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【看護師向け】 2023年

多地点がん看護カンファレンス[2023-第3回]

(栃木県立がんセンター 発信)
司会 栃木県立がんセンター 副看護部長 石戸 裕美

AYA世代は、学業、就職、恋愛、結婚、出産など、様々なライフイベントが集中する時期であり、「がん」という病気をかかえ、将来に対する不安や孤独を感じている人も少なくない。ひとり一人が自分らしく過ごすことができるようにサポートが必要となる。第3期がん対策推進基本計画からAYA世代のがん対策には重点的に取り組むことが課題としてあげられている。今回2022年度より当センターで開始したAYA世代を対象にしたスクリーニングの取り組みと、多職種が連携して介入した事例について紹介する。

1. AYAスクリーニングの現状と課題

栃木県立がんセンター がん看護専門看護師/がん化学療法看護認定看護師 松本 幸絵

2022年度当院で治療したAYA世代患者数は全患者数の8.3%で、増加傾向にある。AYA世代がん患者が抱える多様なニーズを引き出し、継続して支援することを目的に、がん専門相談員と公認心理士とで協働し、AYAスクリーニングシートを作成した。2022年から病棟と外来化学療法センターで実施したスクリーニングの結果と支援の実際、今後の課題について紹介する。

2. AYA世代がん患者・家族への継続看護と多職種による支援

栃木県立がんセンター 外来看護師 小笠原 香織

AYA世代と関わる看護師は、患者や家族が抱える様々な問題に、どう支援していけばよいのか不安に思いながら患者と接することもある。当外来では診療科ごとのリーダー看護師が中心となり、継続介入が必要な患者や家族に対し、継続看護シートを用いて情報共有を行っている。継続看護シートには、患者と家族が抱える問題、多職種介入状況等の項目が含まれている。受診のたびに患者状況をアセスメントし、必要時情報を更新して個別性のある看護の提供につなげている。今回AYA世代の患者と家族に継続看護シートを用い介入した事例を紹介し、多職種連携と外来での継続看護について考える機会としたい。

3. がん治療施設における妊孕性温存の意思決定支援を考える

栃木県立がんセンター 公認心理師/がん・生殖医療専門心理士 丸山 睦

妊孕性温存はAYA世代が抱える様々な課題のひとつであるとともに、第4期がん対策推進基本計画にも人材育成やエビデンス創出が記載されるなど、がん医療の提供施設にとっても重要課題のひとつとなっている。当院は生殖医療機能のないがん治療施設であり、生殖医療の知識が十分ではない中、限られた時間の中での妊孕性温存の意思決定支援に難しさを感じる医療者も多い。今回は簡単な事例も交え、支援の視点を考える機会としたい。

更新・確認日:2023年10月13日 [ 履歴 ]
履歴
2023年10月13日 抄録を更新しました。
2022年12月16日 抄録を掲載しました。
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