- 日時
- 2019年06月21日(金)17:30~18:30
- テーマ
- 急性期一般病院における周術期患者および人生の最終段階における外来患者への支援について
(岩手県立中央病院発信)
司会 岩手県立中央病院 看護部次長 遠藤 和江
岩手県立中央病院は、2003年地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、県内に20ある県立病院のセンター病院として、がん診療において重要な役割を担っている。「救急車を断らない」を理念に、年間7000台以上の救急車を受け入れ、緊急性の高い治療を積極的に行う一方で、人生の最終段階における患者の医療やケアの充実にも努めております。今回は、その中の取り組みについて紹介する。
1.手術室における多職種連携の取り組み~手術準備外来の活動~
岩手県立中央病院 手術室 手術看護認定看護師 遠藤 満
当院は、高度急性期病院、地域がん診療連携拠点病院であり、年間約5500件の手術を行っている。手術を受ける患者の多くは、合併症を抱えた高齢者であり、多職種での関わりが必要となってきている。2016年度に、周術期管理を目的としたチーム医療の一環として、主に消化器外科がん患者を対象に手術準備外来を開設した。今後、より多職種との連携や協働が求められていく中で、周術期全体を視野に入れた院内の体制整備が必要と考えられ、当院における手術準備外来の現状と課題を報告する。
2.NSTチームによる周術期における低栄養リスク患者の早期抽出への取り組み
岩手県立中央病院 消化器外科外来皮膚・排泄ケア認定看護師
NST専門療法士 小野寺 喜代
当院NSTチームは、2007年に結成され、入院患者に対して栄養状態改善のサポートと共に低栄養リスクを下げる取り組みをしている。2019年1月からは、予定手術を受ける消化器がん患者を対象に、外来・病棟・栄養管理科・臨床検査科・薬剤部・リハビリテーション技術科が協働し、周術期における低栄養リスク患者の早期抽出に取り組んでいる。術前・術後の低栄養リスク要因を抽出し、当院における栄養評価と身体機能評価のスクリーニングの充実を図ることが目的である。今回この取り組みの評価と今後の方向性について紹介する。
3.外来における高齢のがん患者の意思決定を尊重した関わりを通して
岩手県立中央病院 緩和ケアチーム 緩和ケア認定看護師 熊谷 真紀
積極的ながん治療を終えた当院に通院しているがん患者の中には、社会資源や訪問診療に頼らずに自分で動けるうちは家で生活したいと希望する患者、主治医と関係性をできる限り維持したいと強く希望し、緩和ケア外来・病棟のある病院や訪問診療等への紹介をためらう患者も多い。急性期病院である当院の特性・地域の限られた現状の中で、患者の意思を尊重した関わりを多職種で考えながら外来で支援している。最期まで強い意思を貫き通そうとした患者への関わりを振り返り報告する。