- 日時
- 2021年12月17日(金)17:30~18:45
- テーマ
- がん治療の発展に伴う臨床そして研究への新たな取り組み
(国立がん研究センター東病院発信)
司会 国立がん研究センター東病院 薬剤部 薬剤部長 川﨑 敏克
1.臨床研究を通して学んだこと~多施設共同研究の経験から~
国立がん研究センター東病院 薬剤部 田内 淳子
免疫チェックポイント阻害剤に起因する免疫関連有害事象(irAE)による1型糖尿病や副腎不全は発症頻度が稀であり、臨床的特徴や治療の経過をまとめた報告がほとんどない。また、早期発見は容易ではなく、糖尿病ケトアシドーシスや副腎クリーゼになり緊急搬送された症例も経験した。そこで、各irAEの臨床的特徴と治療経過をまとめ、早期発見や患者への注意喚起のために有用な情報を探索することを目的とした研究を行った。希少なirAEだが、多施設共同で行うことで多くの症例を集積することができた。今回はこの経験についてお話しさせて頂く。
2.シームレスな薬学的ケアを目指して -連携充実加算算定の取り組み-
国立がん研究センター東病院 薬剤部 馬見新 佳那子
2020年度診療報酬改定において、がん化学療法における医療機関と保険薬局との連携が評価され、「連携充実加算」が新設された。連携充実加算算定に向けて、レジメン内容の公開や情報提供書の準備を行い、当院では2020年7月より算定を開始した。連携充実加算算定後の薬局と連携した患者ケアの実際や今後の課題について発表する。
3.がんゲノム医療におけるがんゲノム医療コーディネーター薬剤師の取り組み
国立がん研究センター東病院 薬剤部 増田 信一
2019年より包括的がんゲノムプロファイリング検査が保険診療にて可能になった。当院薬剤部では、がんゲノム医療コーディネーター(CGMC)として2名が兼任業務しており、他職種とともに患者に対し検査前と検査後に補助説明を行っている。CGMC兼務薬剤師はエキスパートパネルでの書記のほか、必要に応じ患者申出療養制度での抗がん薬の使用に際し、診療科カンファレンスに出席の上、情報提供を行うことで安全な薬物治療に貢献している。今回は当院CGMC薬剤師の取り組みについて紹介する。