1.検査の目的
超音波検査は、がんのある場所や、がんの形・大きさ、がんの周辺の臓器との関係などを確認するために行う検査です。
2.検査の方法
超音波検査は、超音波を使って行います。
体の表面に超音波プローブ(探触子:超音波の送受信をする器械)をあて、体内の臓器からはね返ってくる超音波を画像として映し出します。肝臓がんや乳がんなどでは、血流を見るために、造影剤を使用して超音波検査を行うこともあります。
3.検査の実際
肝臓、胆のう、膵臓、腎臓など上腹部にある臓器の超音波検査では、胃の内容物によって画像が不鮮明になってしまうため、検査を受ける数時間前から食事はできません。膀胱や卵巣、子宮など骨盤内の臓器を検査する場合には、尿をためた状態の方が見やすいため、水分をとり排尿を控えます。
検査はベッドに横になった姿勢で行います。検査する臓器によって、あおむけや横向きになったり、腕を上げたりすることもあります。超音波が伝わりやすくなるように、体の表面に検査用のゼリーを塗ってから超音波プローブをあてます。基本的に検査中は同じ姿勢ですが、調べる部位によっては、一時的に息を止めたり体の向きを変えたりすることがあります。
造影剤を使用する場合は、静脈から注射します。超音波検査で使われる造影剤は、副作用が非常に少ないため、CT検査やMRI検査の造影剤に対してアレルギーがある人も受けることができます。
検査の実際について、詳しくは、検査を受ける病院で確認しましょう。
4.検査の特徴
超音波検査は、痛みや放射線による被ばくの心配がなく、体への負担が少ない検査です。そのため、妊婦や高齢者も受けることができます。1回の検査で、複数の臓器をさまざまな角度からリアルタイムで確認することができますが、骨や空気は超音波をほとんど通さないため、骨の中や、脳などの骨に囲まれた部位、肺などの多量の空気を含む臓器は、多くの場合検査することができません。
5.超音波検査を行う主ながん
超音波検査は、肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、膀胱、卵巣、子宮、前立腺などの腹部にある臓器や、甲状腺や乳腺などさまざまな臓器にできたがんで行うことがあります。
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