平成23年1月24日、国立がん研究センターが主催する第1回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会−臨床試験部会が、国立がん研究センター内国際交流会館で開催された(資料:Agenda)。全国の都道府県がん診療連携拠点病院のうち、臨床試験部会に参加を希望した49病院すべてからの部会委員もしくは代理出席者、厚生労働省健康局総務課がん対策推進室および内閣官房医療イノベーション推進室のスタッフ、国立がん研究センターのスタッフが参加した。
開会にあたり、国立がん研究センター 嘉山孝正理事長から、「オールジャパンで臨床試験/医師主導治験を実施するための受け皿として、臨床試験部会が設置された。みなさまのご協力をよろしくお願いいたします。」とあいさつがあった。
次に、国立がん研究センター 境田正樹理事長特任補佐より、医療イノベーションの概要、および、医療イノベーション推進室と臨床試験部会との関係についての説明が行われた(資料1)。
それに引き続き、国立がん研究センターがん対策情報センター 多施設臨床試験・診療支援部 福田治彦部長より、臨床試験部会の機能・役割について、説明が行われた(資料2)。この中で、臨床試験部会は、研究者主導臨床試験の基盤整備と実施支援を主たる目的としており、米国におけるNational Cancer Institute - Cancer Therapy Evaluation Program(NCI-CTEP)に相当する役割を担うことを想定していること、医療イノベーション推進室、がん対策推進室、医薬品医療機器総合機構との緊密な連携が不可欠であること等の説明がなされた。
次に、同多施設臨床試験・診療支援部 薬事安全管理室 柴田大朗室長より、医薬品の適応外使用にかかわる問題点、および、高度医療評価制度の概要について説明が行われた(資料3)。
さらに、臨床試験部会規約案が、福田部長より提示され、その内容が検討された。この中で、臨床試験部会委員は、都道府県拠点および国立がん研究センター中央病院・東病院から選出されることが決定された。また、開発拠点の選定においては、過去の実績のみで評価するのではなく、質が担保されている場合、地域性も考慮したうえで選定されるべきとされた。さらに、共同研究グループの選定は、過去の実績の評価のみでなく、対象が希少疾患であるか否かも考慮されるべきとされた。その他にも規約案に対して多くの意見が出され、活発な議論が行われた。
最後に今後の予定として、第1回臨床試験部会での議論内容を反映した規約案を臨床試験部会事務局が作成し、その内容について、第2回臨床試験部会を3月に開催し議論することが決定された。
資料 第1回 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会−臨床試験部会 Agend 資料 1 医療イノベーション会議と医療イノベーション推進室について 資料 2 臨床試験部会の機能・役割の概要 資料 3 適応外使用と高度医療評価制度の現状について