平成23年10月25日、国立がん研究センターが主催する第2回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会−臨床試験部会が、国立がん研究センター内国際研究交流会館で開催された。
全国の都道府県がん診療連携拠点病院のうち、臨床試験部会に参加を希望した50病院全てから部会委員もしくは代理出席者、内閣官房医療イノベーション推進室および国立がん研究センターのスタッフが参加した。
開会に当たり、部会長である国立がん研究センター 嘉山孝正 理事長から、「本部会は、医療イノベーションの一環として実施されることとなった。日本の臨床試験の推進に向け、みなさまのご協力をよろしくお願いいたします。」とあいさつがあった。
以降は、本部会事務局長の国立がん研究センター多施設臨床試験センター 福田治彦 センター長が議事進行を行った(Agenda)。最初に、予算要求の進捗状況の説明が行われた。がん対策推進室と協議の上、「拠点病院基盤整備」と「共同研究グループ整備」の2事業に分け、平成24年度の概算要求に盛り込むべく交渉を行い、がん対策推進協議会の意見書(資料5)にも盛り込まれたが、前者については来年度の予算化は難しく、平成25年度の予算化に向け折衝中であるとの説明があった。また、関連するプロジェクトとして「治験活性化5ヵ年計画」についての紹介も行われた(資料6)。
次に、「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」(資料7)が紹介され、がん診療連携拠点病院の指定要件に臨床研究コーディネーター(CRC)の配置に関する記載を盛り込むかどうかについて意見が求められた。多くの意見が出され、現在のCRCの雇用数、雇用体系、実際に実施している治験・臨床試験数など、実態調査を行った上で、どのような記載を盛り込むのが妥当であるかを検討することとなった。また、本部会にCRC教育に関する情報共有の場を設けることとなった。
最後に、第1回臨床試験部会での議論をもとに修正された臨床試験部会規約案(資料8)が紹介され、その内容について議論が行われた。今回提示された規約案では、早期開発拠点・早期協力拠点のネットワークは同一都道府県内で構築することとしていたが、すでに臓器別に都道府県をまたいだネットワークが構築されているとの指摘もあり、現状調査を行うこととなった。また、予算配分に関しても多くの意見が出され、研究実績に応じた配分と全都道府県拠点病院への配分のバランスについても検討が必要とされた。
Agenda 第2回 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会−臨床試験部会Agenda 資料5 平成24年度予算要求に係るがん対策推進協議会意見書(案) 資料6 臨床研究・治験活性化に関する検討会資料(抜粋) 資料7 がん診療連携拠点病院の整備に関する指針 資料8 臨床試験部会基本規約改訂素案