- 日時
- 2018年02月16日(金)17:30~18:30
- テーマ
- つなぐ看護カウンセリング
(九州がんセンター発信)
司会 九州がんセンター 緩和ケアセンター ジェネラルマネージャー/看護師長
がん性疼痛看護認定看護師 山﨑 弘子
がん医療を取り巻く環境は変化し、がん告知や治療選択、療養場所の選択などが外来で行われるようになった。平成26年度には、がん患者指導管理料の算定ができるようになり、当院看護部も「がん看護外来」を整備しがん看護カウンセリングの実践に取り組んできた。更に、がん医療の進歩により生存期間が延長され、がん患者は入退院を繰り返し、また、高齢のがん患者も増加している。その為、外来から入院、そして外来へと質の高いケアの継続が重要と考える。今回、看護カウンセリングの充実および質の高いケアの継続を目指した院内のCNS,CNの連携強化の取り組みを紹介する。
1.がん看護専門外来の設立と活動内容
国九州がんセンター がん相談支援センター がん専門看護師 副看護師長 野口 久美子
外来で治療を継続する患者や高齢の患者が増加したこともあり、患者と家族がいつでも安心して 相談できる場所として、また看護カウンセリングを外来で実践する場所として、2014年に「がん看護相談外来」を開設した。看護師が行う外来としては、すでに「乳がん看護外来」「ストーマケア外来」「リンパ浮腫ケア外来」があったため、4つを合わせて「がん看護専門外来」という名称とした。当院における看護外来の現状と今後の課題を報告する。
2.乳がん看護外来と病棟の連携
九州がんセンター 緩和ケアセンター 乳がん看護認定看護師 副看護師長 小野 菊世
当院では、2011年から乳がん看護外来を開設している。現在、病棟と緩和ケアセンターに乳がんCNが1名ずつ配置されているが、看護外来と病棟との連携が十分ではなかった。そこで、毎月第3金曜日の病棟カンファレンスで、看護外来での介入を必要とする患者の抽出や実際に看護外来で行った支援をフィードバックする取り組みを行った。今回、事例を交えながら連携の実際を報告する。
3.看護外来と病棟所属のCNS,CNとの連携強化の取り組み
九州がんセンター 緩和ケアセンター がん専門看護師 副看護師長 田中 圭
がん看護に関わるCNS,CNが属する委員会の中で連携強化について検討を重ね、記録媒体(評価管理シート)、集計方法を統一化した。また、困難事例に対して専門分野の異なるCNS,CNが集ってケア方針などを検討する事例検討会(Nursing board)を開始し、定例化(1回/週)することができたため、それらの内容を報告する。連携強化の取り組みを行うことで、認知機能が低下し意思決定能力の判断が難しい患者への倫理的な意思決定支援をCNS,CNで協働し多職種チームで患者の最善の方向性を模索できた。
4.超高齢者への初回外来受診時からのCNS,CN介入の試み
九州がんセンター 3階東病棟(消化管外科・肝胆膵外科・HCU)緩和ケア認定看護師 無田 千尋
超高齢者でがん治療を受ける患者が増加している。当院においても、超高齢者の自宅での生活や家族の状況などの社会的問題、また認知機能などの高齢に伴う身体状況の変化を十分に把握できないまま、外来で治療方針が決定となっている現状がある。これは、外来診療を医師のみで行っていることや現在の外来診療体制では、超高齢者の背景を把握するには限界があると思われた。そこで、超高齢者の初回外来受診時よりCNSが介入し、外科病棟の緩和ケアCNと連携する試みを行ったので、報告する。