- 日時
- 2021年02月19日(金)17:30~18:30
- テーマ
- がん患者への意思決定支援の取り組みと課題
(長崎大学病院発信)
司会 長崎大学病院 がん性疼痛看護認定看護師 看護師長 池田津奈子
がん患者の意思決定における場面は様々である。対象、立場、病状、治療、支援側が多様化し、選択が難しくなっている。そのため、各場面においてがん患者の意思決定をサポートすることが重要である。今回、化学療法室、緩和ケアセンター、がん診療センターそれぞれの部署での意思決定支援の取り組みや課題について紹介する。
1. 化学療法室における意思決定支援(定期的な倫理カンファレンスの開催)
長崎大学病院 化学療法室 がん化学療法看護認定看護師 土屋暁美
当院の化学療法室利用件数は2007年開設以来増加の一途を辿っている。看護師は患者と短時間にコミュニケーションを促進し、患者の理解力やセルフケア能力、サポート体制を把握し意思決定のプロセスが倫理的な問題を抱えていないか判断することが求められる。様々な意思決定場面において倫理的問題の感性を維持しタイミングを逃さないため、定期的に倫理カンファレンスを開催している。今回、症例を提示し取り組みを紹介する。
2. 緩和ケア外来の待ち時間を活用した面談の取り組みと効果
長崎大学病院 緩和ケアセンター がん看護専門看護師 森下暁
緩和ケア外来は、診察に看護師が同席している。診察では医師と共に患者の意思決定を支援場面が増えている。そこで、診察の待ち時間に面談を行い、前回受診時からの患者の思いや診療科の治療内容の変更などの情報を把握することで、よりよい意思決定支援に繋がると考えた。医師や看護師で、事前に面談が必要な患者を相談し、来院時の面接や診療科の診察に同席を開始した。今回、取り組みの内容と効果について紹介する。
3. がんゲノムパネル検査に関する意思決定支援のための看護師への教育
長崎大学病院 がん診療センター がん看護専門看護師 永石恵美
当院はがんゲノム医療拠点病院として、がんゲノムパネル検査を実施している。看護師が、がんゲノムパネル検査を受ける患者の意思決定支援を行うことは重要な役割である。しかし、看護師はゲノムに関する知識不足から、支援に難しさを感じている状況があった。そこで、当院でがん患者に関わる機会の多い看護師を対象として研修会を実施したので報告する。看護師への教育の課題と方策について、他施設と意見交換を図りたい。