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【放射線診療技師向け】 2019年

診療放射線技師のための多地点合同カンファレンス[2019-第1回]

(国立がん研究センター中央病院発信)
司会 国立がん研究センター中央病院 放射線技術部 川口 晋吾

はじめに

これまでに多地点合同カンファレンスでは、各施設から放射線技術学を中心とした教育内容や教育システムについて報告をおこなってきた。今回は、多職種やチーム医療を念頭に看護部と薬剤部から講師をお招きして、診療放射線技師業務との連携している業務を中心にそれぞれのお立場での講義を頂く。その中で診療放射線技師としてがん医療に携わる上で知っておくべき基礎知識についての再確認をおこない、今後の教育や人材育成につなげていくことを目的とする。

1.IVRセンターにおける診療放射線技師業務について

国立がん研究センター中央病院 放射線技術部 真柄 昂胤

当院のIVR部門は、院内組織としてはIVRセンターという位置づけによる運用が行われており、医師を中心としたメディカルスタッフによるチームとしての取り組みが進められている。今回は診療放射線技師の業務の中で特に多職種との連携をおこなう手技や治療を中心に当院での取り組みについて紹介する。

2.抗がん剤に関する知識について

国立がん研究センター中央病院 薬剤部 石曽根 好雅

当院における抗がん剤の投与人数は、平成30年11月の実績で延4600人であった。また1日平均の薬剤部で抗がん剤調製を必要とする人数は約200人となっている。抗がん剤を調製する際の注意事項の一つに調製者の曝露対策が挙げられており、当院でも抗がん剤による曝露を最小限に抑えられるようガイドラインなどを参考にして業務に当たっている。そこで、曝露対策についての実際について今回抗がん剤の調製や閉鎖式薬物移送システム(CSTD)について紹介するとともに、ガウンテクニックの実演を行う。

3.IVRセンターにおける看護について

国立がん研究センター中央病院 看護部 安藤 智子

当院におけるIVR件数は年々増加傾向にあり、がん診療に携わる医師、診療放射線技師、看護師に専門的かつ幅広い知識や技術、また高いチーム力が求められる。そのため今回は、チームで患者の安心・安全・安楽を守り、より質の高いIVRを提供するための当院での取り組みと、特に件数が増加傾向にある患者意識下での手技におけるフィジカルアセスメントの重要性などについて紹介する。

4.通院治療センターにおける看護について

国立がん研究センター中央病院 看護部 上原 智子

当院では患者さんのQOLを重視する観点から、通院治療センターにて外来化学療法が積極的に行われている。診療放射線と関連する治療も多く、放射線治療との併用で同日に抗がん剤治療を行う場合や、IVRでポートを造設して抗がん剤投与を行うレジメンもあり、診療放射線技師との関わりも重要である。そこで、当院の通院治療センターでの治療の流れ、抗がん剤の一般的な副作用症状とその出現時期、患者支援について情報共有したい。

5.放射線治療における看護について

国立がん研究センター中央病院 看護部 井上 智子

がんに対する治療の三本柱の一つに放射線療法がある。放射線療法は機能や形態を温存して治療できるところに特徴がある。当院では小児から高齢者まで幅広い年齢層、根治から緩和目的としてさまざまな病状の患者を対象に1日130件相当の放射線治療が行われており、日々適切な看護ケアをおこなうことで、患者の負担を軽減し患者の病状に沿った安全で安心な治療が提供できることにつながっている。今回は当院の放射線治療室でのメディカルスタッフとの連携の現状について紹介する。

更新・確認日:2019年01月11日 [ 履歴 ]
履歴
2019年01月11日 抄録を掲載しました。
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