- 日時
- 2022年08月19日(金)17:30~18:45
- テーマ
- がん化学療法に対する当院の取り組み
(愛知県がんセンター発信)
司会 愛知県がんセンター 薬剤部 臨床薬剤部長 加藤 正孝
1.当院における抗がん剤曝露の実態と対策について
愛知県がんセンター 薬剤部 村田 史子
当院では2014年から抗がん剤曝露調査を行い、調製者の手袋等を介したと考えられる汚染が確認されてきた。曝露調査の結果から抗がん剤曝露軽減のため、手袋交換の徹底や輸液運搬ボックスの洗浄等を行った。また、閉鎖式薬物移送システム(CSTD)のデバイスの違いによる、曝露調査を行うことで、CSTDの適正使用に取り組んだ。本発表では、当院が行ってきた抗がん剤曝露調査と対策について報告する。
2.当院における薬薬連携の展開
愛知県がんセンター 薬剤部 則武 千波夜
2020年に新設された連携充実加算を始め、愛知県がんセンターでは近隣の保険薬局を中心とした薬薬連携を行っている。連携充実加算による外来患者のフォローアップ体制の構築や連携の研修会を通じた支持療法薬の使い方や副作用マネジメントの情報共有、業務の効率化のための疑義照会プロトコール作成等が挙げられる。今回、これらの連携体制について連携充実加算と疑義照会プロトコールの運用を中心に紹介する。
3.免疫関連有害事象(irAE)の早期発見・早期対応への取り組み
愛知県がんセンター 臨床薬剤部 専門員 曾根 裕美子
免疫チェックポイント阻害薬は、適応拡大に伴いより多くの癌腫や診療科で取り扱うようになってきている。特有の有害事象である免疫関連有害事象(irAE)に対するマネジメントの重要性が知られているが、当院では内分泌疾患や神経・筋疾患などの領域における常勤の専門医が不在であることから、診療科を超えた連携が特に重要と考えてきた。ゆえにirAEの早期発見・早期対応に関する情報共有を目的として薬剤部医薬品情報室を中心とした情報の一元管理を行っており、院内における周知に努めている。今回はその具体的事例の紹介とともに当院でのirAEの情報管理における薬剤師の役割について報告する。