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大腸がん検診

更新・確認日:2019年06月11日 [ 履歴 ]
履歴
2019年06月11日 現在の状況に基づいて掲載内容を更新しました。
2010年04月01日 掲載しました。

1.大腸がん検診検査法のまとめ

国立がん研究センターが作成した「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2005年版」では、大腸がん検診の各種検査法について下記の推奨がまとめられています。推奨は、がん検診の有効性(死亡率減少効果)と、利益と不利益のバランスを勘案して決定されています。
便潜血検査(免疫法)
大腸がん死亡率減少効果を示す十分な証拠があることから、対策型検診・任意型検診として便潜血検査(特に免疫法)を強く推奨します。

全大腸内視鏡検査
全大腸内視鏡検査(およびS状結腸内視鏡検査、S状結腸内視鏡検査と便潜血検査の併用法、注腸X線検査)には死亡率減少効果を示す根拠はあるものの無視できない不利益があることから、集団を対象とした対策型検診としては勧められません。ただし、安全性を確保し、不利益を十分説明した上で、個人を対象とした任意型検診(人間ドックなど)として行うことは可能です。

直腸指診
直腸指診は、大腸がん死亡率減少効果がないことを示す証拠があることから、検診の実施は勧められません。

2.大腸がん検診検査法の有効性評価

1)便潜血検査

3件の無作為化比較対照試験によると、欧米で広く用いられている便潜血検査化学法を毎年受診した場合には33%、2年に1度受診した場合でも13~21%大腸がん死亡率が減少することがわかりました。わが国で広く用いられている免疫法については、症例対照研究によって、1日法による検診を毎年受診することで大腸がん死亡が60%減ることが報告されています。

便潜血検査免疫法の感度(大腸がんがある場合に便潜血検査が陽性となる確率)は、対象とした病変の進行度や算出方法によってかなりの差があり、30.0~92.9%でした。一方で、化学法の感度は25~80%と報告されており、免疫法の感度は化学法の感度と同等もしくはそれ以上と判断されました。

他の検診法と比較した便潜血検査の最大の利点は、検査自体に偶発症(副作用や事故)がないことです。免疫法は化学法とは異なり、検査前の食事制限や内服薬の制限も不要です。不利益としては、偽陰性(便潜血検査での大腸がんの見逃し、中間期がん)によるがん発見の遅れと偽陽性(本当は病変がないのに精密検査が必要と判定されること)による精神的苦痛および精密検査に伴う身体的苦痛・偶発症があげられます。

2)全大腸内視鏡検査

死亡率減少効果に関する直接的証拠は不十分でした。しかし、大腸がんに対する全大腸内視鏡検査の感度は95%以上であり、便潜血検査やS状結腸内視鏡検査の感度よりも高く、全大腸内視鏡検査には死亡率減少効果を有する相応の証拠があると判断されました。

3)直腸指診

直腸指診による大腸がん死亡率減少効果は認めませんでした。

3.大腸がん検診の不利益

便潜血検査(免疫法)は食事や薬剤に制限がないことから、受診者の負担はほとんどありません。しかし、精密検査として全大腸内視鏡検査が行われた場合、前処置や内視鏡検査による苦痛などの不利益があります。

前処置に関連する偶発症は、鎮静剤、鎮痙剤、鎮痛剤、下剤によるものがあり、いずれも死亡例が報告されています。前処置に広く用いられている経口腸管洗浄剤(ニフレック®)では、腸管穿孔による死亡例も報告されています。高齢者の場合は、下剤や食事制限に伴う脱水症とそれに伴う血栓症が問題となります。

日本消化器内視鏡学会は、1983年以降、5年間に1度の調査を行っていますが、4回にわたる調査のうち、大腸内視鏡検査による偶発症は0.06%、死亡は0.001%とほぼ一定でした。1998~2002年までに、大腸内視鏡検査の偶発症は0.069%(2,038人/2,945,518人)であり、死亡は0.00088%(26人)でした。その死亡原因は26人中、腸管穿孔22人、急性心不全3人、脳梗塞1人でした。ただし、これらの報告は、検診や診断を目的とした検査と治療目的の検査(ポリペクトミーなど)が識別されていません。内視鏡による感染について、1997年に行われた日本消化器内視鏡学会消毒委員会の報告が行われていますが、全大腸内視鏡検査における感染例は確認されていません。しかしその可能性は否定できないことから、消毒は不可欠です。

国立がん研究センター社会と健康研究センター検診研究部「科学的根拠に基づくがん検診推進のページ」 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
用語集
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