢ができずに尿を漏らしてしまうなどの前立腺がんと似ている排尿の症状があります。前立腺がんと同時に起こることもあります。

5.統計

前立腺がんと新たに診断される人数は1年間に10万人あたり117.9人です。年齢別にみた罹患率(りかんりつ)は、60歳ごろから高齢になるにつれて顕著に高くなります。男性では胃がん、大腸がん、肺がんに次いで4番目に罹患率が高いがんです1)

用語集 罹患率

6.発生要因

前立腺がんのリスクを高める要因として、前立腺がんの家族歴、高年齢が明らかにされています。その他にも肥満、食品(カルシウムの過剰摂取など)、喫煙などについて多くの研究が行われていますが、まだ明らかではありません。

7.予防と検診

日本人を対象とした研究結果から定められた、科学的根拠に基づいた「日本人のためのがん予防法」では、禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防ががんの予防に効果的といわれています。

関連情報
科学的根拠に基づくがん予防
がん種別リスク要因と予防法 14.前立腺がん

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことでがんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。

しかし、前立腺がんについては、現在、指針として定められている検診はありません。気になる症状がある場合には、医療機関を早期に受診することが勧められます。人間ドックなど任意で検診を受ける場合には、検診のメリットとデメリットを理解した上で受けましょう。

なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療前後の検査は、ここでいう検診とは異なります。

関連情報
がん検診について
がん検診Q&A

8.「前立腺がん」参考文献

1) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」地域がん登録全国推計値2012年
2) 日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会 編:前立腺癌取り扱い規約 第4版(2010年12月);金原出版
3) 日本泌尿器科学会 編:前立腺癌診療ガイドライン 2016年版 第1版(2016年10月);メディカルレビュー社
4) 日本がんリハビリテーション研究会 編:がんのリハビリテーションベストプラクティス 第1版(2015年1月);金原出版
5) 日本性機能学会・ED診療ガイドライン2012年版作成委員会 編:ED診療ガイドライン 2012年版 第1版(2012年5月);リッチヒルメディカル株式会社
6) James D. Brierley, Mary K. Gospodarowicz, Christian Wittekind, editors. UICC: TNM Classification of Malignant Tumours, 8th Edn. West Sussex: Wiley-Blackwell; 2017.191-192.
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