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診療放射線技師のための多地点合同カンファレンス [2020-第3回]

更新・確認日:2020年09月11日 [ 履歴 ]
履歴
2020年09月11日 抄録を更新しました。
2020年02月14日 抄録を掲載しました。

日時 2020年09月18日(金) 17:30~19:00
テーマ 放射線技術学における教育システムの構築-上咽頭がん-
(国立がん研究センター東病院発信)
司会 国立がん研究センター東病院 放射線技術部 副放射線診断技術室長 永井 優一
1.上咽頭がん概論
放射線診断技術室 浜頭 考成
わが国における上咽頭がん発生数は年間約500例と推定され、人口10万人当たり年間0.2~0.3人と低頻度である。しかし、上咽頭がんは症状が出にくいため、進行がんとして発見される場合が多い。上咽頭がんにおける原発巣の診断は、触診・後鼻鏡検査や内視鏡検査で上咽頭を確認し、がんが疑われる場合は生体組織診断を行う。また、がんの大きさ、リンパ節や他臓器への転移などを調べるために、CT検査やMRI検査、超音波検査、PET検査などを行う。上咽頭は解剖学的に外科手術が困難な位置であり、腫瘍の放射線感受性が高いことから、一般に化学放射線療法が施行される。

2.CT
放射線診断技術室 松岡 隆典
当院における上咽頭がんに対するCTの主な役割は、病巣範囲や多臓器浸潤およびリンパ節転移の有無を判断する。特に骨浸潤についてVolume Scanによるサブトラクション技術を応用し評価している。通常、CTは骨浸潤に対する骨皮質の評価に用いられる。造影開始後7秒(非造影画像)と60秒(腫瘍濃染画像)後のVolume Scanを行い、2つの画像をサブトラクションすると、造影剤で増強された領域のみが強調された画像が得られる。骨条件の画像とサブトラクションで得られた画像を追加情報として、骨皮質と骨髄を対象として画像診断に寄与している。

3.MRI検査
放射線診断技術室 橋爪 寧々
上咽頭がんにおけるMRI検査の主な役割は、骨髄質、軟部組織、隣接臓器浸潤の評価に有用である。特に傍咽頭間隙、頭蓋底、頭蓋内および蝶形骨洞進展の観察に優れている。撮像シーケンスは、主にT2WI、T1WI、DWI(ADCmap)、3D撮像である。造影後の3D撮像ではMPRを作成する。撮像範囲は、腫瘍およびルビエールリンパ節を含める。CT検査と比較すると、検査時間が長く生理的な動きの影響を受けやすい部位であるため、事前に患者へ十分な検査説明と患者の協力が重要となる。

4.放射線治療
放射線治療技術室 山下 直樹
概論でも述べたように、上咽頭がんは、一部の遠隔転移症例を除くすべての患者に対し、化学放射線療法が第一選択となる。上咽頭がんに対する放射線治療は、強度変調放射線治療(IMRT)が行われている。標的などの輪郭作成を医師が担当し、治療計画は放射線技師が担当している。治療計画では軟口蓋と舌にスペースを空けるため、固定具作成時には開口位でシェルを作成するなどの工夫を要する。また、上咽頭がんでは神経周囲浸潤やリスク臓器の線量低減などを考慮し、治療計画を行うことが必要である。

5.ししゃもシステムのブラッシュアップ
放射線診断技術室 稲川 日華里
がん診療の専門施設として、がん種別における教育システムの構築に力を注いでいる。技師経験10年前後の中堅技師がリーダ、若手技師がメンバーとして構成される。本システムの構築を通じて、1つのイベントを作り上げることで自らの業務の理解を深めるとともに、年代ごとの役割を体得することが出来ている。引き続き、メンバーを入れ替えながら、人材育成を進めたい。

用語集
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