- 日時
- 2025年10月17日(金)17:30~18:30
- テーマ
- がん薬物療法を受ける高齢がん患者の支援について
独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 発信
独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 緩和ケア病棟 看護師長/ 大山 香織
呉医療センターの医療圏は全国的にも高齢化率が高い地域となります。近年高齢化が急速に進む中、高齢がん患者が適切な情報を得て自身の状況を理解し、治療内容や治療場所を選択し、共に治療に挑んでいくためには様々な支援が必要となります。医療の高度複雑化により選択肢も多岐にわたる中、意思決定支援や多職種連携の重要性は増しています。今回、がん薬物療法を受ける患者、家族、医療者の連携における当院の取り組みと課題について報告します。
1.がん薬物療法を受ける認知症高齢患者の支援と課題
血液内科病棟 がん化学療法看護認定看護師/新潟 桃子
当院ではがん薬物療法を受ける高齢がん患者は多く、初回の薬物療法は原則入院して行っています。高齢者の薬物治療は若い世代と比べ、体力・臓器機能の低下や認知機能低下、QOLの低下など様々なリスクが考えられ、薬物療法導入前より適切なアセスメントが重要となります。今回、がん薬物療法を受ける高齢認知症患者に対する支援と課題について報告します。
2.高齢者機能評価導入に向けた取り組み
相談支援室 がん性疼痛看護認定看護師/丸口 忍
がん治療において、特に高齢がん患者の個々の身体機能や認知機能、生活背景などを把握したうえでの支援は副作用の軽減や治療効果を高めるためにも重要であり、適正な評価が必要となります。当院では、今年度より高齢者機能評価導入に向けた取り組みを開始しました。今回、これらの取り組みの経過について報告します。
3.外来化学療法センターでの高齢者機能評価導入の期待される効果
外来化学療法センター がん化学療法看護認定看護師/岡﨑 可恵
高齢がん患者の外来通院治療においては安全性の確保とQOLの維持ができるよう個別の支援が必要であり、そのためには多職種連携が重要となります。当院では、患者・家族と治療予定を共有し、服薬や準備物のチェック、送迎体制の確保、環境面の配慮や意思決定など幅広い支援を行っています。しかし、有害事象リスク評価においては客観的指標が不足している現状があります。今回、高齢者機能評価導入前の現状と導入後の経過を報告します。