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大腸がん検診

更新・確認日:2010年04月01日 [ 履歴 ]
履歴
2010年04月01日 掲載しました。
便潜血検査(免疫法)
大腸がん死亡率減少効果を示す十分な証拠があることから、対策型検診・任意型検診として便潜血検査(とりわけ免疫法)を強く推奨します。

全大腸内視鏡検査
全大腸内視鏡検査(およびS状結腸内視鏡検査、S状結腸内視鏡検査と便潜血検査の併用法)には死亡率減少効果を示す根拠はあるものの無視できない不利益があることから、集団を対象とした対策型検診としては勧められません。ただし、安全性を確保し、不利益を十分説明した上で、個人を対象とした任意型検診(人間ドックなど)として行うことは可能です。

直腸指診
直腸指診は、大腸がん死亡率減少効果がないことを示す証拠があることから、検診の実施は勧められません。

1.各種検査法の評価結果

1)便潜血検査

3件の無作為化比較対照試験によると、欧米で広く用いられている便潜血検査化学法を毎年受診した場合には33%、2年に1度受診した場合でも13〜21%大腸がん死亡率が減少することがわかりました。わが国で広く用いられている免疫法については、症例対照研究によって、1日法による検診を毎年受診することで大腸がん死亡が60%減ることが報告されています。

便潜血検査免疫法の感度(大腸がんがある場合に便潜血検査が陽性となる確率)は対象とした病変の進行度や算出方法によってかなりの差があり、30.0〜92.9%でした。一方で、化学法の感度は25〜80%と報告されており、免疫法の感度は化学法の感度と同等もしくはそれ以上と判断されました。

他の検診法と比較した便潜血検査の最大の利点は、検査自体に偶発症(副作用や事故)がないことです。とりわけ免疫法は化学法と違って、検査前の食事制限や内服薬の制限も不要です。不利益としては、偽陰性(便潜血検査での大腸がんの見逃し、中間期がん)によるがん発見の遅れと偽陽性(本当は病変がないのに精密検査が必要と判定されること)による精神的苦痛および精密検査に伴う肉体的苦痛・偶発症が挙げられます。

2)全大腸内視鏡検査

死亡率減少効果に関する直接的証拠は不十分でした。しかし、大腸がんに対する全大腸内視鏡検査の感度は95%以上と、便潜血検査やS状結腸内視鏡検査の感度よりもかなり高く、全大腸内視鏡検査には死亡率減少効果を有する相応の証拠があると判断しました。

3)直腸指診

直腸指診による大腸がん死亡率減少効果は認めませんでした。

2.大腸がん検診の不利益

便潜血検査(免疫法)は食事や薬剤に制限がないことから、受診者の負担はほとんどありません。しかし、精密検査として行う全大腸内視鏡検査としては、前処置と検査、ポリペクトミー、内視鏡による感染などがあります。

前処置に関連する偶発症は、鎮静剤、鎮痙剤、鎮痛剤、下剤によるものがあり、いずれも死亡例が報告されています。前処置に広く用いられている経口腸管洗浄剤(ニフレック®)では、腸管穿孔による死亡例も報告されています。

日本消化器内視鏡学会は、1983年以降、5年間に1度の調査を行っていますが、4回にわたる調査のうち、大腸内視鏡検査による偶発症は0.06%、死亡は0.001%とほぼ一定でした。1998〜2002年までに、大腸内視鏡検査の偶発症は0.069%(2,038人/2,945,518人)であり、死亡は0.00088%(26人)でした。その死亡原因は26人中、穿孔22人、急性心不全3人、脳梗塞1人でした。ただし、これらの報告は、検診や診断を目的とした検査と治療目的の検査(ポリペクトミーなど)が識別されていません。内視鏡による感染について、1997年に行われた日本消化器内視鏡学会消毒委員会の報告が行われていますが、全大腸内視鏡検査における感染例は確認されていません。しかし、その可能性は否定できないことから、消毒は不可欠です。

国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部「科学的根拠に基づくがん検診推進のページ」 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
用語集
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