- 日時
- 2021年06月18日(金)17:30~18:30
- テーマ
- 急性期病院におけるアドバンス・ケア・プラニングを踏まえたがん患者の総合的支援
(大分県立中央病院発信)
司会 大分県立病院 副院長兼看護部長 がん看護専門看護師 小畑絹代
がん診療連携拠点病院には、診断時から切れ目のないサポートが求められている。当院では、がん関連の認定看護師・がん看護専門看護師で構成されるがん看護サポートチームが中心となり、多職種と協働しながら、がん患者を支援してきた。指定要件の変更を背景に、がん患者の苦痛緩和に向けたスクリーニング、病状説明の支援、アドバンス・ケア・プランニングの促進に向けた取り組みを行っている。その活動を報告し、課題について検討したい。
1. 大分県立病院の「がん看護サポートチーム」の取り組み
大分県立病院 外来化学療法室 がん化学療法看護認定看護師 東田直子
当院は地域がん診療連携拠点病院であり、看護師は多くのがん患者のケアを行っている。看護実践の中で、患者との対話に悩むことや問題に的確に対応できないなど、看護師が不全感を感じることも多かった。このような苦悩する看護師の支援や教育にあたっては、がん関連の専門/認定看護師による個別相談対応や研修会開催等を行っていたが、十分な解決方法ではなかった。そこで、がん患者のケアを行っている看護師に対してサポートを行う「がん看護サポートチーム」を編成し活動を開始した。がん看護サポートチームの取り組みについて紹介する。
2. がん診断時からの早期支援の取り組み
大分県立病院 がん相談支援センター
がん看護専門看護師/がん性疼痛看護認定看護師 川野京子
平成26年よりがん診療連携拠点病院には、がん患者の苦痛に関するスクリーニングが必要となった。当院でもスクリーニングを導入し、スタッフとがん看護サポートチームで協力しながら患者の苦痛を把握し、支援する取り組みを開始した。また、がん看護サポートチームを中心に、外来での病状説明に同席し意思決定支援を開始した。がん診断時からの早期支援を目的とした当院の取り組みと課題について紹介する。
3. セルフケア能力を高めるための冊子の作成
大分県立病院 緩和ケアセンター がん看護専門看護師 菅原真由美
病状説明や治療説明時には、医師と協働して、看護師が同席するよう取り組んできた。その際、医師の記載した説明用紙や一般的なパンフレットを用いることはあったが、当院の支援体制を提示するものや、患者自身がセルフケアを行いながら長期的に活用できるものはなかった。
そこで、がん看護サポートチームでは、がん患者と家族が自身の状況を認識し、セルフケア能力を高められるよう、がんと告知されてから継続的に活用できる大分県立病院独自の冊子を作成した。作成までのプロセスと今後の課題など、本取り組みについて紹介する。