PDCAサイクル開始の背景
- 2014年の「厚生労働省-がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」が示され、PDCAサイクルを病院間で回すことになったが、PDCAという言葉を聞いたのは初めてで、何をすればよいかわからない状態だった何も書けないとの危機感があった
- 現況報告書で弱い点がかなり多かったこともあり、少しずつでもPDCAサイクルの取り組みを始めないと5年たっても現況報告書に何も書けないとの危機感があった
- 県内の全てのがん診療連携拠点病院(以下、「拠点病院」と示す。)に関わることなので、一歩踏み出す決意ができた
PDCAの具体的な取り組み内容や工夫
- 2014年度実施
- 拠点病院に求められている「PDCAサイクルの確立」において、1年単位で確立を確認する項目を決めて、県内各拠点病院がPDCAサイクルを回す形を考えた
- また、病院間のPDCAを進めるため、病院長やがん治療責任者などの関係者と顔の見える関係づくりから始めることにした
- 1年目のテーマは「外来化学療法」と「がん登録」に決定
- 各テーマについて質問目を決めてからアンケートを実施
- その後、広島大学病院を除く全拠点病院を訪問して活動状況を確認
- 二次医療圏内の拠点病院を短期間に集中して訪問
- 訪問には、がん登録部門と患者相談支援センターのそれぞれの関係者が同行
- 2015~2016年度
- 訪問調査の方法を変更
- 各拠点病院がひとつの拠点病院を訪問し、訪問したのとは別の拠点病院から訪問を受ける方式「わらしべ長者方式」で相互訪問を行うことにした
- 訪問の最大の目的は、担当者が他病院の活動環境を視察すること
- テーマは、2015年度は「がん相談」、2016年度は「緩和ケア」
- 前年度と同様、各テーマについて質問項目を決めてからアンケートを実施し、その後訪問
- 年度末に報告書を作成し、ホームページでも閲覧可能な状況
- 2017年度
- 訪問調査は行わず、アンケートのみ実施
- 病理診断を加えた複数項目を調査項目とした
PDCAの効果/振り返り
- PDCAをきっかけにして、県内の関係者と関係が密になった
- 各拠点病院で困っていることを共有でき、各部会が取り組むべき課題がはっきりした
- 各拠点病院の取り組みを知ることができて、自院の優れている部分や改善が必要な部分が明確になった
- 院内がん登録部会では、県内でがん登録の共通した集計表を作成し、登録間違いに気付く仕組みづくりを検討している
- 情報提供・相談支援部会では、訪問調査がきっかけとなり、独自にPDCAサイクルを回す取り組みが始まった
今後のPDCA
- これまで取り上げたテーマに関して、各拠点病院のアクションを評価するまでには至っていないが、初年度に取り上げた外来化学療法については、数年後に再度相互訪問してチェックを行いたいと考えている
- 今後現況報告に加わると予想される項目を、PDCAサイクルの新たなテーマとしていきたい
- 新たなテーマとして「妊孕性温存」と「希少がん」を考えている
- 妊孕性温存について、現状を把握し問題点を明らかにするため、AYA世代のがん患者に対して調査する予定
- 希少がんについては、調査を通して県内の患者の流れなどがわかる資料をつくっていきたいと考えている
- そのほか、臨床研究法の施行にあたって課題となっている(抗がん剤の)適応外使用の問題など、訪問調査が他院の取り組みを知るきっかけになるようにしていきたい
更新・確認日:2018年03月27日 [
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