- 日時
- 2022年02月18日(金)17:30~18:30
- テーマ
- 「患者・家族・職員にやさしい病院を目指して」―コロナ禍での看護の取り組み―
(埼玉県立がんセンター 発信)
司会 埼玉県立がんセンター 看護副部長 遠藤奈美
当センターでは、令和2年2月から新型コロナウイルス感染症患者の受け入れを開始した。がん専門病院で、多くのがん患者を看護してきた私たちが、感染症患者を受け入れることには戸惑いと多くの困難、葛藤があった。がん患者と新型コロナウイルス感染症患者にどのように向き合っていけばよいか、看護の揺らぎを感じながら対応している。今回、当センターの基本方針「患者・家族・職員に優しい病院」に基づき、実践した看護の取り組みを紹介する。改めて優しさとは何かを問い直し、看護の課題について検討したい。
1. 患者支援 コロナ禍での面会について ‐緩和ケア病棟での取り組み‐
埼玉県立がんセンター 緩和ケア病棟 看護師 塚田美和
新型コロナウイルスの感染拡大により、当センターでも原則面会禁止となった。緩和ケア病棟では面会も患者・家族ケアの一環として重要であると考え、柔軟に面会条件を検討した。本来、患者ごとに面会の検討を行うことは看護の大切な役割であるが、状況に合わせた面会は、公平性を担保できるのかなど悩むことが多い。このことは看護師の精神的負担につながっていった。そこで、多職種にワーキンググループを発足し、面会ルールについて検討しマニュアルを作成した。実践内容とその成果について紹介する。
2. 家族支援 -新型コロナウイルスに感染した終末期がん患者の家族支援を通して-
埼玉県立がんセンター 看護副部長 田邉尚子
新型コロナウイルス感染症の入院患者は、家族の面会制限が余儀なくされている。濃厚接触者となった患者の家族は病院に来ることが出来ず、直接患者の状態を知ることも出来ないため不安が大きい。このような状況で新型コロナウイルスに感染した終末期のがん患者に対して家族支援を行った。コロナ禍の面会制限の中、入院中の患者家族に対して、どのような支援が出来るのか事例を通して検討したので紹介する。
3. 看護師支援 -看護のやりがいを語り合い、新たな価値を見出すプロジェクト-
埼玉県立がんセンター がん看護専門看護師/がん性疼痛看護認定看護師 山戸千枝
看護師が、看護実践を内省し意味づけ、がん看護にやりがいを感じられることを目的とし「看護のやりがいプロジェクト」を開催している。令和2年度は、4つのテーマで看護を語り合う場を設け、参加者75名の参加満足度は平均89.3%であった。令和3年度は、集合開催から部署開催へ変更し、より身近なテーマで語り合いが促進された。コロナ禍によるがん看護の揺らぎを体験している看護師が、安心して看護を語れる場にもなった。本プロジェクトについて紹介する。