このページの本文へ移動
文字サイズ
メニュー
【放射線診療技師向け】 2023年

診療放射線技師のための多地点合同カンファレンス[2023-第2回]

(国立がん研究センター中央病院発信)
司会 国立がん研究センター中央病院 瓜倉 厚志

4月に開催されたJRC2023では、コロナ禍以降最高の参加者数を記録し、活発な質疑が行われた。しかしながら、多地点合同カンファレンス参加施設の中には、感染対策あるいは業務等の都合により現地参加が叶わなかった診療放射線技師も少なくないと思われる。そこで今回は、JRC2023の一般演題の中から4つの演題をピックアップし、学会よりも少しだけ長い時間をかけて発表をお願いした。学会場では手を挙げにくい素朴な質疑を含めて、積極的な議論を期待する。

1.A Study of quantitative quality control of 3D water phantom using image analysis

呉医療センター* 谷本 祐樹

3次元水ファントムから得られるデータは、ビームデータやその後の品質管理に用いられることから、高い測定精度が求められる。AAPM TG106では定期的な品質の確認を推奨している。しかし現在文献から提案されている方法は、動作の検証や視覚的評価が主であり、ベースラインから逸脱しているかを評価することができない。本研究では、X線画像またはWebカメラで撮影した動画を用いて定量的な三次元水ファントムの品質管理方法を開発した。(第125回JSMP POP-031) * 抄録提出時の所属は四国がんセンター

2.頭頚部VMATにおけるベイズ推定による放射線皮膚炎グレードの予測モデルと皮膚線量分布の可視化

九州がんセンター 濱田 圭介

急性放射線皮膚炎(ARD)は放射線治療における一般的な有害事象であるが、治療計画の段階でARDグレードや炎症範囲を予測できないという課題がある。そのため、ベイズ推定による予測モデル作成と皮膚線量の可視化を試みた。予測モデルから高グレードが予測される場合は事前に皮膚ケアを実施し、また治療計画の閾値の目安はARD低減の根拠のあるデータとなる。この手法は、頭頸部VMATによって誘発されるARDの管理を容易にする可能性がある。(第79回JSRT TOP-156)

3.複数回のFDG-PET検査を受けた被検者における投与量の変化が画質と被ばく線量へ及ぼす影響

国立がん研究センター東病院 井上 幹太

[18F]-fluorodeoxyglucose(FDG)の投与量は画質や被ばく線量に影響する。 JSNMガイドラインでは体重あたりの放射能量で決定することが推奨されている。しかし被ばく線量と画質のバランスは十分に検証されていない。本研究は特定期間内に複数回の検査を実施した被検者を対象にして、投与量が画質と実効線量へ与える影響について評価を行ったので報告する。

4.可変型乳房ファントムの開発 -圧迫による描出能の評価-

国立がん研究センター東病院 高田 敦子

乳房は可変性の組織であり圧迫することで、乳腺や病変は位置、厚み及び形状が変化する。そこで圧迫と所見描出の関係性を図るためのものさしが必要であると考え、可変型乳房ファントムを開発した。本日は開発された可変型乳房ファントムを用いて圧迫と所見描出の関係性を図ることが可能であるか検証するため評価対象としてデジタルマンモグラフィ(2D)及びデジタルトモシンセシス(DBT)における圧迫による所見描出の評価をおこなったので報告する。

更新・確認日:2023年09月01日 [ 履歴 ]
履歴
2023年09月01日 ビデオを削除いたしました。
2023年05月31日 ビデオを掲載いたしました。
2023年05月10日 抄録を更新しました。
よりよい情報提供を行うために、
アンケートへの協力をお願いいたします。
アンケートはこちらから
ページの先頭に戻る
相談先・
病院を探す